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履歴書だけでなく職務経歴書に志望動機は必要?書き方や例文を紹介

履歴書だけでなく職務経歴書に志望動機は必要?書き方や例文を紹介

志望動機は応募先企業に熱意をアピールするための大切な要素です。履歴書には記載されていることが多い項目ですが、職務経歴書に書くケースもあります。職務経歴書にも志望動機を書く場合は、履歴書と同じでもいいのでしょうか。今回は職務経歴書における志望動機について解説していきます。

職務経歴書にも志望動機は必要?

志望動機は、職務経歴書の必須項目ではありません。そのため、職務経歴書に志望動機欄を設けるかどうかは、基本的に応募者本人の判断に委ねられています。

職務経歴書に志望動機を書くか決めるために、志望動機とは何かを振り返ってみましょう。

そもそも転職での志望動機の目的とは?

志望動機の目的は、応募先企業で働きたいと思った経緯や、入社後に実現したいこと、長期的なキャリアビジョンなどを伝えることです。採用担当者にとっては、求める人物像と合致しているか判断するための重要な材料の1つになります。

職務経歴書に志望動機を書くメリット

職務経歴書は、履歴書と違ってスペースに制限がありません。そのため、職務経歴書に志望動機を詳細に書くことで、応募への意欲をより伝えることができます。こうした理由から、職務経歴書に志望動機を書く場合は、履歴書と同じ内容ではなく、さらに具体化できるよう書き方を工夫するのがいいでしょう。

職務経歴書に志望動機を書かないと選考結果に影響する?

企業から指定がないかぎり、職務経歴書に志望動機を書かないことが理由で不採用になることはありません。ただし書かなくてもいい項目だからこそ、記載することで他の応募者との差別化を図れる効果もあります。職務経歴書に志望動機を書くか迷った方は、応募先企業により自分をアピールするために記載してみることをおすすめします。

職務経歴書に書く志望動機の基本構成

職務経歴書に書く志望動機の構成は、次の3つの要素に分けられます。

  1. 1. 応募先企業を選んだ理由
  2. 2. 入社後に企業で叶えたいこと
  3. 3. 入社後に企業へ貢献できること

それぞれの内容や文例を紹介します。

応募先企業を選んだ理由

同じ業界・業種の中から、応募先企業を選んだ理由を説明します。応募理由に説得力を持たせるためには、しっかりと業界研究に取り組むことが大切です。商品の魅力や業界でのポジションなどを理解した上で、他社ではなく応募先企業を選んだ理由を伝えましょう。

<応募先企業を選んだ理由の文例>
貴社の顧客志向の営業姿勢と、革新的な技術を取り入れた【具体的な製品名】が市場で高く評価されている点に強く惹かれて、応募を決意しました。

入社後に企業で叶えたいこと

次に、入社してから担当したい仕事や役割を伝えます。経験者として応募する場合は、前職もしくは現職ではなぜ叶わなかったのかをポジティブに表現するのもポイントです。

<入社後に企業で叶えたいことの文例>
現職ではマーケット開拓に携わりたかったものの、既存顧客のフォローが中心でした。現職で培った顧客1人ひとりにあわせた提案力を活かして、貴社で新規開拓を積極的に取り組みたいと考えております。

入社後に会社へ貢献できること

自分を採用することで、企業にどんなメリットがあるのかを伝えましょう。貢献内容の裏づけとして、これまで積み重ねてきたスキルや類似する実績などを具体的に紹介してください。

<入社後に会社へ貢献できることの文例>
現職では、年間売上目標を達成し続け、顧客満足度向上にも貢献してきました。この実績を活かし、貴社でも新規顧客獲得や売上拡大に寄与したい所存です。

職務経歴書に書く志望動機のポイント

職務経歴書用の志望動機を書く際に、押さえておきたいポイントは次の2つです。

200〜300字程度で簡潔にまとめる

履歴書と違ってスペースの制限がないとはいえ、長く書いてしまうと採用担当者に一部しか目を通してもらえないリスクがあります。伝えたい内容を絞って、200〜300字ほどにまとめるのが理想的です。

職歴との一貫性を持たせる

志望動機で伝える内容が経歴と矛盾してしまったり、経歴では別の面をメインでアピールしてしまったりすると説得力に欠けてしまいます。志望動機も職歴も同じ軸を据えて書くことで、職務経歴書全体でストーリー性が生まれるでしょう。

職務経歴書に書く志望動機の執筆例

では、職務経歴書に書く志望動機の文例を見ていきましょう。経験者として応募する場合と、未経験の職種・業界に応募する場合の2パターンを紹介します。

経験者の場合

<ITエンジニア(SIer→SaaSへの転職)の志望動機例文>
私が貴社を志望する理由は、社会貢献度が高く革新的なSaaS製品を次々にリリースするチャレンジングな社風に魅力を感じたためです。私はSIerでの5年間のITエンジニア経験で、PythonとTensorFlowによる機械学習モデルの開発、AWS上でのスケーラブルなインフラ構築を行ってきました。具体的には、ある製造業顧客のサプライチェーン管理システムを再構築し、在庫回転率を20%改善、また受注処理時間を40%短縮させました。
貴社のCRMソフトウェア開発チームでは、この経験を活かし、顧客セグメンテーション機能に機械学習モデルを実装することで、より精度の高い顧客分類を実現し、ユーザー企業の営業効率を向上させることが可能だと考えています。

未経験者の場合

<経理未経験者(店舗管理→経理への転職)の志望動機例文>
私が貴社を志望する理由は、御社の「従業員第一」の企業理念と、業界内でトップクラスの売上高成長率に強く魅力を感じたためです。現職ではアパレル店の店長として、エリア内の複数店舗の売上・在庫管理も担当し、数字の重要性とその分析の必要性を強く感じました。会計分野の知識をさらに深めるために、業務と並行しながら簿記2級の資格を取得し、財務報告や予算管理に関する知識を深めました。接客や店舗スタッフとの連携を通じて身につけたチームワークを大切にし、経理部門と他部門との連携を深めながら、貴社のビジョン実現に貢献したいと考えております。

NGな志望動機の例と改善方法

志望動機のよくあるNG例と、採用担当にアピールするためにブラッシュアップする方法を紹介します。

どんな会社にも当てはまる抽象的な内容になっている

「貴社の理念にたいへん共感しました」「求人を拝見し、これまでの経験を活かせると思って応募いたしました」といった定型文を用いると具体性に欠ける内容になりやすい傾向にあります。たとえば経営理念を志望理由に挙げるなら、どんな点に惹かれたのかを端的に示した上で、業務内容との関連性の高い具体的なエピソードを伝えることで、説得力のある志望動機になるでしょう。

<志望動機のNG文例>
貴社が持つ革新性と顧客志向の姿勢に強く惹かれました。特に、新規市場開拓への積極的な取り組みが私のキャリアビジョンと一致しています。現職では、年間売上目標を達成し続け、顧客満足度向上にも貢献してきました。これらの経験を活かし、貴社でも新規顧客獲得や売上拡大に寄与できると確信しています。貴社でスキルをさらに磨き、成長に貢献できることを心より願っております。

<改善案>
貴社の顧客志向の営業姿勢と、革新的な技術を取り入れた【具体的な製品名】が市場で高く評価されている点に強く惹かれて、応募を決意しました。現職ではマーケット開拓に携わりたかったものの、既存顧客のフォローが中心でした。現職で培った顧客1人ひとりにあわせた提案力を活かして、貴社で新規開拓を積極的に取り組みたいと考えております。現職では、年間売上目標を達成し続け、顧客満足度向上にも貢献してきました。この実績を活かし、貴社でも新規顧客獲得や売上拡大に寄与したい所存です。

商品・サービスの魅力を顧客目線で伝えている

商品やサービスのファンであることを伝えたり、顧客目線に徹して魅力を伝えたりするだけでは不十分です。商品やサービスを愛用してきた自分が、スキルや経験をもとに会社にどう貢献できるかを伝えるよう心掛けましょう。

<志望動機のNG文例>
貴社に応募した理由は、長年貴社のビールを長年愛飲しており、品質とブランド価値に深く感銘を受けてきたためです。入社後は経理職として貴社に貢献することを通じて、好きな製品に関わる喜びを感じたいと考えています。

<改善案>
貴社製品を10年以上愛用してきた経験と、財務アナリストとしての専門性を融合させ、貴社の成長に独自の貢献をしたいと考え、応募いたしました。具体的には、消費者にとっての本質的価値を維持しつつ効率的な原価管理を実現することや、顧客ロイヤリティを考慮した投資判断の意思決定支援ができると考えています。
長年の愛用者としての深い製品理解と財務の専門知識を組み合わせることで、貴社の財務基盤強化と持続的成長に貢献できると確信しています。貴社の素晴らしい製品づくりを経理の専門家として支える喜びを胸に、日々邁進する所存です。

入社後の学びに対して受け身の姿勢になっている

未経験者やまだ経験の浅い第二新卒の場合、即戦力として働くのは難しいため、OJTで長期間仕事を教えてもらうことになるでしょう。その場合も、「入社後学ばせていただく」といった受け身の姿勢ではなく、積極性が伝わるポジティブな表現を用いることが大切です。現職・前職でスキルアップのためにしてきた取り組みなどをエピソードとして盛り込むことで、積極性が伝わり、育てる価値のある人材だと感じてもらえるでしょう。

<志望動機のNG文例>
貴社を選んだ理由は、業界トップクラスの技術力と革新性に強く惹かれたためです。現職では、先輩によるOJTを通して基本的な営業スキルを身につけました。しかし、まだまだ経験が浅いため、貴社で多くのことを学ばせていただきたいと考えています。入社後は、営業部門の皆様からの指導を受けながら、貴社の一員として少しでも貢献できるよう努力していく所存です。

<改善案>
貴社を選んだ理由は、貴社が開発した画期的な水素燃料電池システムに強く惹かれたためです。現職では、顧客のニーズを的確に把握し、それに応じた提案を行うために、先輩の商談へ積極的に同行してコミュニケーションスキルを学びつつ、データ分析やマーケティング手法の習得に意欲的に取り組んできました。入社後は、水素燃料電池の特長を活かし、地方自治体や大規模工場を中心とした提案型営業を展開したいと考えています。具体的には、導入によるCO2 排出量削減効果や長期的なコスト削減メリットを数値化し、顧客の経営課題と環境目標の同時達成を提案することで、受注拡大を図りたいと思います。

待遇や働きやすさの話題が中心

応募先選びの基準として、給与や残業の少なさ、リモートワークへの対応などが入ってくる人も少なくないでしょう。ただし、志望動機でそうした待遇面を中心に書くのはNGです。業務内容に関連する話題を軸に据えて書くようにしてください。

<志望動機のNG文例>
貴社に応募した理由は、業界トップクラスの企業として、豊富な福利厚生や多様な働き方を取り入れている環境だと感じたためです。前職ではサービスエンジニアが社内に私一人だけだったため、毎日3時間以上の残業があり、有給休暇も有休奨励日以外は取得しにくい状況でした。しかし、貴社では働きやすさを実現するためにチーム制で業務を担当する体制を採用していることを知り、理想の働き方ができるのではと感じて応募いたしました。これまで社内で唯一のサービスエンジニアとしてどんな課題にも柔軟に対応してきた経験を活かし、貴社でも活躍したいと考えております。

<改善案>
貴社に応募した理由は、IoTとAIを活用した生産ライン最適化システムに強く惹かれたためです。前職では、サービスエンジニアとして一人で幅広い業務を担当し、技術的な課題に柔軟に対応する力を培いました。貴社のチーム制での業務担当体制により、さらに専門性を深めつつ、協力して問題解決に取り組める環境に魅力を感じています。入社後は、これまでの経験を活かし、異常検知システムの精度向上と予防保全システムの開発によるダウンタイムの削減に貢献したいと考えております。

職務経歴書に書く志望動機の注意点

職歴と同じく、応募先企業によって志望動機は書き分けるようにしてください。どの企業にも当てはまるような内容を書いてしまうと、志望度が低いと判断される可能性があるため要注意です。自力で具体化するのが難しい場合は、転職エージェントをはじめとする転職活動支援サービスを活用するのがおすすめです。転職エージェントのパソナキャリアでも、履歴書・職務経歴書の添削や、模擬面接などを通して転職活動をサポートしていますので、ぜひご利用ください。

【Q&A】職務経歴書に書く志望動機についてのよくある質問

職務経歴書に志望動機を書く際によくある疑問をまとめました。

職務経歴書の志望動機はどこに書く?

決まったフォーマットがない職務経歴書では、どこに志望動機を書いても間違いではありません。ただし、職務経歴書における志望動機は職歴欄やスキル欄よりは優先度が低いため、自己アピール欄の前後に記載するのが無難でしょう。

職務経歴書の志望動機欄は履歴書とどのように書き分ければいいですか?

履歴書よりも職務経歴書の志望動機を具体的に記載することで、書き分けが可能です。文字数の目安は履歴書が100〜200字程度、職務経歴書は250〜300字程度となっています。

転職回数が多い場合、志望動機はどのようにまとめればいいですか?

転職回数が多かったり、短期離職した経験があったりすると、「入社してもすぐ辞めるのでは」と懸念されやすい傾向があります。採用担当の不安を払拭するためにも、転職理由を明記した上で、身についたスキルをどう活かしたいかという前向きな姿勢を具体的に伝えることが大切です。

職務経歴書にも志望動機を書いて意欲の高さをアピール

志望動機は履歴書に記載するため、職務経歴書には書かなくても構いません。しかし、職務経歴書は履歴書よりも広くスペースを取れるため、志望動機をより詳細に伝えられます。特に志望度の高い企業には職務経歴書にも志望動機を記載することで、意欲の高さを伝える効果があるでしょう。今回紹介したコツを参考にしながら、採用担当者に魅力的だと感じてもらえる職務経歴書を作成してみてください。

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この記事の監修者
監修者写真
関根 営業統括本部 シニアリーダー

ものづくり業界での法人営業、管理部門領域専門のキャリアコンサルタントの経験を経て、現在はお客様によりよいサービスをお届けするための企画業務に携わっています。

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