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1日に1億円売った実演販売士・レジェンド松下さんに聞く「短時間で人を惹きつける極意」

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たった数分のプレゼンで客の心を惹きつけ、商品を買わせる実演販売士。そのスキルは社会人、特に営業職に従事する人に非常に役立つはずだ。そこで「1日に1億円売った」実演販売士としてバラエティ番組などにも引っ張りだこのレジェンド松下さんに、「短時間で人を惹きつける極意」を聞いた。

プレゼンの出来は「事前準備」で9割決まる

松下さんの実演販売は、とても軽快なテンポでつい見入ってしまう。プレゼンの成功の決め手はどんなところにあるのだろうか。
「一番大切なのは、“ゴールを明確にする”ことですね。まずは販売したい商品の長所と短所、市場に出回っている類似商品との違いなど、必要な情報をすべて洗い出します。商品は必ず一長一短あり、100点満点のモノはありません。商品をあらゆる角度から調べると、‟どのように販売すればウケるか”というゴールが見えてきます。当日のプレゼンが成功するには、事前準備が9割といえますね」

実演販売というと、パフォーマンスそのものに目が行きがちだが、実はその裏でみっちりと下調べをしているそうだ。プレゼンをする機会には、ぜひ心がけたい。さらに松下さんは、いま市場に出回っているモノの不足部分を補うアイテムは「ほぼ確実に売れる」と力説する。
「例えば、まな板という商品は、これまでに木・ゴム・プラスチック製のものが売り出されていました。しかし木は洗いづらい、ゴムは重い、プラスチックは傷が付きやすいというデメリットがそれぞれにあった。それらのデメリットをすべて解決し、3つの長所を兼ね備えたのがTPU(熱可塑性ポリウレタン)を使った新商品のまな板。このストーリーが伝われば、確実に顧客の購買意欲が高まります」

人を惹きつけるカギは「熱量」と「序破急のリズム」

事前準備を整えた上で、次にポイントになるのが実際に売りたい相手を目の前にしたときのパフォーマンスだ。松下さんいわく、売り方には大きく以下の4タイプが存在するとのこと。

  1. 熱売・・・熱で訴えかける
  2. チャラ売・・・少しふざけながらアピールする
  3. タンカ売・・・タンカを切ってお客さんにハッパをかける
  4. 苦売・・・商品を使うと健康になることをアピールする

「いくつかの手法を織り混ぜることもありますが、人を惹きつけるには絶対に“熱”が必要です。流暢にしゃべるよりも、熱量が伝わることの方が大事。かの有名なジャパネットたかたの元社長・高田明さんは、わかりやすく熱量が伝わるタイプです。声のトーンを高くすることで、自然と熱売状態を作っていますね」
そういったパフォーマンスにストーリー展開が加われば、人々の心を一気にわしづかみできる。これはいわゆる起承転結ではなく、雅楽や能楽で使われる「序破急」のリズムで構成するのが効果的なのだとか。

「提案時は、相手との信頼関係が何より重要です。信頼関係を築くためには、まず安心感を与える必要があります。導入となる“序”ではゆっくりしたテンポで“こんな悩みはありませんか?”と課題を投げかけてみる。そうして注意を引き寄せたら、転換部分となる“破”では商品のメリットを提示しながら商品を実演する。そして、相手との距離が縮まってきたら“急”で、テンポよく提案を重ね、課題解決へと導きます」

プロが実践する「買ってもらうための鉄則」とは

最後に、実際にレジェンド松下さんが実践しているという「買ってもらうための鉄則」をいくつかご紹介しよう。

a. “買ってほしい人”と“買わなくていい人”を明確にする
「どんなに優秀な商品でも全員が買うことはないので、これを設定しておくと売りやすくなります」

b.終わりを提示する
「終わりが見えないと、人はストレスを感じます。“今日覚えてほしいのは3つだけです”とあらかじめ提示すること」

c.捨て商品を用意する
「何かを断るのは、エネルギーを使うんですよね。だから本命とは別に“捨て商品”を用意しましょう。まずは軽いタッチで“捨て商品”をプレゼンして、相手に断ってもらいます。『断っても大丈夫』という安心感を与えることで、相手との距離を縮めることができます」

d.買ってもらうことより場を失わないことが大事
「相手の反応がイマイチなら、無理せず次の機会を狙いましょう。一番に考えるべきは、相手と会える機会を失わないことです」

e.レスポンスは最速で
「すぐに結論が出ないメールの返信を先延ばしにしたことはありませんか? でも、すぐに結論がでないときには、まず“いつまでに回答します”など連絡して、返事を急ぐべきです。時間が経てば経つほど相手からの信頼が薄れるだけでなく、その隙にライバルにチャンスを奪われてしまいます」

レジェンド松下さんの教えは具体的で、誰にでも実践しやすい手法ばかりだ。職場のプレゼンや営業で、このノウハウを取り入れてみては?

(小林香織+ノオト)