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指先に針を刺さずに血糖値を“見える化”する——糖尿病管理のあり方に新たな価値をもたらそうとしている、米国発の医療機器企業デクスコム・ジャパン合同会社。急成長を続ける同社の日本法人を率いる浅野元社長に、事業の強みや日本市場の課題、この製品がもたらす価値について聞きました。患者や家族の気づきを高め、日常の意思決定を支えるテクノロジーの可能性と、今後の医療のあり方、そして成長市場の最前線で挑戦する理由を解き明かします。
浅野:デクスコムという社名の由来は「デクストロース(ブドウ糖)」と「コミュニケーション」を組み合わせたものです。本社は米国・サンディエゴにあり、1999年に設立されました。そして、この10年で一気に飛躍し、業績を大きく伸ばしています。今では従業員が1万人以上、時価総額は約4.4兆円規模にまで成長しています。
主力製品『Dexcom G7』は、グルコース値の変動をリアルタイムで可視化するCGMデバイスです。従来は、血糖値を測るたび指先に針を刺す必要がありました。しかしこれでは痛みを伴ううえ、同じ箇所に繰り返し針を刺すことで指先の皮膚が硬くなってしまいます。私たちは、そうした負担から患者さんを解放することを大きな使命としています。
ミッションとして掲げているのは、「健やかな生活をご自身の力で手に入れる」です。日々忙しく働いていると忘れがちですが、私たちは常に患者さんのために何をしているのかを意識するように、社内でも繰り返し伝えています。
当社の強みは「人」です。良い製品がある企業には、自然と優秀な人材が集まってくるものです。当社には多様で個性的なメンバーが集まっており、それが組織としての強さにもつながっています。
Dexcomは日本ではまだ発展途上の段階にあります。一方で、糖尿病管理の在り方を大きく変えるテクノロジーとして、世界ではすでに高い評価を受けています。今なお臨床の現場で日常的に使われている指先穿刺は、約40年前から続く技術です。それが今、新しいテクノロジーによって置き換わりつつあります。当社のデバイスはスマートフォンと連携し、血糖値データをリアルタイムで確認できるだけでなく、家族との共有が可能です。この機能は特に、子どもの1型糖尿病患者の保護者にとって欠かせません。低血糖は命に関わるリスクがあり、遠隔で共有できることはとても重要なのです。
浅野:当社製品『Dexcom G7』の特徴は、低血糖リスクを事前に検知し、早めの対応を促すアラート機能があることです。血糖値が急激に下がる前にわかるので、ジュースで糖分を取るなど適切な対処ができます。デバイスの起動時間も30分と短く、装着後すぐに使えるレベルまで進化しています。データはリアルタイムで常時取得され、日常におけるグルコース変動の傾向を把握できます。そして、従来の指先穿刺はその瞬間の“点”のデータのみ計測していましたが、CGMは血糖値の変化が“線”で見えるようになります。
浅野:日本でCGMの普及が進んでいない理由は、いくつかあります。大きくは、米国と違い患者さん自身が情報を得るきっかけが少ないからです。米国では医療機器のTVCMが打てるので、患者さんが製品を知って医師に相談できます。ですが日本ではCGMの存在を知る機会が乏しく、そもそも「知らないから選べない」状況なのです。
毎回指先穿刺による採血して測る検査が標準であり続けるのは、せっかく新しいテクノロジーがあるのにと思っています。だからこそ、この状況を変えていきたいのです。血糖値の変化が見え、食べる順番やスピードで結果が変わることを知ると、自分の体への理解が一気に深まります。デバイスも小型化・一体化が進み、使い勝手も改良されています。技術や環境は整ってきているので、あとは認知と理解を広げることが重要なのです。
浅野:この製品を知ったときに「自分がやるしかない」と感じた、という一言に尽きます。日本でCGMを使用していない糖尿病患者さんは非常に多く、マーケットは大きい。それに加え、患者さんやご家族の生活を確実に変えられるプロダクトだと直感しました。特に大きいのは、血糖値をリアルタイムで見ながら自分でコントロールできる点です。従来は「なんとなく低血糖っぽい」といった感覚頼りでしたが『Dexcom G7』を使って正確に把握できれば、適切なタイミングで対処できます。
そして最近重視されているのが、血糖値の変動です。例えばヘモグロビンA1cが同じ平均値7.5%でも、血糖値の上下が激しい人と緩やかな人とでは、体への負担が大きく変わると言われています。近年は血糖値の“波”が血管を傷つけることがわかってきて、これもCGMのようなデバイスで初めて可視化されました。
つまりこのプロダクトは単に数値を測るだけではなく、患者さんの状態をより正確に可視化し、治療の質そのものを変えていく力がある。長く製薬の世界にいましたが、ここまでダイレクトに“患者さんの行動や生活を変えられる”製品は滅多にありません。だからこそ当領域で挑戦したいと、デクスコムに来たのです。
浅野:最大のメリットは、市場が大きく広がっていく途中にあり、患者さんに直接貢献できるチャンスがあるという点です。現在は保険適用となるインスリンを使っていらっしゃる患者約120万人が中心ですが、その先には経口薬で治療する2型糖尿病の方が約400万人、さらに血糖値に関心のある約1,000万人以上の潜在層がいます。米国ではOTC用CGM1の販売も始まり、市場は今後さらに拡大します。加えて『Dexcom G7』は、品質管理が徹底されています。全数センサーで検査して出荷しており、この精度が糖尿病患者さんから高く評価されています。
1.製品力 2.成長の機会 3.市場の伸びがある環境
この3つが当社で働く大きな魅力です。
人生は一度きり。その中で、私たちは常々「ゲームチェンジャーになれる機会がある」とお伝えしています。せっかくチャンスが目の前にあるのに、逃してしまっていいのですか?私はそう問いかけたいのです。
※1 OTC:Over The Counterの略。医師の処方箋を必要とせず購入可能な製品カテゴリーを指します。
浅野:もっとも大切なのは、これまでのキャリアや専門性を生かしながら、新しいことに臆せず挑戦できるかどうかです。業界経験について、必ずしも製薬や医療に限る必要はなく、各業務のプロフェッショナルであれば活躍できる環境があります。
年齢にとらわれず、これまでの経験や専門性を生かしながら、新しい挑戦を楽しめる方を歓迎しています。
また当社は米国本社の企業ですが、日本法人へ高い裁量が与えられています。本社と密にコミュニケーションを取りながらも、きちんと説明すれば理解してもらえますし、基本的には現地判断で動けます。さらに、グローバルで年率15%以上成長しており、積極的に投資が行われています。そして何より、私たちの仕事は「CGMを届けることで患者さんの健康に役立つ」と自信を持って言えるのです。
働き方はとても柔軟で、時間や場所に縛られません。成果を出していれば、働き方は個人に任せています。組織はフラットで、私や人事部長と直接話せる機会(2 on 1)を設け、出た提案はすぐ改善に向けて動きます。だからこそ、安定だけではなく自らのキャリアで大きな変化に関わりたい方には、非常に面白い環境だという自負があります。
先ほども触れましたが、職種によっては業界経験に大きなこだわりは無く、実際、今の人事部長や採用担当はIT業界からの転職組です。そして、デクスコム ジャパンには自走できる人が多い印象です。私は “セルフモチベーター”と呼んでいますが、皆さん非常に主体的で、自らの専門領域を武器にどんどん前へ進んでいくタイプです。ですので、求める人物像をひと言で表すなら「自ら考えて動けるプロフェッショナル」ですね。
浅野:当社では、社員の家族にどんな会社なのかをお伝えし、安心していただくことを大切にしています。その取り組みの1つが、夏休みに毎年開催している「ファミリーデー」です。オフィスを開放し、社員が働く環境を見学していただくことで、ご家族との距離がぐっと縮まります。過去には、隣接する目黒雅叙園の「百段階段」を訪れたことも。美術館のように美しい名所で、参加者からはとても好評でした。その後は子どもたちと釣り堀で釣りを楽しむなど、家族みんなが笑顔になれるイベントに育っています。
また、月に1度実施している「ハッピーフライデー」も好評です。金曜日17時頃から社内でカジュアルな飲み会を企画しているのですが、この流れで外部のお店へ飲みに行くこともしばしば。こうしたイベントを通じてコミュニケーションが生まれ、部署を超えたつながりが広がっています。息抜きであると同時に、社内の一体感や働きやすさを生む大切な時間となっているようで、皆が楽しそうに過ごしている姿を見ると、私も非常に嬉しくなります。
キャリアを積んで次のステップに挑戦したい方、あるいは「患者さんの生活を変えるようなチャレンジをしたい」と本気で思っている方に、私たちの仲間になってもらえることを期待しています。糖尿病患者さんのQOLを大幅に向上させ、医師や看護師さん、薬剤師さん、検査技師さんの治療指針も変える、社会的インパクトの大きい事業に携わってみたい方との出会いを楽しみにしています。

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