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<目次>
最近、フィンテックという言葉をよく耳にします。フィンテックとは、金融(finance)と技術(technology)を融合した言葉ですが、これが金融業界を激変させようとしているのです。今後、情報通信(IT)革命が、人工知能(AI)革命に進化していくでしょう。金融サービスは、AI革命などによって進化し、つれて、金融業と金融機関を大きく変えようとしています。
AI時代には、我々の生活は劇的に変化することでしょう。AIは、すでにチェスや囲碁の世界チャンピオンに勝つほどまでにレベルが上がっています。よって、多くの知的産業はAIによって代替されることでしょう。当然、これは、金融にも大きな影響を与えます。
自動運転時代になれば、タクシーやトラックの運転手、運転教習場、ガソリンスタンドなどが消えることでしょう。当然、最大の産業である自動車業界が変われば、金融にも大きな影響が出ます。
たとえば、地震が起こるから、地震保険が存在します。同様に、自動車事故が起きるからこそ、自動車保険があるのです。ところが、自動運転時代には、自動車事故がほとんどなくなるので、自動車保険はなくなるでしょう。
IT革命では、付加価値が比較的低い業務がITに代替されました。たとえば、スイカやパスモの登場で、駅の改札で切符を切る人はいなくなり、ETCの登場で、高速道路の料金収納をする人もいなくなりました。
AI革命では、付加価値が比較的高い業務がITに代替されるでしょう。その代表格が金融なのです。
資産運用において、販売員によりも、ロボアドバイザー(AIを用いた資産運用アドバイザー)による運用アドバイスの方が、質が高く、かつ圧倒的に低コストになる日も近いでしょう。住宅ローンや消費者金融の審査もAIが行う方が、低コストで的確な判断ができるようになるでしょう。
かつて、街の至る所で、公衆電話がありました。しかし、今では、IT革命に淘汰されたため、公衆電話を見かけることはほとんどありません。あるいは、IT革命によって、かつて繁華街に必ずと言っていいほどあったレコード販売店が淘汰され、本屋も淘汰されつつあります。
現在は、街の至る所で、現金自動受払機(ATM)があります。しかし、フィンテック革命によって、ATMはほとんどが淘汰されることでしょう。つまり、ATMは、20年前の公衆電話なのかもしれないのです。
同様に、街の一等地に必ずと言っていいほどあるのが、銀行、証券、保険など金融機関の支店です。ニューヨークやロンドンを見ても、これほどまで多くの金融機関の支店が駅前の一等地にある国はありません。
フィンテック時代には、支払いや決済、送金、資産運用、住宅ローン、預金、消費者金融など、ほとんどの金融サービスがスマートフォンでできるようになります。ほとんどの銀行の支店は一日6時間しか営業していません。しかも、支店に行くと長く待たされ、ハンコを押す必要があります。
一方、スマートフォンだと24時間対応可能で、待つことも、ハンコを押すこともありません。そうであれば、銀行や証券の支店に行く必要はなくなります。
かつてのレコード販売店や本屋同様に、一等地を占める金融機関の支店の多くが消えれば、必然的に街の形は変わるでしょう。近年、日本にやってくる外国人が急増しています。金融機関の支店が消えた後には、パリやローマのように、しゃれたカフェやレストランが出店し、外国人観光客を楽しましてくれるかもしれません。
フィンテックは、世界的に、産業界を巻き込んで広義の金融ビジネスを大きく変えることでしょう。金融は産業界の血液ともいわれます。よって、フィンテックによってマネーの流れが大きく変われば、産業界全体に大きな変化を生むことでしょう。
フィンテックによって、金融業では、かつてのように、巨額の資本、多くの人材、巨額のシステム投資、支店やATMを中心とするネットワークなどが不要になります。新規投資が少なくなるため、産業界にとって、金融サービス業に関わる参入障壁がかなり低くなるのでしょう。
その結果、金融サービス業に進出する事業会社が増えるでしょう。たとえば、今でも、ソニーがソニー銀行をグループ内に持ち、セブン・アンド・アイホールディングスがセブン銀行を持っています。さらに、今後はローソンが銀行を設立する予定であるなど、産業界から金融界への進出は進むでしょう。これは、21世紀に入って、規制緩和とIT革命によって、実現したものですが、AI革命によって、一段と、加速すると考えられます。
フィンテック革命は、以下のように日本の経済成長に貢献することでしょう。
フィンテックは、マネーの流れを変え、安全資産を中心に投資されている個人金融資産を、日本株を含むリスク資産に向かわせることでしょう。さらに、ハイテクベンチャー企業に資金が向かい、未公開企業の成長を促進するでしょう。
仮に、日本の金融資産(1700兆円超)の投資収益率が年1%向上すれば、年17兆円(日本のGDPの3%以上)の所得が発生します。これを実現すれば、日本の経済成長率が上がり、かつ投資家の利益が大きく増えるでしょう。
トヨタ自動車やソニーなどの消費財メーカーはすでに1,000億円単位の利益を金融事業から得ています。楽天、イオンなどの小売業の金融事業からの利益も順調に増加しつつあります。消費者と密接に関係がある通信や鉄道などが金融業に本格的に進出すれば、これら以上の利益を得ることが考えられます。
日本は伝統的にものづくりを尊ぶ一方で、非製造業、なかでも金融の役割を軽視する傾向があります。そして、投資や投機をマネーゲームと呼び、ものづくりよりも下に見る傾向があります。そして、稼いだお金を有効に運用することにはあまりエネルギーを注いでこなかったのです。
しかし、フィンテック時代には、メーカーもマネーで稼ぐようになるのです。経済の血液であるマネーが敢然とリスクを取って成長分野に向かうようになれば、2020年代に、日本株市場は長年の停滞を脱却して本格上昇へ向かうことでしょう。
結果として、金融業という職業は大きく変化することでしょう。これまでは、金融業の従事者として、経験が重要でしたが、今後は、むしろ金融業の経験がない方が、新しい金融サービスに対応しやすいかもしれません。このように、フィンテックに関する理解は、金融業を目指す人たちにとって欠かせないものなのです。
1960年山口県生まれ。82年上智大学外国語学部英語学科卒業。2010年一橋大学大学院博士課程修了、経営法博士。
上智大卒業後、82年に山一証券入社。83年山一投資顧問に出向、85年ニューヨークの山一キャピタルマネジメント。
90年帰国。97年メリルリンチ投信投資顧問(社名はいずれも当時)。00年日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)に日本株ストラテジストとして入社。10年まで日経ヴェリタス人気アナリストランキング日本株ストラテジスト部門5年連続1位。
10年からシティグループ証券取締役副会長。内閣官房 経済部市場動向研究会委員、経済産業省企業価値研究会委員、早稲田大学商学部講師などを歴任。近著に「最強通貨ドル時代の投資術」(平凡社新書)「ギリシャ危機後のマネー経済入門」(毎日新聞出版)など
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