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「ゼネラリストは転職できない」は本当?転職成功に向けて取り組むべき“5つ”のこと

「ゼネラリストは転職できない」は本当?転職成功に向けて取り組むべき“5つ”のこと

近年はDXや市場のグローバル化をはじめ、時代が目まぐるしく変動しています。それに伴い、さまざまな企業で専門性の高い“スペシャリスト”が必要とされている状況です。そのため、「ゼネラリストのままではこの先転職できないのではないか」という漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ゼネラリストは転職できない」と言われる理由や、ゼネラリストが転職成功に向けて取り組むべきことについて解説します。また、ゼネラリストが目指すべき「T型人材」についても紹介しますので、ぜひ今後のキャリアを充実させるために参考にしてみてください。

日本にゼネラリストが多い背景とは?

日本では、そもそもなぜ「ゼネラリスト人材が多い」と言われているのでしょうか。ここでは、日本でゼネラリストが育ちやすい背景・理由について解説します。

メンバーシップ型雇用が一般的だったから

日本では、新卒の学生を総合職として採用する、「メンバーシップ型雇用」が一般的でした。メンバーシップ型雇用では、社員に数年周期のジョブローテーションで多様な部署を経験させ、管理職や経営層を担えるような人材を育てます。そのため、幅広いスキルや知見を持つゼネラリストが生まれやすかったのです。逆にいえば、人材が長年同じ部署で専門性を磨き続けるのは難しかったため、スペシャリストが育ちにくい環境でもありました

終身雇用が前提だったから

日本企業ではメンバーシップ型雇用とセットで、「終身雇用制度」も広く導入されていました。終身雇用のもとでは、社員は定年までの雇用が保障されており、1社のなかで生涯のキャリアを形成する人も珍しくありません。その場合、スキルアップも「転職を見据えて専門性を磨く」というより、「出世するために多様な経験を積む」という方向性になりがちです。結果的に日本では、ゼネラリストが育ちやすい土壌になったといえます。

ゼネラリストが転職できない・難しいと言われる理由とは?

近年、なぜ「ゼネラリストは転職できない」「ゼネラリストの転職は難しい」と言われるようになったのでしょうか。ここでは、ゼネラリストの転職が難しいとされている理由について解説します。

高度な専門性が求められる時代だから

日本ではさまざまな業界で市場が飽和しつつあり、商品・サービスの差別化が難しくなっています。イノベーションを起こして競合企業と差別化を図るには、特定領域の専門的な知見が欠かせません。そのため、幅広い経験を持つ「ゼネラリスト」より、専門分野の深いスキルを持つ「スペシャリスト」のニーズが強まっているのです。

中途採用はある分野の「即戦力」を求めているから

新卒採用の場合、「総合職」として採用されることが多いため、人材のポテンシャルも評価対象になります。しかし、中途採用は特定の職種・ポストが不足した際に募集が始まるため、即戦力採用が基本です。そのため、「○○もできる」というゼネラリストより、「○○が得意」というスペシャリストのほうが評価されやすくなります

強みを定量的にアピールしにくいから

ゼネラリストには、「幅広い分野の知見を備えている」「コミュニケーション能力が高い」「チームビルディングのスキルが高い」といった強みがあります。しかし、こうした強みはスペシャリストの専門性と比べて、定量的に表現しにくいのも事実です。そのため、選考で印象に残りにくく、評価につながりにくいケースもあります。

社外で通用するか判断しにくいから

「社内における人脈が広い」「社内調整を円滑に進められる」といった点も、ゼネラリストの大きな強みです。しかし、企業によって社風や人間関係は変わるため、社外に出てもなおその武器を生かせるとは限りません。このようにゼネラリストの強みは特定の会社内でのみ発揮される場合があり、選考で評価が分かれやすいのです。

プレイングマネージャーが増えているから

近年は少子高齢化の影響で、人材不足に悩む企業も少なくありません。それに伴い、管理職がマネジメントに専念するのは難しくなっており、プレイングマネージャーとして現場の業務も兼任するケースが増えています。そのため、管理職でありながら、スペシャリストとして現場業務も担えるような人材が必要とされやすいのです。

ゼネラリストが目指すべき「T型人材」とは?

ゼネラリストが今後転職を成功させる方法の一つに、「T型人材」を目指すという方向性があります。ここでは、ゼネラリストが目指すべき「T型人材」について解説します。

T型人材とは、“専門性”を備えたゼネラリスト

T型人材とは、ゼネラリストのように幅広い分野の知見を持ち、スペシャリストのように得意な専門分野を一つ以上持つ人材を指します。「T」の文字は、横線(知見の幅広さ)と縦線(専門性の深さ)がそれぞれ長いことから名付けられました。T型人材は、多様な経験を生かして他分野の人材とスムーズに連携でき、自身の専門分野を軸にイノベーションを起こすことが可能です。そのため、今後さまざまな企業で重宝される人材といえます。

いずれは「Π(パイ)型人材」に

Π型人材とは、T型人材の発展形であり、知見の幅広さと「2つ」以上の専門性を備えた人材のことをいいます。「Π」は「T」と比べて縦線(専門性の深さ)が1本多いことから、この名称がつけられました。Π型人材は2つの専門性を極めているため、自分自身の力でそれぞれをかけ合わせてイノベーションを起こすこともできます

T型人材とΠ型人材の特徴は、ゼネラリストといえども、努力して特定分野の専門スキルを習得している点です。自身の強みを軸にスペシャリストの強みも身につけることで、企業から選ばれやすい人材を目指せるでしょう。

ゼネラリストが転職成功に向けて取り組むべき“5つ”のこと

ゼネラリストが今後転職を成功させるためには、普段の業務でどのようなことを意識すればよいのでしょうか。ここでは、ゼネラリストが転職成功に向けて取り組むべき5つのことについて解説します。

(1)社外でのキャリアを見据えて経験を積む

近年は終身雇用制度が崩壊しつつあり、今後さらに転職が当たり前になるかもしれません。生涯同じ企業で働くという前提が崩れつつある以上、社内でしか通用しないスキルだけを身につけるのは得策ではありません。そのため、ゼネラリストは社外でのキャリアも見据えて、経験・スキルを積んでおくことが大切です。「これは社外でも生かせる能力だろうか」と常に自問することで、より人生にとってプラスのスキルアップができるでしょう。

(2)時代の変化を敏感にキャッチする

多様な経験に裏打ちされた「知見の幅広さ」こそ、ゼネラリストの強みです。そのため、日ごろから多方面にアンテナを張り、最新の情報をキャッチアップする姿勢を持ちましょう。特に近年は時代の変化が激しく、新しいビジネストレンドやテクノロジーが次々に登場しています。こうした最先端のビジネス情報に詳しくなっておくことで、より幅広い人材とコミュニケーションできるようになり、周囲から頼られやすい人材になるでしょう。

(3)ゼネラリストが重宝される職場を探す

ゼネラリストだからこそ重宝される環境が、実は数多くあります。例えば、新興ベンチャーのように少数精鋭で経営している企業では、職種の垣根を越えて活躍できるゼネラリストが重宝されやすいのです。また、外部のスペシャリストに業務を委託している企業では、複数のスペシャリストを管理するディレクターやプロデューサーのポジションが必要とされます。こうした「ゼネラリストの強み」を生かせる職場を探すのも、一つの戦略です。

(4)マネジメントスキルを身につける

全体最適の視点や高いコミュニケーション能力を持つゼネラリストは、管理職の適性が高い人材です。管理職の求人では、ゼネラリストが選考で有利になるケースもあるでしょう。ただし、管理職の求人は特にマネジメント経験の有無が問われやすいのも事実です。そのため、現職で管理職を経験し、マネジメントスキルを習得しておくのも一つの方法でしょう。管理職としての実績をアピールできれば、よりキャリアの選択肢も豊富になります。

(5)第三者に強みを分析してもらう

ゼネラリストはスペシャリストと比べると、スキルを具体的に表現しづらく、自分の強みに気づきにくいという側面があります。そのため、第三者から客観的にアドバイスをもらうことも効果的です。例えば、転職エージェントの転職コンサルタントに相談して、スキルの棚卸しを手伝ってもらうという方法があります。専門家に強みを分析してもらうことで、選考でアピールすべき点も明確になり、より自信を持って転職活動に臨めるでしょう。

まとめ

「ゼネラリストは転職できない」といわれる時代ですが、「ゼネラリストだからこそ必要」という企業も間違いなくあります。そのため、自身の可能性を狭めることなく、できるだけ多くの求人に触れることが大切です。また、「どうしても専門性が必要」と感じる部分がある場合には、積極的に周囲のスペシャリストから知識を吸収してスキルアップを目指すようにしましょう。

また、ゼネラリストは多様な経験を持っているがゆえに、自身の強みに気づきにくいという側面もあります。そのため、転職エージェントのような第三者に意見をもらい、キャリアを棚卸ししておくことも必要でしょう。

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