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事業企画とはどんな役割?求められるスキルと将来性について解説

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昨今の新型コロナウイルスの影響による経済状況の変化や人々のライフスタイルの変化によって、ビジネスの在り方が変化しています。既存の事業を見直したり、新たな事業を考案したりしている企業も少なくないでしょう。

また、グローバル化が進み、日本においても海外進出を目指す企業が増えています。営業・販売先をグローバルに広げたりと戦略的な事業展開も企業にとって必要でしょう。そんな企業にとって重要な役割を果たす部門が「事業企画」です。

今回は、事業企画の概要、経営企画との違い、求められるスキル、将来性、キャリアパスなどについてご紹介します。事業企画に興味がある方や、転職先に事業企画を希望している方は、ぜひ参考にしてみてください。

パソナでは、無料の転職サポートを行っています。事業企画のキャリアに関するご相談や転職市場の情報提供も可能ですので、お気軽にご利用ください。

事業企画とは

事業企画とは、経営の意思決定に基づき、事業課題を設定したり事業計画の策定・推進を行ったりする部門です。その他、新規事業の立ち上げや海外進出の推進、他社との資本・業務提携・アライアンス(※1)などに関する企画立案などがあげられます。

企業活動は、何かしらの事業を運営することで価値提供を行い、収益を得ています。つまり「事業」は企業の生命線ともいえるべき重要な事柄です。ビジネスとして利益を上げられるか、独自の強みを発揮し競合と差別化できるか、など大きなミッションを担っています。

事業企画の役割をひとことで表すなら「経営陣の方針を深く理解し、それを現場レベルに落とし込みながら事業を推し進めること」です。

事業の予算組みや目標の設定、具体的施策の提案、実行するための計画・管理方法の策定など、事業を推し進めるうえで決めるべきことは山ほどあります。また、進捗管理を行いつつ、ときには目標や施策の見直しを行わなくてはなりません。

前述したように、事業企画では新規事業の企画立案を行うケースも往々にしてあります。事業部門の立ち上げなど会社内で完結する業務もありますが、アライアンスやM&A(※2)のように他者との協力が必要なときも出てくるでしょう。

自社の収益を最大化するためには何が必要なのか、どのタイミングで施策を打つべきなのかを考え、選択することも事業企画の大事な役割です。プロジェクトを取りまとめながら、各部門と連携することも必要なので人を巻き込む力やリーダーシップが重要だといえるでしょう。

※1:異業種企業が利益向上、業務拡大、新規事業の立案などを目的として業務提携を行うこと。企業同盟、企業連盟、企業提携などと言い換えることが可能。
※2:「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略。複数の企業が合併したり、1つの企業が他企業を買収したりといった経営戦略を指す言葉。

事業企画と経営企画の違いとは

企業における企画職に携わる部門には、事業企画のほかに「経営企画」があります。事業企画と経営企画にはどのような違いがあるのでしょうか。

事業企画は「経営方針や経営戦略に基づき、さまざまな事業を計画・実施すること」が役割です。あくまでも「事業レベルでの成長戦略」を目的としています。それに対して、経営企画は「会社経営における中長期的な成長戦略の計画・実施すること」がおもな役割です。

例えば、経営会議の運営や株主総会の実施などがあげられます。中長期的な視点で成長戦略を策定し、全社的な視点かつ経営面から企業を支える重要な役割を担っているのです。経営企画は経営陣に近しい部門となるため、経営に関する深い知識と企業や社会を俯瞰して分析する力が必要となります。

事業企画と経営企画が明確に組織化しているケースは、大企業に多くみられます。
大企業の場合、会社存続のために事業単位で収益を生み出すことが求められます。会社の基盤となる事業を維持・拡大するのは並大抵のことではなく、さらには企業成長のために新規事業の立ち上げも行わなくてはなりません。
事業計画の策定や実行はもちろん、ときには投資計画まで幅広く対応しなくてはならないので、事業レベルで業務を担う「事業企画」と、全社的な業務を担う「経営企画」に分けられているのです。

一方、ベンチャー企業では事業企画と経営企画が一体化し、運営されているケースが多くみられます。事業を効果的かつ効率的に進めるため、経営陣が自ら経営・事業に関わっているのです。そのため、経営企画部門のなかに事業企画の役割が含まれることがあるでしょう。

経営企画に関して、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

事業企画に求められるスキルとは

事業企画を行うにあたって求められるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。事業企画においては事業のプランニングを自ら行うことも多く、また各部門との調整役やプロジェクトの舵取り役を担うことも多いため、求められるスキルは多岐にわたります。具体的にいうと、以下のスキルが事業企画では重宝されます。

マネジメント力

事業企画の仕事を行うにあたって、各部門との協力体制は必須です。実行部隊である現場の人を牽引するためにも、マネジメント力を身に付ける必要があります。

事業の推進と成功を手にするためには、会社が打ち出した経営方針とそれを達成するための目標を各部門と統一しなくてはなりません。関係部署を含めて全体をマネジメントする力は、事業成功には必要不可欠な素養といえるでしょう。

マーケティング力

事業の成功には、収益につながる販売戦略やブランディング、価格設定などが必要です。市場調査を行ったり、マーケットの規模を調べたり、消費者のニーズを把握したりと事業成功に欠かせない情報を得るためには、優れたマーケティング力が求められます。

フレームワークを用いた分析やカスタマージャーニーを活用したターゲット選定を行うことで、製品やサービスの開発、適正価格の設定、流通経路の確保、効果的な販促施策などに役立てることができます。近年ではWeb領域のマーケティングが重要になっており、オンライン・オフラインを融合させたマーケティング戦略も事業企画において重要なスキルだといえるでしょう。

財務管理能力

経営陣もしくは経営企画が定めた経営戦略に基づき、具体的な事業の企画立案・運営を行うためには、予算や収益に関わる財務感覚は揃えておきたい部分といえます。
どのように売り上げをあげるか、利益を生み出すかという点に意識が向かいがちですが、資金をどこから調達するか、予算管理をどのように行うかは非常に重要です。

事業の立ち上げ段階では赤字になることが多いですし、売り上げが伸びていても資金が確保できなければ、事業の継続は難しくなります。経営者レベルの財務管理能力を備えていれば、自社はもちろん事業に関するお金の流れを把握でき、事業の成功確度を高めることができるでしょう。

営業力

営業力も、事業企画には必要なスキルです。ここでいう営業力というのは、サービスを売り込み、多くの売り上げに繋げるものとは少し異なります。事業企画に求められる営業力は、事業の魅力をアピールすることやニーズに沿った提案を行うことです。
新しく事業を始めるには、まず全社的な理解と協力が必要です。そのためには、事業の魅力を自社の仲間たちに向けて発信し、賛同を得なくてはなりません。また、新規事業の立ち上げでは、社会のニーズやターゲットの志向に合わせたサービスの考案が重要です。

一般的な営業とは少々異なりますが、内と外に向けて事業の魅力を最大限に伝え、協力の輪を拡大させるためにも、営業力は重要なスキルといえるのです。

コミュニケーション力

多くの部署と関わる事業企画では、高度なコミュニケーション力が求められます。
例えば、経営方針や経営戦略に基づいた事業計画を立てても、すべての社員が納得するとは限りません。ときに反発や対立を招くこともあるかもしれませんし、実際そうなったときには言葉を尽くし、理解してもらえるまで説得しなくてはならないケースも出てくるでしょう。

また、事業計画が進むにつれて現場とのやりとりは増えていきます。経営側(経営陣・経営企画・事業企画)が伝えたいことや意図することを現場に伝えたり、逆に現場の声を経営側に届けたりするのも担当者の役割です。
部署という括りを飛び越えて、多くの社員や関係者と接する機会に恵まれるからこそ、事業企画には優れたコミュニケーション力が必要なのです。

さらに、資本・業務提携をおこなったり、M&Aをしたり、外部との交渉や協業が必要になることもあります。双方の利害が一致した上で、気持ちよくやりとりができるような、コミュニケーションが重要でしょう。

事業企画の将来性について

事業企画の将来性は高いといえます。もちろん企業そのものの成長性などにも大きく左右されますが、会社の将来性を牽引していく重要な部門なので、一部門として判断するなら将来性は高いと考えられるでしょう。
事業企画の将来性を考えるうえで重要な要素となるのが「グローバル化」と「IT化」です。

冒頭でもお話ししたように、現代はグローバル化が進み、新規事業の立ち上げはもとより多くの企業が海外進出に力を注いでいます。日本から海外へ出ていく波は、今後ますます加熱していくことが予想されており、その背景には「日本市場の飽和」が関係しています。

日本語をはじめ、独自の文化が発展している日本。島国という地理的条件もあり、マーケットのなかには「これ以上の市場発展を望むのは厳しいのではないか」と囁かれているものも少なからずあります。せっかく新規事業を立ち上げても勝負する市場が飽和しているなら、土俵にすら立たせてもらえない可能性もあるでしょう。

その一方で、海外には未開拓の市場がまだまだ豊富にあるため、さらなる発展を望む企業は海外進出に力を注ぐ傾向にあります。つまり、事業企画が輝ける場所が開けることを意味しています。このことから、グローバル化は事業企画の将来性を高める要因の1つだといえるのです。

もう1つの要因が、IT化です。IT業界に限らず、世の中のIT化は進んでいます。インターネットが世界中に広がり、遠く離れた異国の地に住む人と気軽に交流ができるようになりました。FacebookやInstagram、LINE、TwitterなどのSNSが生活の一部になっており、そうしたSNSに関連した事業も出てきています。

また、AIやAR(※3)、VR(※4)などの技術も生まれており、事業活用する企業も登場しています。あらゆる分野の事業に応用できることから、今後も融合した事業が多く生まれることが予想されており、このことからIT化も事業企画の将来性を高める要因として考えられているのです。

※3:「Augmented Reality(拡張現実)」の略。実在の風景にバーチャルの視覚情報を重複表示させる機能。現実と非現実の融合であり、VRとの対比で非クローズドとも呼ばれる。
>※4:「Virtual Reality(仮想現実)」の略。VRグラスやヘッドギアをつけ、外とはクローズドした状態でリアルな視覚映像を投影する機能。非現実的な世界を、さも現実であるかのように感じさせる。

事業企画のキャリアパス・転職事例について

事業企画への転職を考えたとき、「キャリアパスはどうなっているのか」「転職の難易度は高いのか低いのか」「転職事例を知りたい」などと思う方は多いでしょう。ここでは、事業企画のキャリアパスと転職事例についてご紹介します。

事業企画に至るまでのキャリアパス

将来的に事業企画への転職を考えているなら、営業企画やマーケティングの経験を積むことをおすすめします。
何度もお伝えしているように、事業企画では経営方針や経営戦略に基づき、事業課題の設定や事業計画の策定・推進などを行います。それにともない、自社と外部に向けて事業の魅力を発信することなども行いますが、その際に営業力や企画力、マーケティング力などが必要になります。

営業企画やマーケティングなどの事業に携わると、チャネル開拓や商品企画を行うこともあるでしょう。これらを経験していると、事業企画への異動もしくは転職時に有利になります。

事業企画からのキャリアパス

事業企画に異動または転職を果たしたら、その後はひたすら業務に従事します。努力が認められ、結果がともなうようになれば、マネージャーなどの責任あるポジションに就くことが可能でしょう。

その後のキャリアパスとしては、経営企画への異動があげられます。 事業企画の経験があり、しっかりと結果を出している人材は貴重です。多くの企業では「事業企画を経験している=営業力があり、マーケティング力も身に付いている」と判断しますし、長く従事していれば「経営者目線でものごとを見れる人材」とみなすでしょう。

事業企画や経営企画の仕事は、企業の将来をつくっていく重要なポジションです。優秀な人材でないと活躍ができないため、求められるものは高いですが、のちに経営企画室長に就任というキャリアパスを果たす方もいますし、執行役員やCOO(※5)に昇格したり、子会社の社長を任されたりするケースもあるでしょう。

※5:「Chief Operations Officer」の略であり、最高執行責任者のこと。CEOに次ぐ役職であり、CEOの決定方針に従って業務を遂行し責任を負う役職。

事業企画の転職事例

すでに述べたように、営業企画の経験は事業企画での企画立案などに役立ちます。実際に転職で事業企画へのキャリアを叶えたいという方も多く、20代後半〜30代で転職する方が多い印象です。
こちらでは、前述した「営業企画」からの転職事例をご紹介します。

転職事例①

年齢 20代
前職 IT系のベンチャー企業にて営業企画に従事。法人顧客に対して、自社システムの提案や導入業務を行う。
転職後 メガベンチャーの事業企画部へ転職。出資しているスタートアップ企業の事業展開を支援したり、海外のスタートアップ企業の事業管理を担当。

転職事例②

年齢 30代
前職 大手通信キャリアにて営業企画に従事。大手小売店への営業のほか、新店舗のオープン支援などを行う。
転職後 SaaS系ベンチャーに転職後、企画を担うポジションに配置。プロダクトの新機能や新サービスの提案・企画、マーケットリサーチなどを担当。

営業企画のほかにも、営業部でマネジメント業務に従事していた方が転職を果たしたケースもあります。営業として得られる知識や経験は多く、それらは新しい製品やサービスの開発に役立ちます。
企画業務経験はもちろん、マーケティングやマネジメントに関わり結果を出した方は、即戦力として事業企画へ迎えられる可能性が高いといえます。

一方、企画業務の経験が少ないと事業企画への転職は厳しくなるでしょう。事業企画の転職難易度は、決して低くありません。転職はいわば中途採用であり、どの企業でも即戦力を求められがちです。事業企画は企業の未来を担う重要な部門なので、仮に転職をはたそうとするならそれ相応の経験が求められます。

とはいえ、求人によって事業企画で求められるスキルは異なります。企画的な役割を求められている求人もあれば、営業的な役割を必要としている求人もあります。募集背景や組織体制の情報を収集し、自分が活躍できる事業企画のポジションを狙ってみるのも賢い選択といえます。

なお、ベンチャー企業などの若い会社の場合は、新卒や若手でも事業企画に従事できるケースがあります。企業規模や形態にこだわりがなく、事業企画に求められるスキルやある程度の経験があるなら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

企業にとって、収益を生む事業の存在は必要不可欠です。新規事業の企画立案や海外進出の推進など、あらゆる事業の舵取りを行う事業企画は、いわば会社の生命線ともいえる重要なポジションです。それゆえに転職の難易度は高く、求められるスキルや経験も様々でしょう。

しかし、難しいからこそ挑戦しがいがあるのも事実。自身の能力を生かし、市場価値を高めるのに相応しい部門といえます。企画職に興味がある方や、事業企画への転職を検討している方は、ぜひ上記を参考にしてみてください。

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監修者プロフィール

キャリアアドバイザー 坪松 政和

エグゼクティブ層の管理部門(経理・経営企画・人事・法務など)を専門とし、業界問わず様々なバックグラウンドをお持ちの方のサポートをしております。 同じ目的に向けて一緒に考えること、そしてアドバイザーとして客観的な視点から、新しく視野を拡げられるような提案をさせて頂きます。


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