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そもそも、「ビジネスホテル」は和製英語。欧米などでは、宿泊に特化した施設はホテルとは呼ばずに「イン」と表現する。国内におけるビジネスホテルとシティホテルの違いは、設備や価格ではなく、あくまでサービスに由来するという。
「ホテルはドアマンやベルボーイ、コンシェルジュがいて、さまざまなことをサポートしてくれる『フルサービス』です。一方、ビジネスホテルはフロントスタッフができる範囲のサービスを提供する『リミテッドサービス』が基本。最近は豪華な設備や客室を備えたビジネスホテルもありますが、スイートルームがあっても、それがリミテッドサービスなら基本的にはビジネスホテルになります」
とはいえ、最近はさまざまな付加価値をアピールするビジネスホテルが目立ってきている。瀧澤さんによると、それは「ハイクラス型のビジネスホテル」に分類されるそうだ。
「ローコスト型のビジネスホテルは全国チェーンを展開し、客室が9~12平米ぐらいの広さがスタンダードでした。9平米ともなると、旅館業法でホテル営業に関する規定の最低基準。シングルベッドと小さなデスクを設置しただけの狭小な印象ですよね。中には9平米なのにダブルベッドといったホテルもあります」
「ところが、リッチモンドホテルやドーミーインといったハイクラス型のビジネスホテルになると、客室面積は14~18平米とややゆったりめ。18平米ともなると、ベッドとデスクのほかにテーブルとイスが置ける広さです。さらに大浴場を備えるなど、快適な滞在に気配りするハイクラス型の特徴になります」
宿泊料金はローコスト型の1.2~1.5倍程度になるものの、客室はシティホテル寄り。簡素すぎるビジネスホテルに飽きた宿泊者たちから、「ハイクラス型」は圧倒的な支持を得ている。近年ではルートインが「ルートインGrand」、スーパーホテルが「スーパーホテルLohas」というハイグレードのレーベルを打ち出すなど、従来の廉価型チェーンもハイクラス型への進出が顕著だという。
「客室や設備だけではなく、独自のサービスを提供して生き残りを目指す動きも活発です。たとえば、「眠りをデザインする」がコンセプトの『レム』。レム睡眠からとったというホテル名の通り、オリジナルベッドやマッサージチェア、レインシャワーをなど、眠りにとことんこだわった空間をつくっています。ベッドメーカーと提携してオリジナルベッドを作る試みはラグジュアリーホテルで先例がありますが、それをビジネスホテルでやっているわけです」
意欲的なサービスや設備の面でいえば、地方の中規模チェーンも見逃せない。中には「夕食無料」という破格のサービスを投入したチェーンもあるという。
「愛知県の三河安城駅周辺を基盤に展開している『ABホテル』は、店舗によっては朝食無料に加えて夕食が無料です。『日替わりお手軽夕食』は牛丼やカレー丼といった丼ものですが、ちゃんとこれにお味噌汁がつく。無料と思えば申し分ないクオリティですよ」
「同じく地方発では、博多など九州で展開しているチェーン『ホテルフォルツァ』も注目株です。全室にタブレットを設置したり、7月28日に開業した『ホテルフォルツァ博多(筑紫口)の新棟では、衣類をハンガーにかけて入れるだけで除菌や除臭、シワ取りができる衣類クリーニング家電『LG styler』を導入したりと、とにかく新しい試みに意欲的。大阪や札幌といった九州以外への進出も予定されています。このように、地方ホテルチェーンが大阪や東京を目指す“下剋上”の動きも目立っています」
このようなチェーンは大規模な全国チェーンに比べて小規模だけに、フットワーク軽く新施策を導入できるのが強みになっているのだろう。スピード感あふれる展開で利用者目線のサービスを提供している。画一化されていない展開が地方ビジネスホテルチェーンの魅力なのだ。
ビジネスホテルの最新事情はわかってきた。ここで気になるのは、やはりビジネスホテルのお得な予約方法である。現在はネットを介しての予約が主流で、予約サイトといわれる宿泊予約に特化したネット上の旅行代理店を利用する利用者がほとんどだろう。
「ネット上の旅行代理店はOTA(Online Travel Agent)と呼ばれるもので、インターネット上のみで取引を行う旅行会社のことです。メリットは正規料金から割り引かれた安価なプランが提供されていること、多くのホテルを一覧して比較検討できること、そして利用者の口コミが見られることです」
しかし、近年はOTAのプラン価格は横並びが多く、均一化の傾向が顕著。その一方で、ホテルの自社サイトがお得度を高めつつあるようだ。確かに、ビジネスホテルの公式サイトをチェックしてみると、「最低価格保証」「最安値宣言」「ベストレート保証」をうたうチェーンも目立つ。
「ホテルは自らの宣伝、PRには限界があるので予約サイトに安価に部屋を卸して集客を委託します。それが格安料金の秘密ですが、ホテル側は10%程度の成約手数料を予約サイトに払うという仕組みです。予約サイトにマージンを払うより、自社のサイトで直接予約を取りたい。これがホテル側の本音です。そこで、会員限定として独自に優待プランを作り、最安価格を実現。宿泊客にこれをアピールし始めています」
一覧性のある予約サイトを駆使して、相場とホテル独自のサービスをサーチ。その上で公式サイトから直接予約をするのが最もお得な手段になりそうだ。
お得な予約手段を学んでも、急な出張などで部屋が抑えられないこともあるだろう。公式サイトで予約サイトを見ても、オール満室だった場合、どんな手が考えられるだろうか。瀧澤さんによると、キャンセル狙いには「3つの3とT」がキーワードになるという。
「まずは“3日前”。ホテル予約でキャンセル料が発生し始めるのはおおむね3日前だからです。このタイミングで、まずは空室をチェックしましょう。次に“当日の午後3時”。当日のキャンセルはチェックイン前に集中するので、午後3時前が狙い目になります。最後の“3”は、チェックインしたい時刻の3時間前。ホテルは空室を売り切りたいので、当日夜のキャンセルを限定プランとして売り出すことがあります。3時間前というのは、万が一予約不可であっても次の段取りができるという意味も含まれています。そして“T”はテレフォン、つまりネットではなく電話してみるのが大事だということ。突然のキャンセルが予約サイトに反映されないこともあるので電話が最速の確認手段になります」
さらに、ネットを駆使した裏ワザよりも人情が強みを発揮することがあるという。
「ホテルの従業員に礼状を書いたことはありますか? スタッフにとって、サンクスレターは非常に光栄なこと。初めてもらったサンクスレターは一生の宝ものにしているというスタッフの話も聞きます。良い思いをしたいから手紙を書くという発想ではなく、そんな手紙がきっかけでホテルマンとの個人的な親交がはじまることもあるのです。ホテルはゲストが育てるという一面もあります。礼状はあくまで一例ですが、何度も同じ地域に出張するなら同じビジネスホテルに宿泊することで、フロントスタッフと顔見知りになり、人間関係が築けるようになることもあるでしょう。「空きがないか」と連絡が来たら、優先したいのも人の情。また、宿泊時に何か困ったことがあっても、親身になって助けてくれることもあるはず。ネット全盛の世の中だからこそ、最後はヒューマニズムに帰結するのではないでしょうか」
(佐々木正孝+ノオト)
取材協力:瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。年間250泊以上をホテルで宿泊し、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。評論対象は宿泊施設が提供するサービスという視座からラグジュアリーホテル、デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡る。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。著書に『ホテルに騙されるな!』(光文社新書)など。
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