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世の中にはさまざまな仕事がある。一見すると同じ部署名でも、企業の数だけ手掛ける仕事内容は多様なうえに、企業や社会における役割も異なる。この連載では、そんな世の中に存在する企業の『部署』にフォーカスし、それぞれの部署の役割や仕事内容、ポリシーなどに迫る。
今回は、面白法人カヤックのクライアントワーク事業部を訪問。鎌倉に拠点を置く面白法人カヤックで、「面白くてバズるアイデア」を軸に、クライアントの依頼に応えるべく、日々奮闘しているこのチーム。この度、2019年5月にエンジニア向け求人サイト GeekOutとタッグを組み、ゲーム感覚で自身のエンジニアスキルを確かめることができる『CODE QUEST EX』をリリースした。掲載中のクエストをクリアすることで、面白法人カヤックの選考に参加することもできるこのキャンペーン。面白法人カヤックは、どうしてユニークな採用キャンペーンを行うのか、これらの取り組みから得られることやGeekOutで『CODE QUEST』シリーズを立ち上げた経緯などを、3人のキーマンに聞いた。
―― まずは、面白法人カヤックのクライアントワーク事業部で行われている業務内容をお聞かせいただけますか?
安藤さん(以下、敬称略):面白法人カヤック(以下、カヤック)のクライアントワーク事業部では、「そもそも、この商品をどうやって広めていくべきか」という、プロモーションの上流から、クライアントと一緒になって考えるケースが多いですね。最近は特に、ゼロから企画して、実際に手を動かしてものをつくりあげる、トータルの企画制作をご依頼いただくことが多いです。
株式会社カヤック 企画部/プランナー 安藤 耀司さん
三好さん(以下、敬称略):そうそう、だから「こういうのをつくってください」と形が決まりきった状態で来る仕事は、あまりないですね。
株式会社カヤック 管理本部/人事 三好 晃一さん
藤澤さん(以下、敬称略):カヤックの強みは、やはり「技術力」と「アイデア」です。コンテンツをつくりたいと思っても、「どういうものが面白いかわからない」「どうやってつくれば良いかわからない」というお客様は多い。そういったお客様に対して、両方の側面からお役に立てる自覚があります。
株式会社カヤック 技術部/テクニカルディレクター、フロントエンドエンジニア 藤澤 伸さん
―― そうなると、制作したコンテンツにはやはり「カヤックのカラー」が色濃く出てくるものなのでは?と思いますが、いかがでしょうか?
安藤:カヤックのカラーが出るタイプのものもあれば、クライアントが大事にしているカラーをベースに、ちょっとだけ「カヤックの面白さ」や「カヤックの技術力」が透けて見える、というものもありますね。
藤澤:「カヤックの仕事だ」というのは、わかる人にはわかるのではないかと思います。特に同じエンジニアだと、Webサイトを見ただけで「やっぱりカヤックだった!」と言ってくれる方が多く見られます。僕たちの「アイデアと技術力を駆使して、面白いことをやりたい」というマインドを制作物の中で表現した上で、「こういう技術の使い方をするんだ!」「こういう見せ方があったね」と思ってもらえるものづくりをする。それが、カヤックっぽさにつながっているような気がします。
―― 今回お聞きしたい『CODE QUEST EX』の話に進む前に、まずは『CODE QUEST』シリーズの制作が始まった経緯をお伺いしたいです。
安藤:『CODE QUEST』シリーズが始まったきっかけは、エンジニア向け転職サイトGeekOutがオープンするタイミングで、ご相談をいただいたことですね。GeekOut担当者からのお題は、「サイトの認知拡大をして、会員を増やしたい」というものでした。そこで、僕たちが『CODE QUEST』を提案したのです。エンジニア向けの転職サイトは既に数多くあります。その中で会員を増やしていくには、まずはより多くのエンジニアに注目してもらい、ほかと差別化できる印象をあたえることが必須だと考えました。
『CODE QUEST』シリーズの第一作目 。『伝説のエンジニア、求ム』のサブタイトルの通り、魔王に支配された国をエンジニアのプログラミングスキルで救うストーリーが描かれている。
安藤:私たちは、ひと目見ただけでワクワクしてしまう、エンジニアの心を突き刺すものをつくろうと思っていました。その中で出たアイデアが、8ビットのRPGの世界観と、プログラミング問題を融合させた「エンジニア専用RPG」というアイデアでした。さらに、エンジニアが普段仕事の中でよく使うターミナル*1をデザイン要素として取り入れることで、目新しさも演出しています。
―― GeekOut側から課せられたお題をクリアするには、「目新しさ」を出すのが最善、と考えられたということでしょうか?
安藤:僕たちも、闇雲に新しいものをつくって、はちゃめちゃにやろうとは考えていません。お客様からいただいた課題や問題点を解決するための一番のアウトプットを考えると、「目新しい」ことが重要であるケースは多いです。ちょっと躊躇するように思えるアイデアであっても、その重要性を理解してくださるお客様は、意外とすんなり提案を受け入れていただけます。
藤澤:『CODE QUEST』はまず、つくっている側の僕らが面白く感じていましたからね。「これはエンジニアにも楽しんでもらえる!」と確信していました。実際、特に1作目は問題の難易度が高くなっていたのですが、僕らが意図することなく、誰かが書いた解説記事がネット上に上がったりもしていました。楽しんでもらえている実感を持てましたし、エンジニアは本質的に難しい問題を解くことに楽しみを見出す人が多いのだなと、改めて実感しましたね。
安藤:最初の問題に対する評判を見て、「もっと難しい問題をつくりたい」という気持ちはありながらも、元の目的は「エンジニアを喜ばせること」ではなく、「GeekOutの認知と会員獲得を達成すること」なので、続編をつくる際にもそこは意識しましたね。『CODE QUEST EX』に至るまでに3作品制作しましたが、1は「認知拡大」、2、3は「会員獲得」と、それぞれ違ったテーマを設けていました。そして4作目にあたる『CODE QUEST EX』では、会員登録の先に設けられた「求人エントリー(求人応募)」まで誘導したいとお題をもらったのです。
そこで今回、「ゲームを解く=採用試験」になるような、新しい採用キャンペーンをつくってしまおうと考えました。ゲームの中で出題されるクエスト(問題)をクリアすると面接が有利になる、という設計です。カヤックも、優秀なエンジニアを求めていますので、まずは「クエストをクリアしたら、カヤックの面接確約をもらえる」という仕掛けにしました。これを第1弾とし、今後は他の会社にも門戸を開いていければ、新しい採用のプロモーションができるのではないかと考えたのです。
―― 『CODE QUEST EX』から、どうやって「カヤックが求めるエンジニアの資質」がわかるのでしょうか?
藤澤:今回、問題の性質をこれまでのシリーズと大きく変えました。今回のストーリーに登場する主人公の「勇者(エンジニア)」は、最初は全く魔王に勝つことができません。勝つためには、魔王のシステムに侵入してハッキングし、力を弱める必要がある。そんな問題を用意しました。
問題の中では、魔王の強さがどのようなプログラムで表現されているかを推測し、プログラムの関係性を読み解きながら、プログラムに変更を加えていきます。クリアするためには、「コードを読む力」はもちろんのこと、「発想力」も必要です。実際に仕事をする場面においても、既存のプログラムを見て「ここがどう動いているか?」と推測する機会は多々あります。問題の中で、「カヤックがエンジニアに求めている力」を見られるようにしました。
―― 問題作成にはカヤックのエンジニアの方も関わったのですか?
藤澤:もちろんです。まず社内のエンジニアを集めてブレストをして、「エンジニアにとって面白い問題って何?」といったアイデア出しから始めました。実際にカヤックで働くエンジニアたちがその場で盛り上がっていた話を踏まえながら、「こういう問題を面白いと思える人はカヤックのエンジニアっぽいよね」と発想を膨らませていきました。
―― 今後、この採用手法を他の会社で展開していく際にも、同じようなブレストが必要になりそうですね。
藤澤:そうですね。具体的に「こういったポジションで、こういう人を必要としています」とヒアリングしつつ、実際そのポジションの方々とブレストしていくうちに見えてくることもあると思うので、同じようなつくり方になるのではないかとは思います。
安藤:アウトプットはゲームではありますが、技術スキルだけでなく、業務に対する姿勢も抽出できると個人的には感じています。人間性やスキルについては、もしかしたら面接よりも正しく理解できるのでは?と思いますね。
―― カヤックといえば、積極的に個性的な採用活動に取り組んでいるイメージがあります。毎回、順調に新しい人材を獲得できているのでしょうか?
三好:正直なところ、「入社する採用」と「入社しない採用」があるんですよ。話題性はあるけれど、「実際に入社してくれる人は、多分見つからないんじゃないかな」って思いながらやるものもあります。代表例は、『夫婦採用 』ですね。全員合宿のブレストの中から生まれたアイデアだったのですが、ちょうど当社が鎌倉に引っ越す日が「いい夫婦の日(11月22日)」だったこともあって、「やってみよう!」となりました。
この採用、僕の中では「なかなか応募してくれる人は集まらないだろうな」と思っていました。しかし、『夫婦採用』のページに対するシェアは、めちゃくちゃ多かったんです。これって、プロモーションとしては成功ですよね。誤解してほしくないのですが、僕はプロモーションだけが目的の採用企画は嫌いです。受け取った人にとって益がないものはやりたくないと思っています。
『夫婦採用』でいうと、この採用でカヤックが狙えるターゲットは少数過ぎますよね。夫婦が同時に同じ会社に「転職したい」と思うことは確率論的にほぼないと思うのですが、「職場も同じだと一緒にいられる時間も増えるし、幸せだな。」と感じる人もたくさんいると思うんです。しかし、それを声高に言っているところも少ないのでそういう空気を広めていきたい、メッセージとして出していくのはいいなと思いました。
三好:実際に採用が成功した例もありますよ。「いちゲー採用」「エゴサーチ採用」は僕の中のベストです。現段階で「これ以上のものはつくれない」と思っているぐらいです。ゲーム部門は「いちゲー採用」、WEB系エンジニアは「エゴサーチ採用」がフィットしていますね。これは、今でも継続的に実施しています。
採用キャンペーン自体、今の時代に必ずしも有効な手段だとは思っていません。バズりにくいですから。今や、一般の方々が毎日面白い発信をしている時代です。採用ツールやメディアもたくさんありますから、そっちを使った方が手っ取り早いとも思います。
「やらなくて良いものなのに、カヤックはどうして変な採用活動をし続けるのか?」と聞かれますが、その理由の一つは、「僕らが見つけ出せないような人材がやってくること」ですかね。採用キャンペーンを実施すると、普通の採用活動ではリーチしない方々にもアプローチができます。これは大きいですね。転職活動に興味はない人でも、取り組みを見て面白がって選考を受けてみようとなるかもしれません。いわゆる「転職動機」を作ることができるのです。
また、「面白法人」的文脈で言うと、面白法人は企業活動そのものが「コンテンツ」です。「コンテンツ」である以上、企業の活動は面白い方がいいに決まっています。事業に限らず、採用や育成、組織改善など、あらゆる企業活動を「コンテンツ」としてバズらせたい。そうしないと存在意義がなくなってしまいます。そして私個人としては、採用に直結しなくても、「なんで世の中にこういう採用はないの?」「もっとその人に合った採用方法を考えてみようよ」と世の中の人事に問いかけ続けたいですね。
安藤:この話を聞いて思い出したことがあります。はじめの依頼時に、GeekOut 自体が、今すぐ転職したいエンジニアだけではなく、なんとなく今の環境に満足していないエンジニアのための転職サイトでもある、ということをお伺いしました。
そこで、『CODE QUEST』も「転職サイトのプロモーションだよ」という見せ方ではなく、「面白いゲーム」「エンジニア向けのゲーム」という見せ方をすることにしたのです。ゲームをフックになんとなく登録し、ゆくゆく転職したいと思った時に「そういえば……」と思い出して使ってもらえる、そんなストーリーを目指してつくりましたね。
―― 最後に改めて、『CODE QUEST EX』に興味を持ってくれた方や、実際に選考応募しようと考えている読者の方へメッセージをお願いできますか?
安藤:エンジニアにターゲットを絞った面白採用キャンペーンは、実は世の中にそれほど多くは存在していません。カヤックの前例を見て、「私たちもやりたい!」と思ってくれたらすごく嬉しいですね。そこで、通常の採用試験に応募して来ないような人と出会えると、新しい存在価値が生まれるのではないかと思っています。
三好:最低でも10人くらいはクリアして選考に来てほしいよね(笑)。この圧倒的飛び道具に期待したい!
藤澤:エンジニア目線で解いて、面白いものがつくれた手応えは十分にあります。問題の難易度を上げたので、100人は来ないかもしれませんが、とにかくたくさんの方に応募していただきたいですね。
取材・文:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) 撮影:岡部敏明
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