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経営やビジネスの中で戦略を立案したり、改善点を洗い出したり、考え方を整理したりする際に役立つのが、「ビジネスフレームワーク」と呼ばれるツールです。「プレゼン資料は『5W1H』で作る」「『PDCA』を回すことで生産性を高められる」といったフレーズを聞いたことはありませんか?この「5W1H」や「PDCA」などの手法は、ビジネスフレームワークのひとつです。
近年さまざまなビジネスフレームワークが登場しており、広く認知・定着しているものもありますが、「ビジネスフレームワークを使うことで必ず良い戦略を立てられる」というわけではありません。今回は、ビジネスフレームワークの正しい使い方や使用する際の注意点、代表的なビジネスフレームワークの概要について詳しく解説します。
ビジネスフレームワークとは、「さまざまなケースに用いることができるよう体系化された思考の枠組み」のことです。フレームワーク(framework)は「骨組み」や「構造」といった意味を持つ言葉で、ビジネスにおいて何らかの課題解決を図りたいとき、考え方を整理するツールとして機能するものを「ビジネスフレームワーク」といいます。
「商談相手に納得してもらえるプレゼンをしたい」
「組織課題の全体像をつかんで最適な解決策を見つけたい」
「新サービス導入を検討するにあたって外部環境を整理したい」
さまざまな課題に対してビジネスフレームワークを活用すれば、当てはめた情報が整理され、目的達成への道筋を見つけやすくなります。ただし、目的によって使用するビジネスフレームワークも異なるため、注意が必要です。誤った使い方をすると情報が上手く整理できず、本来の目的を達成できなくなる恐れもあります。そのため、目的に合ったビジネスフレームワークを選んで活用しましょう。
ここに、1から50までの数字が配置されているボードがあります。1から順に数字を追いかけたとき、50にたどり着くまでにどれくらい時間がかかるでしょうか?
何も情報がないところから数字を探していくのは大変な作業です。しかし下の図のように、初めから「1(左上)→2(右下)→3(右上)→4(左下)のように『∞』の字を描いている」という型(規則性)を知っていれば、探し出す時間は何倍も短縮できるでしょう。この「型」こそが、フレームワークです。
ビジネスフレームワークを使う最大のメリットは、思考のスピードが上がること。構造を理解すれば、思考のスピードが何倍も上がります。数時間かかる作業を1時間ほどでできるようになれば、他の作業に時間を割くことができるでしょう。「タイム・イズ・マネー」のビジネスシーンにおいて、思考の効率化は大きなアドバンテージとなります。
ただし、ビジネスフレームワークを「ただ知っているだけ」では思考スピードを上げることにつながりません。重要なのは覚えることではなく、使いこなせるようになること。まずは思考のトレーニングとして、毎日の業務の中で繰り返し使ってみることをおすすめします。ビジネスフレームワークの使い方に慣れてくれば、頭の回転が速くなっていくのを実感できるようになるでしょう。
「ロジックツリー」は、一つの課題(大テーマ)を細かくツリー状に分解していき、小さな課題(小テーマ)ごとに解決策を見つけるビジネスフレームワークです。改善に取り組む前段として、頭の中を整理するために使用します。まずは、この手法を使って課題の全体像を把握しましょう。それによって、本質的な課題がどこにあるのか、要因は何なのか、それを改善するには何が必要なのか――といったことが見えてきます。
例えば、「あるサービスの売上が減った」という事象から原因を探るとします。売上が減った理由としては、1人あたりの顧客単価が下がったケースや全体の顧客数が減ったケースが考えられます。顧客数が減ったのは、新規顧客が減ったからかもしれませんし、リピーター顧客が減ったからなのかもしれません。こういった流れで論理的に課題を噛み砕いていけるのが、ロジックツリーの特徴です。
ビジネスフレームワークに沿って要素を分解する際、「どのように分解するか」を考える上で重要なのが「仮説思考」です。リピーター顧客が減っているなら、「サービスの品質が低下しているのでは?」「キャンペーンを打っている競合に流れたのでは?」「新しいサービスが求められているのでは?」といったように可能性の高い結論(仮説)を立てて検証していくことで、原因の特定や具体的な改善プランの立案がしやすくなります。
先ほどは、思考整理に役立つビジネスフレームワークの代表例として「ロジックツリー」についてご紹介しました。ここでは実践編として、「タピオカドリンク店の新規開業戦略」を例にして、さまざまなビジネスフレームワークを使いながら分析していきましょう。
まずは分析する企業の状況を「マクロ環境」と「ミクロ環境」に分類します。マクロ環境とは、企業が自分たちでコントロールすることができないもの。一方のミクロ環境とは、企業が働きかけることで制御できる可能性があるものを指します。
以下では、マクロ環境とミクロ環境を分析する代表的なビジネスフレームワークをそれぞれご紹介します。
PEST分析とは、自社を取り巻くマクロ環境に注目し、事業戦略の立案などに活かすためのビジネスフレームワークです。Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会的要因)、Technology(技術的要因)の4つの頭文字をとってPESTと呼ばれています。
事業の成否は世の中の変化、つまりマクロ環境に大きく左右されます。市場が抱えているリスクやチャンスをいち早く把握することで、迅速な判断をしやすくなるのです。
Politics(政治的要因)
台湾の人気定番商品がタピオカブームの始まり。台湾は親日としても知られており、商品の普及にも好影響がある。
Economy(経済的要因)
ちょっとした贅沢感や高級感を手軽に味わえる。タピオカはドリンクとしては高価だが、手が出せない金額ではない。
Society(社会的要因)
新型コロナの影響で路面店での販売が大幅減。1年周期という飲食トレンドの例に漏れず、ブームも終焉の気配。
Technology(技術的要因)
お茶の品種改良や保存技術の高度化、タピオカの量産化が可能に。お茶の種類自体も多様化し、SNS(映え)の普及も後押しに。
PEST分析で見ていくと、タピオカドリンク店は社会的要因に懸念があると推察されます。
5Force分析とは、事業環境における収益性を把握するために用いるビジネスフレームワークです。戦略を考える上では、まず「業界内の競争要因」を知ることが欠かせません。「新規参入の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「代替品や代替サービスの脅威」「既存企業同士の競争」という5つの競争要因(Force)を分析することから、5Force(ファイブフォース)と言います。
■新規参入の脅威 ・台湾から老舗企業が参入 ・コンビニなど専門店以外からの参入 |
||
■売り手の交渉力 ・在庫が少なく値段が上昇 ・自作する人が増加 |
■競争業者 ・専門店だけでなく、既存の飲食店なども競合になるため競争が激しい |
■買い手の交渉力 ・季節感に乏しい ・ブームが減退傾向 |
■代替品の脅威 チーズティーなど、話題性やSNS映えを備えた代替品が出てきた |
5つの競争要因が、業界全体の収益性を決めます。つまり5つの力が強いほど業界全体の収益性は低く、「今後の事業展開を考える上では、期待できない業界」ということになるでしょう。タピオカブームが減退傾向であること、競争業者が多いことがネックになると推察されます。
STP分析とは、市場を細分化(セグメンテーション)し、自社のターゲットとポジションを明確にするためのビジネスフレームワークです。市場の中で自社がどの位置にいるのかを理解し、ターゲットの特性や行動を絞り込んだ上で販促活動を行うことが成功への近道となります。
S=セグメンテーション(市場の細分化)
10代~20代の女性
↑↓
T=ターゲット(顧客の設定)
SNSを駆使し、流行に敏感な層
↑↓
P=ポジショニング(自社の立ち位置)
SNS映えするスポットへのアクセスの良さ×タピオカの品質・おいしさ
ターゲティングにおいては、経済規模や市場の成長性などを考慮した上で、どのように展開していくのかを考えます。そして、競合との差別化(立ち位置の明確化)を考えるのがポジショニングのフェーズです。消費者が価値を感じる部分(競合より優れている部分)を見定め、ポジションを取ることが事業成功の肝です。
4P分析とはProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った言葉で、「企業側」「売る側」が持つ4つの視点でマーケティングを捉えるビジネスフレームワークです。製品の売上が思うように伸びないときや、新たに市場展開する商品・サービスの販売戦略を立てる際に使われる手法で、販売サイクルの成熟を促すために改善すべき課題を抽出します。
Product(製品)
・小ぶりで食べやすく、特にもちもちとした触感が売り
・他社に比べてカラフルなパッケージ
Price(価格)
・Mサイズのタピオカ入りミルクティーが500円
・他社に比べて安価
Place(流通)
・競合は渋谷・原宿・新宿・池袋に4店舗を構えるが、自社は初出店
・流通コストの面で弱みがある
Promotion(販促)
・他社はTwitter広告とTVCMを運用
・自社にTVCMを運用する予算はなさそう
PEST分析や5Force分析、STP分析などを通して策定された基本戦略を受け、見込み顧客にどうアプローチしていくかを具体的に決めていくのが4P分析の役割です。複数の構成要素の最良な組み合わせ(ミックス)を考えていくことから、4P分析は「マーケティングミックス」とも呼ばれます。
今回は、さまざまなビジネスフレームワークの使い方をご紹介しました。このように実際に分析してみることで思考の「型」が作られていき、インプットした情報から効率良くアウトプット(仮説)を出せるようになっていきます。ビジネスフレームワークは万能のツールではないので、常に「勝てる戦略」を立案できるとは限りませんが、ベースとなる「戦略を考える力」は実践を通して上がっていくことでしょう。
取材・文:C-NAPS編集部
監修:黒澤 友貴(くろさわ ともき)
1988年生まれ。ブランディングテクノロジー株式会社 執行役員 経営戦略室CMO。中堅・中小企業のマーケティング成功メソッドの開発や、マーケティング組織の課題を解決するためのコンサルティングを行う。「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに、7,000人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ「#マーケティングトレース」を運営。2020年2月に書籍「マーケティング思考力トレーニング」を出版。
note:黒澤 友貴/ブランディングテクノロジー|note
Twitter:@KurosawaTomoki
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