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役員の転職は難しい?制限の有無や気をつけたいポイント

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同じ転職でも、一般社員と異なる点が多いのが役員の転職です。一般社員の人と同じように自らステップアップするため転職する他に、ヘッドハンティングや紹介などで転職をする機会も増えます。この記事では役員の転職に関する基礎的な知識と、転職時の注意点・ポイントを詳しく解説します。

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役員でも転職は可能

難しいと言われる役員の転職ですが、結論から言うと転職することは可能です。

実際に多くの企業が、役員クラスの採用を行っていて、転職業界などでは、役員の転職をエグゼクティブ転職・ハイキャリア転職と呼んでいます。
採用する企業側からすれば、役員クラスの人材を採用することで

  • 事業の安定や拡大を図りたい
  • 早いタイミングで結果を出したい

という目的があります。
他の企業で役員の実績をもつ優秀な人材には、自社の役員を務めてほしいと考える企業が増えてきているのです。

役員が転職を考えるきっかけは?その理由

一方、そうしたニーズのある役員クラスの人が、転職を考えるきっかけは、大きく2つあります。

これ以上のキャリアアップが見込めない

オーナー企業などの場合に多く見られるケースです。
創業者一族が上層部を占めていると、今以上のキャリアアップやポジションを見込むことは難しくなります。状況が停滞したまま後何年も働くのか?と考えた時に、若い世代であれば、もう一花咲かせたい、と考えることもあるでしょう。

経営者と方針の違いが顕在化

ベンチャー企業などに多く見られるケースです。
急成長を遂げた場合や外部から採用した幹部の存在などが影響し、経営者と方針が異なることで、手腕を発揮できなくなります。

その他にも、ヘッドハンティングや紹介などによって、現在よりさらなるキャリアアップをしたいと考えるケースもあります。

役員に含まれる役職は?

役員とは、会社の業務執行や監督を行う幹部のことです。
『役員』と定められている役職にはどの役職が該当するのでしょうか。
会社法で定められている3つの役員と業務内容を押さえておきましょう。

1・代表取締役

代表取締役とは、株式会社の代表者のことを指します。
取締役会で代表に選出された人が着任し、業務遂行におけるすべての権限を持つ役職です。
代表取締役=社長というのは間違いで、社長が必ず代表取締役でなければいけないということはありません。

2・会計参与

会計参与は、2006年5月に施行された会社法で新設された役職。
会計参与は会計の専門家として、取締役と共同し、計算書類等を作成する職務です。
会計参与になれるのは、税理士・税理士法人・公認会計士・監査法人と定められています。

3・監査役

監査役とは、株主総会で選任される役職で、会社に法令違反や不祥事がないかを監視する役目を担います。
取締役会が設置されている会社は監査役を設置しなければなりません。
会社法では株式会社が監査役を設置するのは任意とされていますが、株式公開会社においては監査役を設置することが定められています。

執行役員と役員の違い

執行役員は、会社法で設定された役員ではありません。
執行役員とは、従業員の中で何らかの役職を持つ者が、上層部の決定を実際に業務として行うという職務を担います。
役員の場合、退職しても失業保険は適用されませんが、執行役員は従業員と同じ労働三法の労働者に該当するため、失業保険の適用も可能です。
役員と従業員のパイプ役という重要なポジションではありますが、役員という位置づけとは異なる役職です。

役員の転職は難しいと言われる理由は?

一般社員の転職とは異なり、役員の転職は難しいと言われています。
難しいと言われる理由としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。

ポジションの採用枠がそもそも少ない

役員の転職が難しいと言われる理由としてもっとも多いのは、ポジションの枠がそもそも少ないことです。
役員向けの求人はありますが、企業における従業員数と役員数の差が大きいように、求人数も一般社員と比べると、人数の差は歴然としています。しかしながら、後継者のいない中小企業や、新しい事業に乗り出す予定の企業など、ビジネスを牽引してくれることを期待した役員採用を積極的に行う企業も多く存在します。

期待値が高い

周囲からの期待値が高いことも、役員の転職のハードルを上げている要因の1つです。
役員候補であれば、経営陣は業務拡大や業績向上を担う立場として、手腕をふるって欲しいと考えるのは必然です。経営側に参加する立場である以上、大きな結果を強く求められることが考えられます。

生え抜きの社員・役員との関係性の難しさ

役員も転職であれば、ある程度出来上がった企業風土の中に飛び込むことになります。
転職先の企業には、生え抜きの社員・役員が存在し、経営層にいきなり入らなければいけない難しさが考えられるでしょう。
企業文化を理解した上で、経営に辣腕を振るわなくてはいけないことも、転職を難しくしている理由といえます。

代表取締役の退任には、手続きが必要

中でも、代表取締役を退任する場合には、以下のような手続きが必要になります。

  1. 取締役の辞任届提出(自動的に代表取締役も辞任となる)
  2. 後任の取締役を選任(取締役がいなくなる場合、定款で決められた人数を下回る場合)

後任の取締役を選任する場合は、株主総会を行い、議事録や就任承諾書などの提出が必要です。
通常の社員とは異なり、周囲を巻き込んださまざまな手続きが必要なことから、その煩雑さが原因となって、転職を難しくしているとも考えられます。

役員の転職には制限がある?!気をつけたいトラブル

役員の転職には役員ならではのトラブルが起きる可能性があります。 注意しなければいけないトラブルをピックアップしますので、スムーズな転職にするために留意して転職活動を行いましょう。

職業選択の自由は役員も同じ

日本国憲法では職業選択の自由を定めているため、役員の転職が憲法に違反するということはありません。会社法では「競業、及び利益相反取引の制限」を定めていますが、これは役員在任中における制限なので、退職後には適用されません。憲法・法律の面において、役員の転職に制限が課されていることはなく、職業選択の自由は役員も同じです。

競業避止義務も生涯にわたって禁止はできない

企業は従業員に対し、競業避止義務を課すことができます。競業避止義務とは、在籍していた企業と競合に値する企業や組織に属することや、独立して会社を設立するといった行為を禁ずるものです。競業避止義務は就業規則などで定められていますが、その有効性のある期間は一生涯という訳ではありません。
ただし、定められた期間内の違反は損害賠償請求などに発展する可能性がありますので、注意が必要です。

それ以外にも気をつけたいポイントは?

会社の重要な地位にいる役員だからこそ、注意しなければいけないポイントもあります。

  • 顧客情報を使った営業活動
  • 機密保持義務
  • 従業員の引き抜き

などは、訴訟につながる可能性のある行為です。
転職後に係争問題とならないよう、十分に配慮することが大切です。

役員だからこその円満転職のために

役員という重要な立場にいる人が抜けるということは、どの企業にとっても大きなダメージを受けることになります。
そのため、在職していた企業に必要以上の迷惑をかけず、自身のさらなる成長のためには円満退職が必須条件といえるでしょう。ここでは円満退職のために守りたいマナーを4つご紹介します。

1・任期途中での転職を避ける

基本的に任期の途中であっても役員を辞任することは可能ですが、任期途中での転職は避けるべきです。役員の任期は通常で2年(※例外あり)、退任の時期であれば辞任を表明しなくても自動的に解任となります。

任期中に退職を表明した場合、取締役に欠員が出る場合には、後任の就任までは権利義務が生じてしまうため、転職活動に支障をきたす可能性も否めません。任期満了で転職というのが円満退職のポイントになるといえるでしょう。

2・退職する企業に損害を与えない

秘密保持義務を守るなど、退職する企業に対し損害を与えないこともマナーの1つです。
役員だからこそ、一般の社員とは異なる機密情報に触れています。万が一、転職先の企業でその情報を使用するようなことがあれば、元の企業には多大な損害を与えてしまうことになるでしょう。
自分の立場の重要性を再認識し、損害を与えるような行為は絶対にしないよう心掛けなければいけません。

3・同業他社への転職は避けるか、公表を急がない

同業他社へ転職するのは避けた方が賢明ですが、転職先が同業他社になる場合は、転職の意向を公表することも急がない方が良いでしょう。

今までの経験を発揮するには、同業他社は最高のフィールドですが、周囲の人間にとっては脅威となってしまうことも事実。無理な引き留めに合ったり、働きにくくなったりする可能性もあります。
同業他社へ転職することが決まった場合は、離職し、入社するまでは公表を控えるほうが、在職していた企業にとっても、自身にとっても無用なトラブルを避けられるでしょう。

4・退職間際の契約書等は内容をよく確認する

退職間際に提出を求められた契約書等は、内容をよく確認してください。役員の退職の場合、競業避止義務の期間などが記載されていることがあります。納得のいかない内容の場合は、署名を拒否することも可能です。内容に納得がいかない場合や、締結に際して強要があった場合は、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

成功する転職に大切なこと

役員が転職を検討する場合には、忘れてはいけない大切なものがあります。「こんなはずじゃなかった!」と後悔することがないように、3つのポイントを押さえておきましょう。

1・実績やスキルだけではない、企業風土の相性

マネジメント能力はもちろん必須となりますが、外資・グローバル企業なら語学力も重要となります。
しかしながらいくら実績やスキルが十分であったとしても、会社の持つビジョンや社風に合わなければ、部下となる社員はついてきてくれません。

企業を選定する際には、希望している企業との相性も重要になってくるのです。
転職先の企業風土に自分が合うかどうか、他の役員や社員とうまくやっていけるかといった部分での見極めもしっかりと行うようにしましょう。

2・役員報酬、ポジションにこだわりすぎない

ポジションや役員報酬にこだわりすぎず、役員待遇ではない形で入社し、現場で実績を積んでいくという考え方もあります。経験や実績があれば、入ってからキャリアアップをする方が役員になってからスムーズな場合もあります。
また、在職している企業より、転職先の企業規模が小さいは役員報酬が低くなりがちですが、そのぶん成長性ややりがいもあります。

時にはこだわりを捨てて、実力で勝ち取るくらいのゆとりをもって転職に向かい合うことも大切です。

3・ゆずれないものを明確に

これだけはゆずれないというものを明確にしておきましょう。

条件的に取捨選択をし、自分にとって何が一番大切なのかを見極める力も必要です。転職することで何を得たいのか、将来的なビジョンは描けるのかなど、転職における自分の考えを熟慮しましょう。あれもこれもでは転職のハードルがさらに上がってしまいます。なくても良いものは潔く切り捨てることも、転職の成功への近道です。

転職エージェントの活用は必須

役員などのハイクラス転職で利用をおすすめしたいのが、転職エージェントです。
転職エージェントを利用するメリットは主に3つあります。

  1. 書類添削や面接対策のサポートが受けられる
  2. 希望している条件とマッチする企業が見つかる
  3. 非公開求人の案件を紹介してもらえる

忙しい役員の転職には、社内の風土やニーズを理解しているエージェントを活用することが最適といえるでしょう。役員の転職は募集企業などが公表されないケースも多いので、良いエージェントと組んで満足のいく転職を実現してください。