スマートフォン版はこちら

退職手続きガイド いつ出す?いつもらう?必要書類チェックリスト

3224_01img-thumb-600xauto-11738.jpg

会社を退職する際、済ませておかなければならない手続きがいくつかあります。どの手続きをいつまでに行う必要があるのか、退職前に抜け漏れなく確認し、今の職場と新しい職場に迷惑をかけないようにしたいものですね。今回は会社を退職するときに必要な手続きや期間、必要書類などについて、退職の流れに沿ってご紹介します。

退職手続きにかかる日数は? 何日前まで? 何日以内?

退職する際には、さまざまな手続きがあり、ある程度の日数がかかります。準備に時間のかかる書類や手続きもありますし、何より担当している業務の残務整理や、引き継ぎなどもあります。退職する会社や同僚にも、また新たに入社する会社にも迷惑にならないように準備したいものです。

一般的に退職の意思を伝える「退職願」の提出は、退職予定日の2カ月前や、最低でも1カ月前と言われています。ただそれはあくまで一般論としての情報です。実際は、勤めている企業の就業規則や、担当している業務の内容によっても変わってきます。まずは、就業規則をチェックしましょう。

退職手続きには、退職日前に準備しておくべきことと、退職日当日、退職した後に行うものがあります。

離職票の発行や、健康保険の変更手続きなど、「退職日から○日以内」と期限のあるものもありますし、会社からの貸与品の返却など、「○日までに返却」と日時を指定される場合もあります。

うっかりしていて、期日を過ぎてしまったということのないよう、退職に関わる手続きについて、流れに沿って確認していきましょう。

退職手続きの流れ 退職日までに行うべきこと

ここでは、退職手続きの中でも退職日までにすべきこと、退職日当日、退職後の確認事項を順に解説します。

●退職願提出から退職日まで

退職願を提出して退職の意志表示をしたら、引き継ぎ業務などを考えて相談の上、退職日を決めます。
次の会社で「退職証明書」の提出が求められている場合は、退職する会社に発行を依頼します。

●退職の案内は、退職が決まった日から退職日までの間に出す

仕事でお世話になった人などへ、退職の案内をいつ送るか悩む人も多いようです。退職の案内は退職日が決定してから退職日までの間に出すのが基本です。ただ、仕事関係の人に対しては引き継ぎなどの準備もあるので、退職日の2~3週間前に出すのが良いでしょう。

退職日前の手続き内容 期間 注意点
退職願の提出 2か月~1か月前 就業規則を確認必須
残務処理、後任への引き継ぎ 退職願提出~退職日
「退職証明書」の発行依頼 退職日確定次第 転職活動後半で必要になる場合もある。 早めに退職する会社に依頼
退職の案内・挨拶 3週間~2週間前 取引先やお世話になった方には個別に、引き継ぎ事項が発生する場合は早めに案内する

退職手続きの流れ 退職日当日とその後

退職日当日には、会社備品などを返却し、離職票などの必要書類を受け取るといった手続きがあります。

●退職日当日 貸与品の返却チェックリスト

社員として当たり前に利用していたものの中には、退社時に返却すべきものがあります。会社からの貸与品を未返却のままにしていると、罰金を科せられる場合もありますので、注意が必要です。
会社から期日を指定されていない場合でも、退職日には全てのものを返却するようにしてください。忘れてしまうと、再び会社に出向く必要があったりと、手間がかかってしまいます。
なお、制服などの衣類は、退職後に返す形になりますが、きちんとクリーニングに出してから返却するようにしましょう。

返却すべき貸与品例 注意点
健康保険証 扶養者の分も忘れずに
社員証 ホルダーも会社支給の場合はホルダーごと
備品 PC、携帯電話、事務用品など会社から貸与されている物。会社によって期限が指定されている場合は、その日までに返却する
名刺 取引先から受け取ったもの、顧客リストに該当するもの
定期券 清算か返却か、会社に確認
作業着・制服 貸与されている場合は、クリーニングして返却

●退職に伴って会社から受領する書類 チェックリスト

退職日当日、あるいは、退職後、会社から受領する重要書類について、まとめます。

□ 雇用保険被保険証
雇用保険に加入したときに発行される、雇用保険への加入を証明する書類です。記載されている「被保険者番号」は、転職先の会社で新たに雇用保険に加入する際に必要です。また、次の転職先が決まっていない場合は、ハローワークで失業保険の手続きを行う際に必要になります。
万が一、紛失したときは、管轄のハローワークで再発行手続きを行いましょう。

□年金手帳
厚生年金保険加入を証明するものです。転職先に入社する際に提出する必要があるため、会社が預かっている場合は必ず返却してもらいましょう。転職先が決まっていない場合は、国民年金に加入する際に年金事務所への提出が必要になります。

離職票(退職日以降に受領)
転職先が決まっている場合は必ずしも必要ではありませんが、決まっていない場合に、ハローワークで失業給付の受給手続きを行うために必要になります。転職活動が終盤であっても、退職後に転職活動が長引いてしまう可能性も考慮し、必ず受け取っておきましょう

離職票の発行は退職者が希望した場合(59歳以下の場合)に行われるものですが、退職後10日以内と期限があるため、退職時にきちんと依頼し、退職後に受け取りに来るか、あるいは郵送してもらうなどの段取りも決めておきましょう

源泉徴収票
転職先に提出する必要のある書類です。年末調整で必要になるので、受領次第早めに、転職先に提出するようにしましょう。おおむね退職後1カ月以内にもらえますが、後日郵送してもらうのか、受け取りに行くのか、確認しておくことをおすすめします。

退職証明書
転職先に現職もしくは前職の会社を退職する(した)ことを証明する書類です。複数の会社に所属していないことを証明するために提出を求められることがあります。発行には申請が必要になるので、退職日が決まり次第、依頼をしましょう。
退職証明書についての詳細は、こちらの記事も参考にしてください。

会社・公的機関から受領する書類例 注意点
雇用保険被保険証 失業保険(雇用保険 基本手当)受給する場合は、ハローワークへ提出。転職先が決まっている場合は、転職先に提出が必要
年金手帳 会社が預かっている場合は必ず受領。転職先に提出、あるいは国民年金加入に必要
離職票 退職後10日以内に発行。郵送か訪問受け取りか決めておく
源泉徴収票 退職日以降に受領。郵送か訪問受け取りか決めておく
退職証明書 発行には申請が必要。退職日が決まったら依頼しておく

退職手続き、注意が必要なパターン

転職先が決まっていない、転職先への入社日まで少し間が空くといった場合には、自分で手続きしなければならないものもあります。また、状況によっては、退職の基本的な手続き以外にも、行うべき手続きが発生するケースもあるので注意しましょう。

●転職先が決まっているか、すぐに入社するか否かで手続きは変わる

転職先がすでに決まっていて、退職してすぐに入社するのであれば、転職先で大体の手続きはしてもらえますが、転職先が決まっていない場合、企業に属さない期間の住民税の支払い方法などの公的手続きが必要になります。特に健康保険は、退職日以降資格を失いますので、手続きを怠ると、体調を崩した場合に病院などでの診療費が全額自己負担となってしまいます。
いざという時に慌てないように、前もって確認しておきましょう。

公的手続き内容 手続き期限など 注意点
健康保険 退職日から、任意継続は20日以内、国保切り替えは14日以内 現在加入の社会保険を継続する場合は任意継続手続き、そうでない場合は国民健康保険の切り替えが必要。
所轄の社会保険事務所、あるいは自治体で手続き
年金切り替え 退職日から14日以内 厚生年金から国民年金に切り替える場合、住民票のある市区町村で手続き
住民税 郵送される納付書を確認 退職月によって、転職先での給与天引き、税務署で一括納付、分割納付などが変わる
雇用保険 基本手当の受給完了が、退職日から1年以内 雇用保険の基本給付(失業手当)の受給を希望する場合は、住所地所轄のハローワークで手続き。
退職理由で変わる
所得税の確定申告 翌年の2/16~3/15 退職日~12月31日までに入社しなかった場合
税務署で確定申告が必要

●401K確定拠出年金に加入している場合

転職先の確定拠出年金制度の有無やルールによって、手続きが異なります。

また、勤続3年未満の場合、会社のルールによっては、これまでに会社が支払っていた掛け金の一部、あるいは全額を返金しなければならない場合もあります。退職する会社、転職先の会社それぞれの規約をしっかり確認しましょう。

●財形貯蓄していた場合

財形貯蓄とは、給与から一定の金額を天引きして定期預金などに積み立てる貯蓄を指します。財形制度を導入している会社に勤務する人なら、職種を問わずほとんどの人が行うことが可能です。
在職している会社で財形貯蓄の制度を利用している場合、転職先に財形貯蓄の制度があれば、退職してから2年以内に手続きを行うことで継続できます。しかし、転職先の会社に財形貯蓄制度がない場合は貯蓄を継続できません。
また、積み立ての中断期間が2年を越えた場合は、財形貯蓄が非課税から課税扱いになってしまうため注意が必要です。

●社内融資を利用していた場合

社内融資は住宅購入をバックアップするための融資制度で、ほとんどの会社では原則として退職と同時に一括返済する必要があります。退職時に預金がなく、一括返済が困難な場合は、退職する前に金融機関で借り換えができないかを確認してみましょう。銀行によってそれぞれ審査基準や手続きが異なり、また返済計画が大きく変わるため、複数の金融機関をしっかり調べ、退職前から相談し、返済完了までのシミュレーションをしておくことが大切です。

会社からの融資は、低金利で担保が不要であるなどのメリットがありますが、住宅ローンを返済する前に転職する可能性が少しでもあれば、利用しない方が無難でしょう。

●提携ローンを組んでいる場合

会社が提携金融機関の借り入れに利子を補填している場合は、退職と同時に利子補填が止まってしまいます。金融機関に退職することを伝えた上で、引き落とし金額の変更などの手続きを行う必要があります。

●体調不良などの休職から退職する場合

体調不良で休職していて、回復に時間がかかるため退職するというケースもあります。

退職の意思表示は、直属上司に「退職願」を手渡しで渡す、というのが一般的ですが、無理をしてまで全うしなければならないものでもありません。

長く休職していて訪問しづらい、直属上司や同僚との関係悪化のため直接会うのが難しい、といった場合は、人事権のある上長や部署への提出でも問題ありません。会社に訪問して手渡しすることが困難な状況であれば、メールや郵送での提出も可能です。

ところで、休職状態から退職する場合に提出する書類は、「退職願」?それとも「退職届」?どちらが正しいものなのでしょうか。二つの違いを比べながら、考えてみましょう。

「退職願」は、「退職したい」という意思を会社へ伝え、交渉し、双方が合意の上、会社側が受領してくれた時点で初めて効力が発生する書類となります。一方、「退職届」は「退職します」と文面で意思を伝え、提出した時点で効力を発揮します。こちらは会社側が受理しなかった場合でも、法律上、二週間経過すれば退職が可能であると定められている書類です。

会社側と交渉できる状況にあれば「退職願」を、元の職場への復帰は難しく、交渉は不可能であると判断した場合には、「退職届」を提出します。
その後、貸与品の返却、書類の受領などは行う必要がありますので、進め方などは人事・総務担当と相談して決めるようにしましょう。

●会社役員をしていた場合の退職手続きは?

役員の場合には退職願だけでなく、役員の辞任届を提出する必要があります。役員の辞任を取締役会が承認した後は、一般社員と同じ退職手続きとなります。

退職手続きでトラブル うまく進まない、その理由

退職の意思を伝えてから、なかなか退職日が決まらない、手続きが進まず困ってしまうというケースもあります。

●会社が手続きをしてくれない

人員不足や、担当業務・スキルの専門性から、退職希望の社員に対して辞めてほしくないと過度な引き留めを行い、退職手続きが遅延するといったケースがあります。
「退職願」を提出し、会社側と再三調整を試みているにもかかわらず、なかなか手続きに応じてくれず困っているという方もいるでしょう。
「労働者が退職の意思を示した場合、会社側にはそれを拒否する権利はない」と民法で定められています。法律上は、就業規則に則った形であれば、従業員は自身の意思で退職を申し出ることができるのです。そのため、決して「辞められない」ということはありません。

とはいえ、なかなか手続きが進まず、時間が過ぎていくと不安になるかもしれません。
そうした場合は支援団体や弁護士など第三者を介して、意志の強さを表したり、客観的視点から会社側のアクションを促したりすることも一つの方法です。

●手続きをしに行きたくない、行けない

一方で、体調を崩して休職中の場合や、家庭の事情などで、退職する側が出社して手続きをすることが難しい場合もあります。
そうしたケースの場合は、事前に会社に伝えた上で家族に代行してもらう、あるいは、支援団体や弁護士などの協力を得て進めるという方法もあります。

退職手続きがスムーズであれば、円満退社に?

退職するということは、自身の環境が変わるだけでなく、これまで一緒に働いてきた上司や同僚、会社にも影響を与えるものです。

また退職手続きは、「辞める」という意思を伝えてから、書類の作成準備や連絡、会社側の手続きなど、自分だけでなく、他の人にも動いてもらう必要のあるものです。

だからこそ退職手続きにおいては、
・転職の意思が固まったら、できるだけすぐに意思を伝える
・行うべき手続きを確認し、求められた手続きは締め切り厳守で行う

という意識を持って、進めていきましょう。

▼この記事もチェック!
マニュアルで学ぶ!円満退社