はたラボ

ガントチャートが苦手すぎる! 進行管理に必要なノウハウをプロにきいてみた

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進行管理でガントチャートを使っているけど、正直なところ苦手で……そういう人もいるのではないだろうか? いろいろなタスクが平行に走っていて関わる人も複雑なため、たしかにガントチャートを使いこなすのは難しい部分もあるだろう。しかし、使い方をしっかり理解すれば、プロジェクト管理において心強いツールになるはずだ。

 

いったいどのようにガントチャートを使いこなせばいいのだろうか。数々のプロジェクトマネジメントを行い、国際衛星通信アンテナの建設からシステム開発まで、幅広い分野のプロジェクトを経験する東京ガスiネットの上田志雄さんに、ガントチャートを使いこなす極意を伺った。

 

タスクは「名詞+動詞」の最小単位で考える

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ガントチャートとは、プロジェクトの段取りを上記のように表でまとめたもの。この表を見れば、誰がいつまでに、何を終わらせるべきかがわかり、スムーズに仕事を進められるはずだ。しかし、プロジェクトが始まると、途中で使われなくなったり、最新のファイルを共有できていなかったり、なんてことも……。このようにガントチャートを使いこなせなくなるのは、なぜなのか。

 

「ガントチャートの性質を理解せず、表面だけ真似して使うと、そのような事態に陥ってしまいます。ガントチャートを使う最大の目的は進捗の『見える化』です。プロジェクトの工程と進み具合、そしてタスク同士の相関関係と担当者が一目でわかり、それをプロジェクトのチームで共有できること。これが、ガントチャートのメリットなのです」

 

上田さんによると、相関関係が複雑で、タスクが同時進行するような大型プロジェクトに特に適しているという。少人数の場合は箇条書きでタスクを共有しても問題ないが、プロジェクトが多人数になるほど、誰がどんな状態なのかを把握する必要がある。では、どのように作ればプロジェクト達成まで、便利に使いこなせるのだろうか。

 

「ガントチャートを作る前に、WBSをできるだけ細かく分類することがポイントです」と上田さんは続ける。

 

WBS(=Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトを作業に分解した構成図のこと。これは、ガントチャートを作る前に考えるべきものだ。

 

「料理に例えると『スープを作る』というタスクではダメ。『玉ねぎ1個をみじん切りにする』、『飴色になるまで中火で炒める』、『コンソメを入れて30分煮る』と、タスクを最小単位まで細かく分解しましょう。このように、誰でもわかるように“名詞+動詞”の形にすれば、そのタスクにどれくらいの時間がかかるかを把握しやすくなります」

 

たしかに作業を細かく落とし込めていないと、どれくらいの時間がかかるのかがイメージできず、大幅にスケジュールがずれてしまう。タスクを定義づけるときは、漏れなくダブりなく、曖昧さがないように注意すると納期に間に合うかどうかがわかる。そうすることで、プロジェクトが始まる前から納期を交渉しやすくなるそうだ。

 

現場経験が浅いのに、ガントチャートを作ることになったら?

 

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とはいえ、頭でわかっていてもなかなか実践ですぐ使える気がしない……。もし経験が浅いのにプロジェクトリーダーを任され、ガントチャートを使わざるを得ない立場になったら、どうすれば良いのだろう?

 

「経験が浅いなら、その仕事に詳しい人の力を借りましょう。そのプロジェクトの全体像はもちろん、どのような作業が必要で、どれくらい時間がかかるのかを把握しないとガントチャートは作れません。自分の経験則だけで進めてしまうと、予期しないことが起こりがちになりますから」

 

とはいえ、上司やメンバーが親切丁寧に作業工程を伝えてくれるとは限らない。そこは経験を積んで糧にするしかなさそうだ。また、半年以上先のことを細かく設定するのは難しいもの。スケジュールを組むとしても、長くて半年先までの予定に留めておくのがおすすめだという。

 

「夏休みの宿題でも、絵日記の天気予報を、最後の1日でやっていませんでしたか? 仕事も同じで、納期まで余裕があっても、毎日なんとなくの計画でコツコツ続けるのは難しいですよね。それに、夏休みの宿題は最後の1日でできても、仕事はチームで進めていくもの。細かくタスクを分解して進めていけば、夏休み現象を回避できるはずです」

 

(山岸 裕一+ノオト)

 

 

取材協力:上田志雄(東京ガスiネット)

 

東京ガスiネット株式会社 営業ソリューション部 エネルギーソリューション営業支援プロジェクト マネージャ

1988年、日本国際通信(現:ソフトバンクテレコム)入社。アンテナ建設からシステム開発まで幅広い分野のプロジェクトを経験。2003年から東京ガスiネットに入社、2007年よりシステム技術部 アプリ基盤グループ マネージャーを経て2017年より現職。日本情報システム・ユーザー協会主催「ソフトウェア文章化作法」講師。主な著書に「プロマネやってはいけない」(日経BP社)、「要求を聞き出す技術」(JUAS出版)、「ITエンジニアのための伝わる文章力ドリル」(日経BP社)。