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資本金300万円、8年後に15億円で売却 「つけめんTETSU」創業者に聞いた、ここ一番の頑張り方

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つけ麺専門店「つけめんTETSU」を開業し、都内を中心に約30店舗を展開。年商20億円のチェーンに育て上げた小宮一哲さん。

 

資本金300万円のスタートから、わずか8年後には15億円で全株式を売却し、ラーメン業界では「企業価値を500倍にした男」として知られる。

 

創業当時は缶コーヒー1本買うのもためらうほどの苦境の中、1年間がむしゃらに働くことで、売上は右肩上がりで躍進したという。ラーメンドリームをつかんだ男に、ここぞというときの頑張り方を聞いた。

 

「結果に結びつく」頑張りを考える

 

――小宮さんは大手衣料品会社と大手警備会社を経て、2005年につけ麺専門店「つけめんTETSU」を開業されました。経歴を見ると順調なステップアップに見えますが、独立当初からうまくいったんですか?

 

いえいえ、オープンして最初の1年は、店の売り上げは年商350万円で、自分の収入はゼロという惨状でした。僕はもともとラーメンが大好きで、学生時代から各地のラーメンを食べ歩き、自作して研究を重ねてきました。味はどこよりもおいしいと自信を持っていたんです。しかし、1日に数えるほどのお客さんしか来ない日もありました。缶コーヒーすら自由に買えませんでしたね。

 

――自分では精一杯努力しているのに、その努力がなかなか認められなかったと。

 

いや、僕はそうは思いませんでした。努力が十分かどうかを判断するのは、自分ではなくお客さんです。お客さんが来ないのは、それは満足させられるだけの味を提供できていなかったということ。つまり、努力が足りなかったわけです。

 

いくら「頑張っている」と主張しても、結果が伴わなければ、それは頑張っていないんです。「頑張りが認められるのは義務教育まで」というのが僕の持論。それ以降は頑張るだけではなく、結果が求められます。がむしゃらに働くというのは、むやみにハードワークを続けることではありません。頑張りには「結果に結びつくもの」と「実にならない、徒労に終わるもの」があります。僕が生き残れたのは、頑張り方の違いに早くから気がつけたからだと思っています。

 

――結果に結びつく頑張りと、結びつかない頑張り。その違いはどこにあるのでしょうか。

 

大手衣料品会社に入社して、店長を目指して店舗で働いていたときのことです。店舗では入社から半年で、店長を務められるだけの知識やスキルを身に着けることを求められます。そこで大変だったのが、服をきれいに畳んで陳列棚に戻す作業でした。僕は実家でも服を畳んだことないくらいだったんです。なので、誰よりも早く出社して、誰よりも最後まで働きながら必死に練習を重ねました。ところが、半年後の店長になるための試験で不合格だったんですよ。

 

――きれいに畳めるようにならなかったんですか?

 

畳めるようにはなったんです。でも、試験ではチェックされたのは、店長として店舗を回すマニュアルの知識でした。洋服を畳む練習ではなく、マニュアルを覚えることに時間を費やすべきだったんでしょうね。これが結果に結びつかない頑張りです。

 

焼き石を投入する「新感覚つけ麺」アイデアで店を繁盛店に

 

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――「俺は頑張っているんだ」と自己満足に終わるのではなく、その頑張りで目標を達成できるのかどうかを考えるべきだ、と。

 

そうですね。これは仕事で大変な時のメンタルを楽にしてくれるとも思います。「俺はこれだけ頑張っている」と思うと、「何で他の人は認めてくれないんだ」という考えに陥りやすい。それは周囲やお客さんと接する中で、ストレスの種になります。「うまくいかないのは自分の頑張りが足りないからだ」と考える方が、ストレスを感じずに済むのではないでしょうか。

 

――「結果に結びつく頑張り」は、つけ麺店のスタートでどのように生かされましたか?

 

味がおいしいのはもちろん大切ですが、それだけで繁盛店になれるとは思っていませんでした。なので、繁盛店にするにはまずメディアの力が必要だと。そこで効果を発揮したのが「焼き石」です。

 

水でキュッと締めた麺を熱々のつけ汁につけるのがつけ麺のスタイルですが、食べ進めるうち、どうしてもつけ汁がぬるくなってしまうのがネックでした。そこで、キンキンに熱した焼き石を途中で入れることで、食べ終わるまで熱々のつけ汁で味わってもらうアイデアを考えたのです。

 

ジューッという音と共に熱せられていくつけ汁は、お客さんを惹きつけますし、ビジュアル的にもインパクトがあります。「メディアが食いつくはずだ」という僕の見込み通り、テレビ番組の取材オファーが何件も舞い込みました。番組が放映された後、客数は倍増して、行列ができる繁盛店になりました。

 

1年は人生の80分の1、その短時間の奮闘が人生のベクトルを変える

 

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――しかし、メディアに取り上げられるまでの先が見えない間、何が小宮さんを支えたのでしょうか。

 

逃げたくないという一心です。僕は勉強もスポーツもできてプライドが高かったのですが、高校をドロップアウトした後は、何もせず怠惰な日々を過ごしていました。その頃「負ける可能性があるなら戦いたくない」ということを認めたくないあまり、当時の僕は勝敗が決まる戦いに挑めなくなっていて。

 

「何も結果を出さないまま逃げたら、あの日々に戻ってしまう」という焦りが、先が見えなくても頑張れたんだと思います。それから現在まで、何かを投げ出したことはありません。「つけめんTETSU」の成功体験が過去を払拭してくれたんです。

 

――そして現在、ニッポン元気モリモリ株式会社を設立し、創業した「つけめんTETSU』を離れました。頑張り時にしっかり奮闘したことで、今なお小宮さんは走り続けられているのでしょうか。

 

そうですね。アプリを企画したり飲食店を始動させたりと、新たな成功に向かって進んでいます。「1年間がむしゃらに働くだけで人生は180度変わる」というのが僕の持論ですが、1年って人生においては80分の1なんですね。これって1.25%ぐらいでしょ? 「ここ」と決めたらとことん頑張る。そのわずかな時間を頑張れるかどうかが、人生のベクトルを大きく変えるんだと思います。

 

(佐々木正孝+ノオト)

 

 

取材協力:小宮一哲

 

1976年東京都生まれ。ニッポン元気モリモリ株式会社代表取締役。高校をわずか3日で中退し、オーストラリアでのワーキングホリデーを経て大検を取得し、大学に進学。大学卒業後は大手衣料品会社、大手警備会社などで経験を積み、27歳で『つけめんTETSU』を創業。一躍行列店となり、都内を中心に約30店舗を展開するまでに成長。2014年、創業した株式会社YUNARIの全株式をクリエイト・レストランツ・ホールディングスに15億円で売却。2016年、「少子化を改善し日本を元気に!」というコンセプトでニッポン元気モリモリ株式会社を立ち上げる。著書に『1年間がむしゃらに働くだけで人生は180度変わる』(クロスメディア・パブリッシング)。

 

 

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