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ゆとり世代・さとり世代の後輩を上手に指導する方法は? ほめ方のプロ、ホメシカ先生が教える「サンドイッチ話法」

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新年度を迎えてはや4カ月。昨今の新社会人は「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばれ、30代以上のビジネスマンとは異なる価値観をもつ傾向があるため、後輩や部下への指導に手を焼いている人もいるのでは?

 

そこで今回は、国際コーチ連盟認定マスターコーチであり、「人がおもしろいように育つ ホメシカ理論」(梓書院)の著者である野津浩嗣(のつ こうじ)さんに、「ゆとり・さとり世代とのコミュニケーション」について伺った。彼らの特徴を踏まえた具体的なほめ方のテクニックは、覚えておいて損はないはず!

 

ゆとり・さとり世代に共通する特徴は?

 

一般的に「ゆとり世代」とは、2002〜2010年に実施されたゆとり教育を受けた世代のことを指すが、野津さんの著書の中では、小学生のときからゆとり教育を受けてきた1991〜1996年生まれ(2018年現在で22〜27歳)を「ゆとり世代」と位置付けている。

 

一方、さとり世代は「1990年代生まれ」「ゆとりの次世代」など、その定義は諸説あるものの、一般にはゆとり世代と同年代からやや年下の“堅実で高望みをしない”世代といわれており、野津さんの定義も同様だ。

 

彼らとコミュニケーションを上手にとるために、まずは多くのゆとり・さとり世代に共通する特徴を聞いてみた。

  

1)成長意欲が高い

 

「彼らはバブルがはじけた1991年以降に生まれているため、不況や就職氷河期などのマイナスキーワードを聞いて育っています。そんな時代背景から『国や大人には頼れない』『自分の価値は自分で高めるしかない』という危機感を抱いているので、意外に思われるかもしれませんが、成長意欲はとても高いんです」

  

2)頭の回転が早い

 

「幼少期からパソコンやスマートフォンが当たり前に存在し、トリセツを読まずに操作方法を覚えてきた彼らは、非常にITリテラシーに優れており、頭の回転が早い。加えて情報収集能力に長けていて、仕事をこなす能力も高いと言えます」

 

3)興味があることだけを追求する

  

「部活をがっつりやる人が減り、辛かったり、苦しかったりするとすぐ辞めてしまう。そしてゆとり世代やさとり世代が社会に出た時はすでに終身雇用が崩れ、転職が認められる世の中になっていたことの2つの理由から帰属意識が総じて低いことも特徴の一つに挙げられます。自分が好きなことや気が向いたことにはのめり込むものの、興味がなければ触れようとしません。ですので、自分自身の目標達成のためには頑張るけれど、『組織の目標のために貢献しよう』という意識は薄く、自己犠牲の精神はあまり見られません」

 

4)派閥を嫌い、人当たりが良い

 

「前述したとおり、帰属意識が高くないため、彼らは派閥を好みません。自己表現を得意としつつも、誰の顔も立てることができ、愛想が良い印象です。だからと言ってコミュニケーション能力が高いわけではありません。SNSなど間接的なコミュニケーションの経験が多く、信頼を育むような直接的なやりとりはどちらかというと苦手なんです」 

 

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承認欲求を高めるベストなほめ方

 

ゆとり・さとり世代の特徴がわかってきた。では、実際にどうコミュニケーションを取れば、彼ら・彼女らとより良い関係を築けるのだろう。野津さんは「彼らのやる気や能力を伸ばすためには、結果よりも「プロセス」をほめることが重要だ」と力説する。

 

「彼らはまだ成長途中ですから、うまくいかないこともあるでしょう。だからこそ、結果よりも『昨日より成長したこと』『努力したこと』に着目し、言葉でそれを伝えてあげてください。たとえば『お客様の対応が以前よりも上手になったね』『その努力は絶対に結果になるよ』など、相手が『自分を見てくれている』と思えるような言葉をかけてあげるのが効果的です」

 

そうやって彼らの日々の変化を言葉で伝えつつ、結果につながったときの声掛けにも一工夫することで、より相互理解を深めることができるのだという。

 

「後輩が良い結果を出したときは、先輩側が一方的に『〇〇が良かったよね』とほめるのではなく、『どこが良かったと思う?』と後輩に問いかけ、何がうまくいった要因なのか自分の口から話してもらいましょう。そうすることで彼らの承認欲求が満たされ、自己肯定感が上がります」

 

ゆとり・さとり世代は、先述の通り、成長意欲が高い一方で、信頼を育むような直接的なコミュニケーションは苦手なことが多い。そのため、いくら他人からほめられても「自分なんか」と謙遜してしまうことも。「自分で自分を認めるステップ」こそ、彼らがより能力を発揮するためのアクセルになるのだ。

  

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注意したいときに使える「サンドイッチ話法」

 

ほめることが大事とはいえ、ビジネスシーンでは注意しなければいけない場面もあるだろう。このときに使えるメソッドとして野津さんが提唱しているのが「サンドイッチ話法」だ。これはゆとり・さとり世代のやる気を損なわずに、さり気なく指摘できる方法だという。

 

「これは、マイナスをプラスで挟むという考え方です。最初にほめてから指摘を告げ、最後にまたほめる。締めの言葉には、『マイナス部分を改善すれば、こんなふうに成長できるよ』というポイントを含めてください」  

 

例えば、正確な仕事ができるけれどスピードが遅い後輩に指導する場合はこう伝えよう。

 

「○○さんは、いつも正確で丁寧な仕事をしていますよね。次は自分で優先順位をつけて素早く取りかかることを目標にしてみましょう。丁寧な仕事が勤務時間内に終わるようになれば、2歩ぐらい前進しますよ」 

 

確かに、まず相手の努力を認めるのは、肯定感の強いコミュニケーションの第一歩になる。そのうえで改善点を指摘し、再びポジティブな言葉で締めくくることで、言われた側は素直に「やってみよう」と思えるようになるのだ。

 

「ゆとり・さとり世代とのコミュニケーションで何より大切なのは、自分自身と相手を比べないこと。自分基準という色メガネをかけず、後輩の良いところを見つけて伸ばしてあげようという気持ちで接してみてください」

 

(文・取材:小林香織 編集:ノオト)

 

 

取材協力:野津浩嗣さん

 

株式会社アニメートエンタープライズ 代表取締役。国際コーチ連盟マスター認定コーチ。これまで28年間で3,600回以上の講演・企業研修に登壇し、11万人以上が受講。コーチ養成スクールでは、15年間で400名以上のコーチを輩出し、コーチのコーチと言われる。テレビ・ラジオなどコメンテーターとしても出演。現在コーチ界の最高権威「国際コーチ連盟認定マスターコーチ」として全国を奔走しながら指導にあたる。自身の経験を活かした若手の育成やほめ方・叱り方の指導に力を入れ、「講師の講師」、「困った部下のよろず相談役」としても活動中。時代に合った指導で、若手がのびのびと働ける社会を作ることを目標としている。著書に「教えて! ホメシカ先生 今どきナースのほめ方・しかり方」(メディカ出版)「人がおもしろいように育つ ホメシカ理論」(梓書院)など。

 

株式会社アニメートエンタープライズ:http://www.ae-kenshu.com/

オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/homesikasensei/

 

 

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