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婚活アドバイザー 大西明美さんが語る、仕事も家事も育児も平等な「共働きのパートナーシップ」を築ける相手の選び方

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専業主婦世帯が641万世帯に対して、共働き世帯は1188万世帯*1とパートナーシップの形が変わりつつある。しかし、SNSなどでも日夜「夫が家事をしてくれない」「早く帰って子育てを手伝ってほしいのに、上司から理解を得られないらしい」といった嘆きの声が聞こえてくるのが現状だ。そんな様子を見て、つい「仕事を続けたいから結婚は無理かも……」「家庭を持てる気がしない」とためらってしまう人もいるのではないだろうか。


家庭の在り方の過渡期にある今、共働きをしながらパートナーシップを築くにはどのような相手選びをすべきなのか。多くの人が悩むこの問題について、婚活アドバイザーの大西明美さんに話を聞いた。年間約100人の結婚相談、8年で250組を超えるカップルを成婚に導いてきた大西さんが考える「女性が働き続けるために考えたいこと」とは……?

共働きをしながらパートナーシップを築ける人を見つけるために、持つべき考えとは?


大西明美結婚相談所には、俗に言う「バリキャリ」と呼ばれる女性も多く相談に来るそうだ。そうなるとやはり共働き希望の人がほとんど。そんな女性に大西さんはどのようなアドバイスをしているのか、相手探しをする前に持つべき考えをまず伺ってみた。

「信頼は二人で築き上げていくもの」という前提を持つ

大西さんの著書『となりの婚活女子は、今日も迷走中』の中に、「信頼できる男なんてそもそもいない」という衝撃的な言葉がある。その言葉について、ひとまず真意を聞いてみた。


「その一言だけだと強烈ですよね。そういうことを書いているから、『現実的だよね』とか言われちゃう(笑)。私がそこで言いたかったのは、『信頼できる男はどこかにいないかな』と探すのではなく、『信頼は二人で築き上げていくもの』ということなんです」


「婚活」「結婚」というと、「いかに信頼できる人を見極めるか、勝ち取るか」といった話になりがちなように思えるが、そういうわけではないようだ。

現実を見る

女性がパートナーを選ぶ際、やはり「仕事ができる人」「優秀な人」を選びたいと考える人は多いのではないだろうか。しかしその考えに固執すると婚活を進めていくことは難しいと大西さんは言う。


「その考えを崩していくのが私の仕事ですね。『共働きをしたいと思っているなら、なんで同等以上の男性を選ぶんですか?』って聞いちゃいます。『Aさんも仕事で忙しいですよね。家のことはできていますか?』って聞いたら、『夜中にスーパーでお弁当買って食べています』って答えが返ってきたりするんですね。なので、同じ状態の男性と一緒になって、家庭をちゃんと回せますか?』ってさらに聞くんです」


とても現実的……しかし、これに留まらず大西さんはさらに相談者へ深堀りをしていくそうだ。


「そこまで聞いたところで、さらに『子供が生まれたらどうなると思う?』ってお聞きするんです。ここまで考えていくと『あ、無理ですね』ってすぐになりますね。私のところに相談に来る方は現実的ですから。目が覚めるみたいです」


なかなかシビアだが、結婚は実際にパートナーと日々の生活を共にすることが基本。現実的に生活を継続させられる相手かどうかを見極めることは、必要なのかもしれない。

自分が相手に『何を与えられるか』を考える

現実を見据えたところで、「パートナーから『何かをもらう』のではなくて、自分なら『何が与えられるか』を考える視点が、女性も男性も働く今の時代のパートナーシップの基本」と大西さんは話す。


「私は基本的に、相談に来てくださった方の『本当に大切なもの』を一緒に掘り起こす作業をするようにしています。意地悪な聞き方をしてしまうこともありますがね(笑)。『婚活』というと身構えてしまって、皆さん何を一番優先したいのかが見えにくくなりがちなんですよ。『仕事ができて応援もしてくれるパートナーシップを相手と築くには、Aさんが提供できるものは何ですか?』と話し合っていきますね」

年収や学歴よりも、性格よりも重要なポイントとは?


現実を見て、自分が与えられるものは何なのかを考えてもらったところで、やっと大西さんは相談者から条件を聞き始めると言う。年収、学歴……と結婚相談所お決まりの条件を提示してもらいながらも、「年収と学歴より大事なものがある」と大西さんは力説するそうだ。やはり性格や相性だろうか?


「違うんです。『人間性』でも『相手の優しさ』とかでもなく、『場所』なんですよ。『相手が今住んでいる地域がどこなのか』が大事なんです。皆さん、働きやすいからという理由で会社の近くに住んでいる人がやはり多い。自分が働きやすいからって結婚後も会社の近くに住み、彼の会社が遠くなってしまったら、結婚した時に彼は家事をしてくれますか?という話です。共働きをするには、お互いが平等に生活できそうな地域を探すんですよ。なので、『あなたは通勤が何時間までだったら耐えられますか?通勤時間の許容範囲を教えてください』って聞くんです」


結婚や同棲を機に引っ越しをする人も多いであろう。しかし、仕事と家事を両立し生活のバランスを整える上で、通勤時間がどれだけかかるかは男性女性問わず重要な問題だ。


「大体『1時間くらい』と答える方が多いですね。『30分以内』と答えられてしまうと、私が紹介するのは難しい。誘導尋問みたいですが、『1時間以内で探しましょう』となったら、路線も具体的に定めながらそのエリアに住んでいる相手を探しましょうと進めていきます。そうすると都内に住んでいる女性でも、都内にこだわる必要はなくなって、相性の良い男性と出会える可能性が広がっていくんですよ。東京23区内じゃないと……と思っていたら、千葉県にもアクセスが良くて意外と30分以内の場所があったりもする。そんな感じで、最初は電車の話ばっかりしていますよ(笑)。そんな仲人はなかなかいないと思いますが、共働き希望の方が多いので自然とそうなってしまいましたね」


婚活におけるパートナー選びは、「家探し」に近しいところもあるのかもしれない。

相談に来た人たちは、やはり最初は「なぜ場所の話をするのだろう?」と驚くと言う。しかし、性格については「プロフィールの紙切れ一枚で分かるわけがないと思っている」と大西さんは話す。


「私のところに相談に来てくださる方は、『あなたは理想が高すぎる』みたいなことを説教されると思って来るみたいなんですよね。でも、『相性が良いと思うのも悪いと思うのも、最終的にはあなたが決めるものです』と私は話します」


「年収や学歴よりも、場所が大事」と言いながらも、結婚は生活を共にすること。守るべきところは守る必要があると大西さんは言う。


「日本の婚活市場の中には、『年収にこだわらず良い人を探しなさい』って指導する方もいるようですが、私は違う方針です。共働きをしながらも家庭を続けていこうとするには、女性の心が折れないようにしないといけない。女性の心が折れたら、終わりです。だから、その人の『プライド』は守らないといけない。私は共働きしたい、キャリアを積みたいと言う女性には『妥協はしないで』と伝えます。なので、『我慢できる年収』は決めてもらうようにしていますね」


許容できる範囲を決めることは、自尊心を守ることにつながると大西さんは語る。これからの人生の長い時間を共にするパートナー選び。そこは絶対に嘘をついてはいけないそうだ。

ところで、男性はどんな女性を求めているの?


大西明美結婚相談所には、もちろん男性の相談者も来る。現実を提示し、論理的に『婚活』を進める大西さんを慕って相談にくる人たちは、やはり根拠をもって納得しながら婚活を進めていきたいと考える人が多いそうだ。そんな男性たちは一体どんな女性を求めている傾向にあるのだろうか?


「男性は『優しい女』を求めていますね。これに尽きます。そこにさらに『知識・教養』といったものも、今の20代・30代の男性の方は問うてくる傾向にありますね。今の時代は親が強いので、男性はそれらがないと親に結婚を反対されることを分かっているんですよ」


近年、メディアなどでも親が婚活パーティーに参加するような事例が取り上げられているが、親の影響力が大きくなってきているのはここ最近の事象なのだろうか。


「この10年で親の力が大きくなっているように思いますね。私も婚活支援の仕事を10年ほどやっていますが、面会カウンセリングに親が来ることも増えました。経験上、60代前半の親が子供の結婚に介入してくることが多いですね。バブルを謳歌してちょっと遊んだ後にバブルが崩壊した、という世代です。子どもにお金をかけて教育をすることができた最後の世代でもあります。だから、子どもに期待をかけてしまう親御さんが多いんですよね」


親の顔色を伺いながら、親がどんな反応をするかを想像しながら目の前の女性と対峙しなくてはならない男性も大変な時代である。

パートナーとの出会いも、生活の維持も戦略次第


共働きでもパートナーシップを築くことができる相手探しのコツを伺っていたはずだが、そのどこにも『戦略』が必要なことが大西さんの話から伺えた。婚活もやはり『戦略』が必要なのだろうか?


「そうですね。婚活をするにしても、パートナーシップを築くにしても、『戦略』は必要です。常に『最悪の事態』を想定するんですよ。仕事では皆さんやっていますよね。結婚する前は、『共働きして、家も常にきれいにして、育児も完璧で』を目指しがちですが、そんな家庭は現実にはほぼないですね。仕事と家庭、どちらも考え方は一緒です。


家庭にも「快適に暮らす」という目標があって、仕事でいう予算にあたる「収入」があって、「分担」は部署のようなものです。共働き家庭で、仕事も家事も育児も共にする本当の意味での「パートナーシップ」を築き上げるには、戦略的なパートナー選びから始まります。住んでいる場所で絞り込むのも戦略ですからね。夫婦生活が始まってからも、家事の分担は戦略が命です。仕事に熱心に取り組んでいて、ビジネスの目線が自然と身についている人たちには、共働き家庭の運用も行えるはずなんです。家庭もキャリアも諦めない共働きのパートナーシップは、ビジネスの知識を生かしながら築けるものですよ」


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取材・文:佐野創太

 

取材協力:大西明美

 

婚活アドバイザー。2010年から大西明美結婚相談所を経営。8年で250組以上のカップルを成婚に導いている。一日20件以上の婚活メール相談をこなし、年間100人以上へ直接面談し、婚活アドバイスも行っている。お見合いのマッチング業務の成功事例、失敗事例を分析し、再現性がある婚活の法則を導き出すことを得意とする。


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*1:独立行政法人 労働政策研究・研修機構のデータを参照 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html