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おもしろ部署探訪~株式会社ジオコード 運用部 事業推進課~社内で一番目立つ、成果を作るチームのつくり方


左から、安藤さん、松本さん、戸松さん、渡辺さん(以下、敬称略)

世の中にはさまざまな仕事がある。一見すると同じ部署名でも、企業の数だけ手掛ける仕事内容は多様なうえに、企業や社会における役割も異なる。この連載では、そんな世の中に存在する企業の『部署』にフォーカスし、それぞれの部署の役割や仕事内容、ポリシーなどに迫る。

今回は、株式会社ジオコード 運用部 事業推進課を訪問。同チームが取り組むのは、デザイン力を駆使した、「既存Webサイトの改善とカスタマイズ」という業務。検証を積み重ねながら、地道に成果を上げていく仕事だ。課長自らが「地味」と表現する仕事に従事しながらも、「社内で一番目立つ、成果を作る」というチームビジョンを掲げている。そのビジョンの意図するところは?そして、いかにして目立っていったのか? その目標は達成できているのか?奮闘ぶりを伺った。

服と役職は脱ぎ捨てて……サウナで語り合う


―― 皆さん、はじめまして!まずは、簡単な自己紹介からお願いできますか。


渡辺:僕は、渡辺です。現在は、事業推進課の課長とサウナ部の部長を兼務しています。


―― サウナ部……?


戸松:はい。私は戸松と言いますが、サウナ部の副部長で、そこにいる松本は、サウナ部の広報担当……。


―― まさか、このプロジェクトメンバーの全員が……?


安藤:いえいえ。残念ながら、私はサウナ部ではありません(笑)。このチームは10人中8人がサウナ部員なので、月に2回、サウナ部の部会がある日の定時直後は、私がぽつんと一人ぼっちになってしまうことが多くて……。隣の部署の課長から「また一人なの~?」っていじられます。


渡辺:だから、間接的にサウナ嫌いに……(笑)。


―― この会社では、サウナ部が一大勢力となっているのですか?


渡辺:そうですね。全社員の4分の1がサウナ部員という状況でして。サッカー部、山部、テニス部、ゴルフ部などのメジャーどころを抑えて、社内ナンバーワンの勢力となっています。あ、もちろん、兼部も可能ですが。


戸松:サウナは良いですよ。役職も服も脱ぎ捨てて、普段はできない話をする場でもあります。サウナ室には上座も下座もなく、あるのは上下段のベンチだけですから……。さすがにサウナ室内で会話が弾むということはありませんが、ネガティブな感情は汗と一緒にすべて流してしまおうというコンセプトで運営しています。


―― 素晴らしいですね! サウナ部についてもいろいろとお聞きしたいところではありますが、そろそろ本題へ……(笑)。まずは、ジオコードの事業内容を教えていただけますか。


渡辺:ジオコードは、Webマーケティングの会社で、SEOとWeb広告を主体に、お客様へサービスの提供をしています。要するに、サーチエンジンで検索しているユーザーが、クライアントのWebサイトを見つけやすくするよう最適化し、さらにサイトに訪れた人を誘導し、お問い合わせを増やしていくという事業ですね。当社はそれに加え、ホームページの制作とクラウドサービスを提供する、「開発力」と「制作力」を併せ持つ会社です。


クラウドについては、勤怠管理と交通費精算を簡素化する「ネクストICカード」と、営業支援ツール「ネクストSFA」を提供しています。どちらも自社業務の改善目的で開発されたものでしたが、極めて使い勝手の良い優れたツールとなったため、外部のお客様にも提供するようになりました。最近は、解約率0%状態がずっと続いていますね。


株式会社ジオコード 運用部 事業推進課 課長 渡辺 友馬さん

―― ちなみに、事業推進課はどのような役割を担っているのですか?


渡辺:Webサイトの成果を出すための改善とカスタマイズを一手に請け負っています。チームが立ち上がったのは2018年2月で、SEO課デザインチームとしてスタートしました。バナーなど小規模なクリエイティブであれば、自分たちの手で制作してしまうこともあります。


―― 比較的新しいチームなのですね。どういった背景から誕生したのでしょうか?


渡辺:誕生の背景を説明するには、Webマーケティングの歴史からお話したほうが良いかもしれません。SEO・広告が主軸のWebマーケティング市場は、Webが飛躍的に発展を遂げた2000年あたりから盛り上がりを見せてきました。


そして、商品を売っていくためには、やはりしかるべきスペシャリストが必要だろうと、いわゆるSEO会社が誕生したのですが、サイトを分析して「このように改善したらいかがですか」と提案して終わりという、少々無責任な仕事をする会社がいくつも存在していました。


そういった業界課題に社長がいち早く着目し、分析も制作も運用も、一社完結で対応する体制を作ろうと考えて生まれたのが、ジオコードという会社です。広告、SEO、制作、それぞれを別の会社に発注していたらお客様の手間になるし、それらの施策が連携していなければ、最適化できないだろうと考えていたようです。


ところが、会社の規模が大きくなるにつれて各部門が力をつけ、どんどん専門性が高まっていきます。それはそれで望ましいことではありますが、やはり連携が不十分になってしまうことは否めません。現場から 「少しやりづらい」という声が上がっていたのも確かです。成果を上げるためのカスタマイズや改善も重要だと理解はしつつも、SEO部門もマーケティングに集中する必要があって、対応する余裕がないという状況でした。


そこで、カスタマイズにもクリエイティブにも対応できるメンバーを集めようと始まったのが、このプロジェクトだったのです。するとSEO部門だけでなく、広告部門からもニーズが増えてきて、どんどん業務範囲が広がっている状況です。

デザインは「センス」ではない。ロジカルな考えで「より良いもの」を


―― そもそもSEO、制作、広告の仕事はそれぞれ使う頭が違うのでは?


渡辺:そうですね。制作はユーザーのホームページ上での動きをコントロールする仕事で、広告とSEOはユーザーの入れ方をコントロールするイメージです。そして、同じ入れ方のコントロールでも、広告は「外から集めた人を直接コンバージョンさせる」、SEOは「サイトを有名にして、自然に訪れる人を増やす」という違いがあります。ですから、本来はその3つの動きが連携していないといけないのですが、部署がまたがってしまうとそれぞれ違った目的があるだけに、なかなか難しい。そこに、私たちが横串を刺したという感覚です。


安藤:私は主にデザインを担当していて、SEO、広告のどちらのチームにも関わる機会が多いので、その性質の違いをリアルに感じています。SEOではプログラムの中身の編集が中心ですが、広告のデザインでは検索した人の目に入る部分に手を入れるため、全く違う頭の使い方をします。こちらがちゃんとSEOと広告の運用の違いを理解しておく必要があります。


私はデザインの専門学校でグラフィックデザインを学んできて、昨年の4月に新卒で入社したばかりなのですが、同じデザインでも媒体が違うとこうも感覚が違うものかと、初めは戸惑うばかりでした。でも、業務と並行して研修でしっかり学んできたので、最近はようやくデザインのセオリーがわかってきたような気がします。


株式会社ジオコード 運用部 事業推進課 WEBデザイナー 安藤 朋美さん

―― デザインには、一定のセオリーがあるのですね。


渡辺:そうです。ところが日本の大学や専門学校でセオリーを教えているところはほとんどないように思えます。私はアメリカの美大で学んだのですが、あちらではデザインをかなりロジカルに捉えています。ですから、私はそこで学んだことをジオコードの新人研修で展開し、約半年間、プログラミングとデザインのセオリーについてみっちり指導しています。


―― セオリーを知っていると知らないでは、やはりアウトプットが変わるのですか?


渡辺:それもありますが、若いうちにセオリーを知っておくことで、積み上がっていくものの質が変わってくると思います。


―― 現場で経験を積んで、スキルアップを促す会社も多いように思いますが……。明確に何が違うのでしょう。


松本:セオリーを知らない人は、「センスでやっている人」です。でも、「デザイン力」ってセンスだけではないと思います。デザインは一つひとつのロジックの組み合わせで構築していくものだと渡辺さんに教わって、考えが変わりました。どんなデザインでも、一つひとつ説明ができるようになるとデザインに意味が生まれて、お客様と共通理解ができます。


株式会社ジオコード 運用部 事業推進課 WEBデザイナー 松本 貴博さん

渡辺:ロジックって、そのデザインに触れる期間が長ければ長いほど必要になってきます。例えば、人々との接点が数秒の路上にある広告を作るには、センスの部分も大きいかもしれませんが、椅子やゲームのコントローラーのような毎日使うものは奇抜では困るし、むしろインパクトは必要ありませんよね。ホームページのデザインは、ちょうどその中間点にあると思っています。ホームページが人々と接する時間は、路上広告の数百倍です。違和感を与えずに伝えたい情報をスムーズに伝え、次のアクションを促す。そのためには、いくつもの連携した動きを作っていく必要があります。


しかも、私たちが現在担当しているのは新しいデザインの提案ではなく、既存サイトの再生なのですから、情報を分解してよりロジカルに再構築する力が求められます。しっかり物事を批評する目、クリティカルシンキングが体得できるような研修を行うのは、そのためです。


―― 素晴らしいですね。一つお聞きしたいのですが、クライアントの要望とロジックとして正しいデザインをどのようにすり合わせていくのでしょうか。


渡辺:そこはディレクターの役割になってくるのでしょうね。「こういった狙いがあるならこういう形でいきましょう」という調整力が求められます。


戸松:そうですね。私はもともと制作部門にいたので、エンドユーザーを意識したデザインやコーディングを心がけてきました。ディレクターが持ってきた施策に対し、「これは本当にユーザーのことを考えているのか?」「ただ単に、検索順位のことだけを考えていないか?」を改めて一つずつ自分で検証して、「違うな」と思えば、ディレクターと納得するまで議論します。かつ試行錯誤を繰り返しながら、しっかり作り込んでいきます。


株式会社ジオコード 運用部 事業推進課 主任 戸松 規充さん

渡辺:私も、もともとは戸松と同様、デザイナーという立場で仕事をしていて、そこからディレクターになり、営業を経験して、今この立場にいます。「納得できる仕事をするのが重要」というのは、戸松の言う通りだと思います。私がディレクターの立場だった時に、デザイナーが納得するかしないかで、アウトプットのクオリティにはっきり違いが現れることを目の当たりにしてきましたから。


戸松:ディレクターの指示に納得すると、「そういう意図があるんだったら、もっとこうした方がいいだろう」と上乗せの工夫が生まれてきます。納得していなかったら「もっとこうしたらいいのに……」で思考が止まってしまいますから。そこに大きなクオリティの差が現れるのは明らかです。

仕事の楽しさは、「自分の達成感と変化」にある


―― 若手のお二人は今、このチームに対してどのような思いを抱いていますか?


松本:実は今月から、ディレクターが持ってくる案件の窓口担当になって、スケジュールや予算の管理、メンバーのアサインをするようになりました。私も安藤と同期で入社してから日が浅く、未経験な業務ばかりですが、一つひとつをマスターしていくことでマネジメント能力が身についてくるのではないかと思っています。このチームでチャレンジの機会を与えられ、日々成長を実感できていることがやりがいになっています。


渡辺:マネジメントには、範囲の大きなものからミニマムなものまであると思っています。そもそもディレクション自体がミニマムなチームマネジメントですよね。同じように、デザイナーも言われたことだけをやっていてはただの「作業者」になってしまうので、一人ひとりがマネージャーのつもりになって、意欲的に業務に向かう必要があります。もはやセルフマネジメントは「指導方針」というより、「会社の文化」として定着しているような気がしていますね。


安藤:私は、てっきり制作課に配属されると思っていたら、入社式の日に何をやっているのか全くわからないこのチームに配属されて(笑)。でも、専門学校3年の時にこの会社にインターンをしに来た時に出会ったのが、渡辺さんと戸松さんだったので……。


戸松:私が新卒一年目の時ですね!


安藤:「何なんだ、このチームは!?」と思いながらも、このお二人が在籍しているのであれば……という安心感はありました。仕事はわからないことだらけでしたが、私のためにたくさんの時間を割いて指導をしてくださって、おかげでできることがたくさん増えて……もう感謝しかないです。


戸松:目に見えてできることが増えていますからね。


安藤:不安が少しずつ自信に変わってきました!


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―― 上司・先輩にとっては嬉しい言葉ですね。お二人には、仕事のやりがいをお聞きしたいです。


戸松:私が感じるやりがいって昔からブレがなくて、それは「お客様からのフィードバック」なんです。「このサイト、使いづらいよ」というネガティブな声から喜びの声まで、あらゆるご意見をいただくことが大好きなんですね。私が担当するフロントエンド、すなわちお客様の目に触れる部分を構築する仕事に従事する醍醐味だと思います。


私は、制作課に在籍していた時代に渡辺さんから「こっちに来いよ」と誘われて、嬉しかったのですが、一方で新しいサイトが作れなくなるのではないかという心配がありました。しかも、他の人が構築したサイトに手を入れるのは非常に難しい仕事で、正直、そこに面白みを見出すことができるかどうか戸惑いもあったんです。


ところがいざチームでの仕事を始めてみると、みるみるうちに自分の知見が広がっていくことが実感できて、面白くなってきたんですよ。今では、ちょっとサイトを見るだけで、中身の構造がある程度読めるようになって、その成長実感が新しいやりがいになっています。


渡辺:私は、このチームがどんどん注目されて大きくなってきているところにやりがいを感じています。結成当初は、「タイトル変えて」といった制作課に比べて小さくて地味な仕事が多かったんですね。そこで勝手に、「社内で一番目立つ成果を作るチームにしよう」とチームミッションを定めました。自分の仕事に誇りを持ち、積極的に行動・発言しアピールする。そして、個人・チーム目標の100%達成を前提として、他チーム・他課・他部署にも業務支援、業務改善を行い、成果があがる環境を作っていこうと誓い、活動を続けてきました。


社内に発信していくのは、PRの仕事をしている知り合いから学んだ手法なのですが、実際にそれが功を奏し、社内で一番目立っていて、良さそうなチームに見えているとは思うんですよ。まあ、やっていることは地味なんですが(笑)。


実は、私と戸松はこのチームのほかに新しいプロダクト開発にも関わっていて、二足のわらじを履きながら両チームの発展をさせるという、非常にチャレンジングなミッションを自らに課しています。私は、ジオコードに入社する前に勤務していたベンチャー企業で当時、上司から「会社の成長に追いつくには君が4倍成長しなさい」と言われ、「それに見合った仕事を任せるからチャレンジしてほしい」と随分鍛えられました。その経験がその後の自分の成長の礎となったことは間違いなく、チャレンジの重要性は身をもって理解しました。そういった気持ちをチームで共有したいと思っています。


―― ありがとうございます。最後に今後の目標を教えてください。


安藤:私自身、今後は広告の仕事にシフトしていきたいと思っているのですが、それを機に、日頃お客様と接している運用者とこのチームをつなげられるような存在になりたいですね。コミュニケーションが多くても、正確に意図を汲み取れないままデザインや内部施策をやってしまうと、「これでいいのかな」「ちょっと違うかな」と自信が持てず、その微妙なズレがモチベーションの低下につながります。そのためにはまだまだ、運用者と対等に話をするための知識が足りないと自覚しているので、しっかり学び、こちらから提案できるようになりたいなと。そうすれば、もっとやりがいを感じられるかと思います。


松本:私は、SEO部門のリーダーになりたいと思っています。そのためには、今任されている案件のとりまとめにしっかりと取り組んで、知見を蓄積していきたいです。人をまとめる力は簡単にはつかないと思いますが、個人目線で物事を考えるのではなく、チーム全体に目配せしながらプロジェクトを前に進めていく意識をもって、日々の業務に向かっていこうと思っています。


戸松:「関わっているプロダクトの成功」と「自分の知識や武器を増やしたい」というのが個人の目標です。チームとしては、今の私たちって社内のパイプの中心にいると思っているんですね。既にSEO、広告、制作部門からも依頼を受けていて、制覇していないのはマーケティングとクラウドの部門くらい。まさに会社の「よろず屋」なんです。真の「よろず屋」になるためには、こちらから積極的に提案していくべきでしょう。この「よろず屋」がさらに力をつけて、社内中から依頼を受けるようになると、他チームの各人が、もっとスペシャリストとして自らの専門領域に特化できるようになると思うのです。


渡辺:ようやく自分のチームの形が整ってきたので、他部門にも影響を与えていきたいですね。もちろん、経営層が決めることも大事ですが、ボトムアップで会社を良くしていこうという風土を全体的に作っていけたらと……会社の文化って、そうやって出来上がっていくものだと思います。


仕事の楽しさは「自分の達成感と変化」だと、社長も常々言っていますし、私自身その言葉に感銘を受けてきました。このチームとして、そして個人として仕事の範囲がどんどん増えていく、そういった変化が実感できるのはとても面白いことなので、その面白さをメンバーに提供し続けていきたいと思います。そして会社全体に広げていきたいです。


ジオコードには「五輪の書」という行動規範があって、その最後に最も大切なことが書いてあります。それは「この会社の一番の魅力は、自分の待遇も環境も自分の意志で変えていける」ということ。私たちはこのチームを、この言葉を一番体現できているチームにしたいと思いますし、「これが会社の正義なのだから、やろうよ」と声を大にしていいたいです。これを実行すれば間違いなく、ジオコードという会社の力は飛躍的にアップしていくはずです。


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取材・文:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) 撮影:岡部敏明

 

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