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おもしろ部署探訪~株式会社D2C R メディア本部 リテンションチーム~離脱したアプリユーザーが帰ってくる!?「リテンション」に取り組むプロ集団

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世の中にはさまざまな仕事がある。一見すると同じ部署名でも、企業の数だけ手掛ける仕事内容は多様なうえに、企業や社会における役割も異なる。この連載では、そんな世の中に存在する企業の『部署』にフォーカスし、それぞれの部署の役割や仕事内容、ポリシーなどに迫る。

今回は、株式会社D2C R のメディア本部 リテンションチームを訪問。同チームが提供するのは、何らかの理由によってアプリの利用を止めてしまったユーザーにアプローチして、再び利用してもらう「リテンション」のコンサルティングサービスだ。最先端のツールを用いて、困難な領域にチャレンジを続けるメンバーの姿を追った。

ユーザーの気持ちの動きをさまざまなデータから分析。クライアントとユーザーのコミュニケーションをサポート


―― 「インターネット広告代理店」が具体的にどのようなことをしているのか、まずはチームリーダーの久原さんからD2C Rの業務内容についてご説明いただけますか。


久原さん(以下、敬称略):広告代理店の仕事は、ご存知のように「お客様の商材やサービスの利点を、メディアを通じて広告を使って、広くユーザーの皆様にお届けする」というものです。私たちは広告の中の「インターネット広告」に特化し、さらに「スマートフォンアプリのプロモーション」を得意領域としているということになります。主な広告配信先で言いますと、例えばTwitterやFacebook、Instagram、LINE、TikTokなど……最近は、そういったSNSへの配信割合がかなり増えていますね。


インターネット広告の特徴は、出稿した効果が全て数字で分かるところです。どれくらいの人が見て、どれくらいの人が興味を持ってクリックして、広告を見てくれたか。そして、購入してくれたのかどうかまで追うことができます。雑誌広告やテレビCMと違い、配信した次の瞬間からほぼリアルタイムで結果がわかる。それを見ながら、内容をブラッシュアップしたり、配信先を変えたりしながら効果を高めていくのが「運用」と言われる仕事で、私たちはその「運用」に強みを持っています。


―― わかりやすい説明をありがとうございます。ちなみに、リテンションチームはどのような役割を担っているのでしょうか。


久原:私たちのチームは、クライアントであるアプリ事業会社それぞれが抱えるユーザー(会員)の情報を管理する、D2C R独自のDMP「ART DMP」を提供しています。最近ではゲーム、フリマアプリやECアプリ、コミックを配信する企業とのお取引が多いですね。DMPは「Data Management Platform」の略で、どのくらいのユーザーの方が利用し、どれくらい課金をしているかなど、自社アプリ内のユーザーの動きがデータで分かるツールを指します。


「ART DMP」を使うことによって、どの広告媒体から入ってきたユーザーがより自分のアプリに対して親和性が高いのかがわかります。逆にどれくらいの人がどこで離脱しているのかも分かるようになるので、クライアント企業の皆さんはそのデータをもとにマーケティングができるようになります。


さらに、何らかの理由でアプリの利用を止めてしまったユーザーに対して、辞めた理由を分析し、再度広告でコミュニケーションを図って戻ってきてもらうというサービスも提供しています。この手法を「リテンション」と言うのですが、私たちはこれを得意としています。


株式会社D2C R メディア本部 運用部 マネジャー 久原 博喜さん

―― 明かせる範囲で結構ですので、どんな分析を行って、利用を止めた理由を突き止めていくのか教えていただけますか?


久原:例えばECであれば、アプリをインストールしたけれども、実際に商品を買わないで離脱が起きるという漠然とした課題があったとします。では、この期間に商品を見てくれた人がどれくらいいるのか。カートに入れてくれた人がどれくらいいるのか。決済ページまで進んだ人がどれくらいいるのか。そして、購買に至った人がどれくらいいるのか。それぞれのフェーズでデータが取れたら、どこがボトルネックになっているのかがわかりますよね。クライアントがどんな課題を抱えていて、それに対してこういったデータが必要なのでは?と提案する仕事は、隣にいる北中が行っています。


北中さん(以下、敬称略):そうですね。ユーザーの動きを分析するために、どういったデータを取得するべきなのか、まだまだクライアント側にも知見が貯まっているわけではないので、一緒に議論を重ねながら進めていますね。取得するデータが決まったら、及川や川畑が実際にPDCAを回しながら分析や運用をしてくれるので、自分はその橋渡しの役割を担っています。


株式会社D2C R メディア本部 リテンションチーム 北中 建さん

―― 一度、気持ちが離れてしまったユーザーに対して、一体どのようにアプローチするのですか?すごく気になります。


久原:例えば、カートに到達する過程で離脱率が高ければ、商品の見せ方が魅力的ではないのかもしれません。また、カートには行ったけれども購入に至らないのであれば、登録手順が不自然なのかもしれない……など、どのようなところにユーザーの離脱ポイントがあるかをデータで分析します。そこに対して、例えば動画広告を入れて、購買手順を伝えることで使いやすさをアピールしたり、クライアントに購買手順改善のご提案をしたりする場合もあります。また、一度買ってくれたにもかかわらず、長い間ご利用のない休眠ユーザーを対象にセールの告知をするなど、他にもさまざまな手法を用いています。


及川さん(以下、敬称略):一度離脱したユーザーの立場から考えることも必要ですが、一番重要なのは「クライアントがユーザーに対して、どういうコミュニケーションを取っていきたいのか」というところだと思います。分析結果をもとに、私がもしクライアント側の立場だったら、どう考えるか、どのようにアプローチするかをしっかりイメージして、それにあった提案を行うよう心掛けています。


株式会社D2C R メディア本部 リテンションチーム 及川 萌さん

会社が戦っていくために必要な「尖った」武器でありたい


―― こういったデータ分析の仕事のスキルをあげていくのには、トレーニングが必要なのでしょうか。たくさんのデータの中から傾向を読み取るのは、感覚的なものですか?どうしたらそのポイントを見つけられるようになるのでしょうか。


及川:私個人の感覚で言うと、まずは全体をざっと俯瞰したうえで、直感的に「ここかな?」とポイントを探って、実際に見てみる。それを何回も繰り返しやってみて、徐々に当たりをつけていくような感じですね。経験を重ねて感覚を養っていくことは大切かなと思っています。


川畑さん(以下、敬称略):さらに重要なのは、データだけで判断しないことだと思っています。実際にアプリを利用し、ユーザー目線をしっかり持って分析に臨むというのもポイントですね。


株式会社D2C R メディア本部 リテンションチーム 川畑 瞳さん

北中:ソーシャルの声を拾いにいったりもします。Twitterで検索して、「ここが嫌だ」「ここの部分が面白くない」という声をキャッチアップし、それをもとに該当する部分の数値を見てみると、確かに大きな動きがあったりするんですよ。離れていったユーザーや不快に思っているユーザーに対して、どのようなプロモーションを打ってフォローするかを考えるヒントにもなります。


―― 皆さんは、この仕事のどのような点に面白みを感じていますか。


川畑:クライアントが気付いていない課題点を見つけ出し、それを明確にしてお伝えできるところに喜びを感じています。クライアント企業側にいると、アプリの利用率や継続率に目が行きがちで、どこに問題点があるのか、離脱の要因もよくわからないということが意外と多いのです。そこで私たちがまず仮説を立てて、運用を通じて明らかにしていくというのがこの仕事の面白さですね。


及川:川畑が話したことと似ているのですが、「こうなのかな?」と思ったことに対する裏付けがデータとして明確にできる点が非常に面白いと感じています。そこからクライアントにご提案していく流れが、この仕事の醍醐味ですね。


北中:Webプロモーションやデジタル広告の領域において、アプリをインストールしてもらったり、商材を買ってもらったりするためのプロモーション手法はもう確立されつつあります。ところが、一度利用してくれたユーザーに対して、どういうコミュニケーションをとっていけばいいのか、どういうプロモーションをとっていけばいいのかは、まだ確固たる正解のない状態です。その未開の領域をフロンティア精神で切り開きながら、最適解を見つけ出していくことにやりがいを感じています。


久原:今の時代って、ヒットが生まれづらい世の中ですよね。あらゆるものの中で、可処分所得の奪い合いが起きていると思っています。その中で私たちは、既に興味を持って一度インストールしてくださっているユーザーに対して、コミュニケートする仕事を主にしています。


アプリのことを大好きな人に、もっと大好きになってもらうためにどのようなコミュニケーションが必要なのかを考える。あるいは、興味を持って入ってきたのに使いづらいと感じ、面白さや便利さが伝わる前に離脱してしまった人に「本当はもっと便利な機能があるよ」と伝えることでコアなファンづくりに貢献できる。そんな事業であると自負しています。


D2C Rは、インターネット広告代理店の中では決して大手ではありません。中堅の会社が勝つためには、「尖ったもの」が必要です。その「尖ったもの」を手掛けているのが、リテンションチームだと思っています。ヒットが生まれづらい、コアなファンを作る必要があるこの時代の中で、既存ユーザーに対するコミュニケーションの活性化に価値を感じてくださるクライアントは、年々増えています。これは、他の代理店から一歩抜きんでて差別化できる大きな武器だと思っています。このように会社へ貢献しつつ、チームメンバーが「面白い」と言ってくれる、「楽しい」と言ってくれることにやりがいを感じています。


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「正解のない領域」で業界のスタンダートを生み出す。各人が「自走」できる組織の魅力


―― 久原さんは、チームを運営するうえでどのようなことを心がけていますか。


久原:アプリプロモーションという新しい領域の中でも、リテンションはさらに最先端を行く「正解のない領域」なので、自分たちでいろいろと試しながら、業界のスタンダードを切り開いていくチームにしたいと思っています。クライアントのアプリごとに課題は違うので、それぞれの本質的な課題に向き合いながら、メンバー同士でディスカッションを重ね、解決策を導いていくようにしています。


―― メンバーの皆さんは、このチームに対してどのような感覚を持っていますか。


北中:そうですね。久原が言うように、正解がないところに対して新しいことをやり続けないといけないのですが、限りがないし、見えない部分もあると思うのですね。私はまだ入社2年目で、これまで知的探究心だけで突っ走ってきたところもあり、それを久原に「こっちに走ったほうがいいよ」と調整してもらってきました。


―― 正解のないことに対して、どのようにモチベーションを維持し、追い続けているのでしょうか。


北中:お客様と成功体験を作れていることが大きいと思います。トライ・アンド・エラーを繰り返す中で成功事例が生まれると、それこそ、他にはない前人未到の先進事例を作ったことになるので、大きな達成感を覚えますね。


及川:私は去年の10月から配属となったばかりでまだ日は浅いのですが、メンバー一人ひとりが自走している感覚があり、最初は戸惑いました。私はもともと、「これをやってね」と言われたことをやるタイプだったので……。だからこそ、自分を伸ばしていける、成長できるチームだと思っています。


―― 「自走しよう」という意識が自分の成長につながるということですか。


及川:そうですね。つい人に頼ってしまう癖があったのですが、それを直すことができていますし、もっと自分の力でどうしたらいいのかを考えていく必要があると自覚しました。どんどん挑戦していけるチームだなって思っています。


―― 年次が若いうちは、つい指示待ちになってしまう人も多いのではないかと思います。新しい領域ですと、なおさら「私は何をしたらいいのだろう?」といったことがあるのでは?どうやったら「自走できる自分」になれるのでしょうか。


及川:私の中では、「トライさせてくれる環境」があることが大きくて、「これをやってみたい」と思ったことを実際にやらせてもらえることが、自走できるきっかけになったと思っています。もちろんアドバイスや助言もいただくこともありますが、チームの人が温かい目で見守ってくれているという安心感も大きいですね。


久原:及川は真面目で素直なので、クライアントの課題に対して、きちんと向き合って正しい成果の出るアウトプットを前向きに考えられる人だと、周りのメンバーは思っています。それは、彼女が入社してからこれまでの仕事の姿勢によるものなのかなと。


川畑:私も去年の5月に転職してきたばかりで、前の会社の雰囲気と比べて、D2C Rはすごく堅いんじゃないかなと思って不安になっていたのですが、とても自由なんです。自由と言っても、「何をやってもいい」という意味ではなく、「『会社の中で強みとなるリテンションチームになりたい』というミッションを達成するためだったら、どのようなアプローチでも自分で考えて実行して良い」という自由さがある。そこに魅力を感じています。


―― では、最後に今後の目標を教えてください。


川畑:明確なキャリアビジョンは、まだあまりないんですよ。役職とかにもこだわっていなくて……。できれば「面白い」と思える仕事をずっとやっていきたいです。だから、まずはクライアントや会社に相乗効果を生み出していかないと、と思います。ただ面白がっているだけの人ではいけないので……。


―― 川畑さんにとっての「面白い仕事」とは。


川畑:難しいですね。即答できない。なんだろう……でも「新しい発見」かな。


―― このチームでやっているのは最先端の仕事だから、毎日いろいろな発見があるのかなと思いますがどうですか。


川畑:それもありますが、今、私の頭にあったのは「ユーザーの動き」ですね。これまで知り得なかった人の気持ちを知ることができるのが、非常に面白いと感じています。


―― 及川さんはどうでしょうか。


及川:先ほどの話ではないですが、まだ「完全に自走する人」になれていないので、まずはそこを目指したいですね。まだ駆け出しなので、人に頼らず自分で考える力をつけて、自分で走っていける人になりたいというのが一つあります。そのためには、まず知識をつけないと……自分が武器として戦える専門分野の知識をつけて、チームの人、社内の人が疑問に思ったことに答えられるようになりたいです。


―― 北中さんは、今後どうなっていきたいですか。


北中:そうですね。私も役職が欲しいといったような考えは今はまだなく、 生活者の質を上げるため、商品やサービスを使い続けてもらうためには何が必要かを考えるリテンション領域の中で、「この人に任せておけば安心」と思われるようなポジションになれるよう、目の前の仕事を頑張っていけたらと思っています。


―― では、最後の締めは、チームリーダーの久原さん。ご本人の今後もそうですし、チームや会社について思っていることを教えてください。


久原:私は、チームメンバーの成長が最優先ですね。ここにいるメンバー全員が自分のやりたいことを実現できる環境や、チャンスを作れたらいいなと思っています。今までできなかったことができるようになったとか、自分でもびっくりするくらいの成果が出たと喜んでいる姿を見るのが一番嬉しいです。そして、私たちが力をつけることで、「リテンションといえばD2C Rだよね」と認識されるように持っていきたいですね。


でも、D2C Rは広告代理店として、クリエイティブや営業対応、オペレーションの部分が非常に強いのです。リテンションのデータ分析や運用は、あくまで入口のひとつなので、「D2C Rのことはよく知らなかったけれども、リテンションがあるから一度使ってみようみよう。使ってみたらすごく良いし、それなら全部任せてみようか」といった形で、クライアントとの取引が拡大していったらと考えています。


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D2C Rからのお知らせ


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D2C Rが主催するアプリマーケティングの“生の声”が聞ける「#MarketingLIVE」が、ご好評につき3回目の開催をいたします。

今回は「人気タイトルが取り組むファンマーケティングの裏側に迫る」と題して、実際にアプリマーケターが取り組んでいるファンマーケティング施策についてご講演いただきます。

アプリ市場が成熟し、日々重要性が増すリテンションマーケティングに注目し、人気タイトルが実際に取り組んでいるユーザの心をつかんで離さないファンマーケティング施策について事例を踏まえてお話しいただきます。

【開催概要】
主催:株式会社D2C R
日時:2019年3月1日(金)17時30分~(受付:17時00分~)
場所:東京都中央区銀座6-18-2 野村不動産銀座ビル5F「株式会社D2C内」
参加費:無料

※詳細・申し込みはこちらから

取材・文:伊藤秋廣(エーアイプロダクション) 撮影:岡部敏明

 

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