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【転職最新動向:食品・消費財メーカー】Webマーケティングや海外向けマーケティング経験者はキャリアアップのチャンス。採用する企業側にも柔軟性が出てきている

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SNSなどを通じた口コミで話題になった商品を、ECサイトなどインターネット経由で買うことが当たり前な時代になりました。テレビCMで見た新商品をスーパマーケットやコンビニへ出向いて買うのが一般的だった頃と比べ、商品を多くの人に届けるための戦略は大きく変化しています。マーケティングや販促の職種に求められる仕事内容にも、変化が現れているのではないでしょうか。そこで、パソナで食品・消費財メーカーの転職支援を担当しているキャリアアドバイザー長島 郁に、消費財メーカーのマーケティング職やPR職、販促を担当するポジションの転職動向を聞きました。

今まで中途採用募集に消極的だった会社が、人材を積極的に受け入れている

―食品・消費財メーカーの転職市場の市況感はいかがでしょうか?

長島:2019年4月現在は間違いなく活況で、「今は高止まりの踊り場の状態とも言える」と企業の人事担当者にはお伝えしています。直近2~3年はずっと売り手市場が続いており、2020年のオリンピック・パラリンピックまではこの状態が続くのではと考えています。

食品・消費財メーカーの転職動向で特徴的なのは、これまで中途採用に消極的、もしくはほとんどしていなかった企業がこの数年、事業拡大のために中途の人材を積極採用するようになったことです。特にニーズが高まっているのが、マーケティング・PR・ブランディング・販促といったポジションですね。販売チャネルが多様化し、「作ったら売れる」という時代ではなくなった今、これまでの当たり前は通用しなくなりつつあります。例えば、今までは主に百貨店で商品を販売していた企業も、その他の小売店やEC、海外での販売を検討する必要性が生じています。

また、売り方の変化は「モノ消費」から「コト消費」に変わりつつあるという、消費者の嗜好の変化も影響しています。CMを打って認知度を上げるような従来のマスマーケティングではなく、商品を売りたいターゲットとなるペルソナを定め、Web広告やSNS、そこから広がる口コミなどを通じて、ミクロなマーケティングを多面的に仕掛けていく必要があります。大手企業はもちろん、中堅・中小企業においても、Webマーケティングやデジタルマーケティングは強化の意識が高い印象があります。

―そういったノウハウを持っている人のニーズが高いのですね。

長島:はい。新たな動きゆえに社内にノウハウがないことも多いため、経験のある人を外部から採用しようとしています。特にECと海外展開の経験者はニーズが高いです。

例えば直近の海外進出先として最も人気がある中国では、小売店の売上をインターネットやECが4倍以上上回っているような購買動向であり、今後も市場感は大きく変化すると見込まれています。こういった市場に進出する際、Web マーケティングの重要性はより高くなりますし、KPIの立て方もスピード感も、全てが大きく異なります。そんな中で成功の確率を高めるためにも、ノウハウを持つ経験者を採用したいというわけです。

―こういった需要が高まる中、転職者側はどのような理由で転職を希望しているのでしょうか?

長島:「今より良いところがあれば」という温度感での登録が最近は多いですね。現状にあまり不満はないけれど、新しい販売チャネルが経験できる、自社でやっていないマーケティング手法が試せるなど、「より良いキャリアが積める環境があれば転職しようかな」という考えの方が多い印象です。

プロダクトマーケティングや海外事業の経験者であれば、40〜50代にもチャンスが

―離職率が低く、今まであまり中途採用を行っていなかった企業は、業界経験や社数などの採用条件が厳しいイメージがあります。その辺りはいかがでしょう?

長島:確かにこれまでは業界経験が必須であったり、転職回数を気にしたりする企業も多かったのですが、徐々にこうした傾向も薄れてきています。最近、パソナでサポートした例ですと、30歳3社経験でプロパー体質が強いイメージの大手食品商社に内定、入社した方がいらっしゃいますね。

―「35歳以上は転職できない」というイメージを持っている方も多いと思いますが、年齢についてはいかがでしょうか?

長島:年齢も最近はあまり関係ないですね。もちろん年齢が上がるにつれて、キャリアの統一性や何かしらの軸がないと内定獲得は難しくなってきますが、35〜45歳のミドル層に向けた課長候補などのポジションも今は多く出ています。最近パソナをご利用いただいた方でも、50代で大手食品メーカーに、40代で有名ブランド食器メーカーに内定を獲得した方がいらっしゃいます。プロダクトマーケティング経験者や、プロモーションも含めたブランディング戦略の経験者、海外事業の経験者などであれば、40〜50代でもチャンスはありますよ。

―40〜50代で内定が出た方の事例について、もう少し詳しく教えてください。

長島:食器メーカーのプロダクトマーティングのポジションで内定を獲得したのは、40代後半の5社経験の方。外資系企業で飲料をメインとした高級商材のプロダクトマーケティングを手掛けていて、海外の商材を日本で売るための販売戦略経験をお持ちでした。

内定を獲得した食器メーカーも同じく外資系企業。海外のラグジュアリーブランドの食器商材を日本市場で拡大させるマーケティング戦略の立案がミッションのポジションでした。商材は違えど、ご経験内容がぴったりと合致していたのです。ご本人は経験商材から飲料系メーカーにしか転職できないと思い込んでいましたが、取り扱っていた商材の販路や「富裕層向け」といったターゲット顧客の層が近しい点が評価され、見事に内定を獲得しました。転職回数や年齢ではなく、強みやコアスキルを武器にすることで希望する転職ができるという好事例だと思います。

―扱ってきた商材が合致しているよりも、マーケティングターゲットが近い方が重要なのですね。

長島:そうですね。例えば化粧品とお菓子は商品としては全くの別物ですが、どちらもF1層(20~30代女性)をターゲットにしたものであれば、思考や行動特性など、マーケティング戦略を考えるために必要な知識は共通していますよね。今の市況感ですと、販路やターゲットに共通点があれば、アプリなどの無形商材から化粧品などの有形商材への転身も、十分に可能性があります。

―50代の方の事例についてはいかがでしょうか?

長島:50代の方は、大手菓子メーカーの子会社に社長候補として内定を得て、転職されました。もともと食品メーカーで事業部長として、中国の越境ECを長く担当されていた方です。売上規模を数億円から数十億円にしたいと非常に前向きなマインドでパソナキャリアにご登録いただき、中国展開を強化しようとしている企業にて内定が出ました。

―海外事業経験者の場合、何が転職のポイントとなるのでしょう?

長島:語学力と携わっていた国や地域が重要です。現在最もニーズが高いのは、やはりマーケットの大きい中国ですね。人口や市場規模はもちろん、中国特有のビジネス文化があるため、ノウハウ吸収も兼ねて、事業展開スキルを持つ中途社員を必要としている企業が増加傾向にあります。人と人との関係を重んじる文化が日本以上に強いのが中国です。そのため、中国国内の経営者との人脈やネットワークがないと、新たなビジネスを推し進めていくのは難しいと言われています。そういった文化的背景もあるため、中国で新規事業展開を考えている企業は、なおさら経験者を求めていますね。そのため、社数や年齢はあまり関係がありません。それ以上に、「〇〇会社のA氏と△△事業を成功させた」といったような実績が重要となります。

経験を応用してキャリアアップを図りたい方は、文化や市場規模が近しいかどうかが重要なポイントです。例えば、中国ビジネスの経験があれば、アジアやASEAN地域でのビジネスに活かせる可能性が大いにあります。また、アメリカからヨーロッパ、タイからベトナム……といったようなスライドにて、海外事業経験をさらに積み上げることは可能ではないかと考えます。

叶えたいキャリアがある人にとって、今の市況は大きなチャンス

―海外事業やEC、ウェブマーケティングなどのポジションについては、年齢以上に経験が重要視されるんですね。

長島:そうですね。転職を希望されている方へ面談時に求人をお見せすると、「40代でもこんなに求人があるのか」と驚かれることもあります。今は採用する企業側に柔軟性が出てきているタイミングなので、私たちキャリアアドバイザーとしておすすめできる人材、経験に共通点が見られる人材は、企業の求める条件から多少外れていたとしても、意図的にご提案するようにしています。

特に、私のように企業担当とキャリアアドバイザーを兼任しているアドバイザーは、企業の採用に対する温度感や内部事情がわかる分、そういったご提案をするマインドが強いですね。そうやって企業へ提案した方が実際に内定を獲得することも多いですし、そういった意味では他社にない求人をご紹介できているのではないかと思います。

―転職者側のキャリアの選択肢が広がりそうですね。

長島:もちろんご自身の希望がはっきりとしている方もいます。キャリアの方向性が定まっているのは素晴らしいことですし、そのお考えに合った提案を私たちもできればと考えておりますが、もしかするとご自身が気付いていない新しい道もあるかもしれません。私たちキャリアアドバイザーは、転職者の方がもし少しでも悩んでいるのであれば、できるだけ可能性を広げ、新しい発見をしていただきたいと考えています。そういった迷いがある方に対し、キャリアの選択肢を増やすことができるのが私たちの仕事だと思うのです。

また、私たちはやりたいことがまだ定まっていない方に対しても、転職軸の整理を行ったり、これまでのキャリアをどのように活かせるか考えたりした上で、キャリアの選択肢を提示することも可能です。特に食品メーカー、消費財メーカーでは35歳以下は「若手層」と見なされることが多く、商材を変えるなどキャリアチェンジができる可能性も十分にあります。

今はとにかく転職でのキャリアアップがしやすいタイミング。新しいことに挑戦してみたい、手掛けるビジネスの規模を拡大したい、内資系企業から外資系企業に転職したいなどかなえたいキャリアがあるのであれば、ぜひ一度ご相談に来ていただきたいですね。


(取材・文/天野夏海)

〈話し手 プロフィール〉

キャリアアドバイザー 長島 郁

パソナにて、食品・消費財領域を担当するチームに在籍。大手企業を中心とした企業担当と、キャリアアドバイザーを兼務している。30代~40代のミドル・ハイクラス層の転職サポートが得意。
 

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