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【転職最新動向:Webマーケティング職】事業会社への転職は「何をやりたいか」目的をきちんと定めてから。固執せず、幅広い選択肢を検討しよう

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日常的にスマホが使われるようになった今、Webマーケティングの重要性がより一層増しています。WebマーケターはもはやWeb業界・Web系企業に限らず、全ての業界で必要とされる存在に。そこで、パソナでWeb系職種の転職支援を担当しているキャリアアドバイザー森本 文也にインタビューを行い、同ポジションの転職動向や、特にニーズの高いスキルについて聞きました。

評価されているWebマーケターは大きく2つに分けられる

-今回は、Web業界の中でもWebマーケティング系の職種について伺いたいと思います。現在、この職種を取り巻く転職市場はどのような状況でしょうか?

森本:今やWeb業界だけでなく、あらゆる会社がWebマーケティングの経験者を求めています。ニーズが高まっている背景として、各社のデータ整備が進んでいることがあります。大手メーカーなどでは、2~3年前にデータ戦略の一環としてデータ集計を行える環境整備が行われていました。環境整備がある程度進んだ今、各社はマーケターを自社で抱える必要が生じています。また、競合他社がWebマーケティングに取り組み始めたことから、「うちの会社もやらなければ」と危機感を抱いて求人を出しているというケースもあります。

Webマーケティングの業務領域はかなり広く、一言にWeb マーケターと言っても、担当業務の範囲や職種名の定義は、業界や企業によってさまざま。求められるスキルレベルも異なっています。Web業界の中でも、もともとWebマーケティングやデータマーケティングに強かった企業が転職者に求めるスキルレベルは年々上がっており、逆に金融業界など、これからWebマーケティングに取り組もうとしている企業は職歴が浅い人、未経験に近い人でも、ポテンシャルや意欲を見込んで採用していますね。

-Web マーケターとして需要が高い人材とは、具体的にどのようなことができる人のことを指すのでしょうか?

森本:評価されるWebマーケターは大きく2つに分けられます。一つは、『分析ができる人』。Googleアナリティクスなど分析ツールの数字を見て、UI・UXを意識しながらWebページの成果物に落とし込み、それによってコンバージョン(成果)を上げられる人です。もう一つは、『ブランディングができる人』。ブランディングができる人材は、メーカーや事業会社からのニーズが非常に高く、一定の顧客を掴めてはいるものの、他社からのリプレイスを取らなければ生き残っていけない企業や、リブランディングを必要としている企業からの需要が特に高い状況です。

もちろん企業が持つ課題によりけりですが、総じて大手広告代理店やデジタルエージェンシーで企画や戦略を練った経験がある方、つまり上流工程を担当している方の市場価値は高いですね。一方で、広告運用など下流のフェーズについては、事業会社では自社で人員を抱えることは少なく、大手企業ほど外注している印象です。

-つまり、ニーズが高いのは上流工程の経験者ということですね?

森本:はい。中長期計画の達成に向けた戦略立案ができる方、これまで手がけたブランディング戦略についてしっかり語れる方に関しては、年収900~1000万円台など、かなり高い年収でも内定が出ています。どちらかと言うと、マーケティングの質や実務経験(どのような仕事をしてきたか)が重視されていて、業界経験や担当商材はそこまで問われない傾向にあります。

-求められている年齢層についてはいかがでしょうか?

森本:20代後半〜30代半ばの経験者が一番人気ですが、最近だと上流フェーズを任せるのであれば「40〜50代でも可」という案件も出てきています。年齢に関しては、だいぶ寛容になっていますね。新卒1~2年目の若手に関しても、マーケティングに少しでも関連する業務を行っていたり、意欲をアピールできたりすれば、Webマーケターとして転職しやすい状況です。今は年齢問わず、チャンスが大きいですね。

「なんとなく」代理店から事業会社を希望する人の落とし穴

-ちなみに、Webマーケターとして転職を希望される方の動向はいかがでしょうか?

森本:好景気だからこそ転職しようと動いている方は多いですね。転職して年収アップした先輩を見て、自分も……と考える方が増えている印象です。確かに最近はある程度の年収を出さなければWebマーケターを採用できなくなってきている背景もあり、業種全体の年収水準は上がっていると思います。ただ、肝心の「転職して何を実現したいのか」という軸が明確でないまま転職活動をしている人も見受けられます。マーケティングの仕事は会社や商材への愛着が重要ですから、なんとなくの気持ちで転職するのはギャンブルのようなものです。

また、Webマーケティング職の方が在籍している企業は、大きく事業会社と代理店に分かれますが、代理店から事業会社への転職を希望される方は非常に多いです。しかし、「事業会社でどんな仕事がしたいのか」を具体的に話せない人には、その転職はあまりお勧めできませんね。「スキルアップ」を理由にする方もいますが、事業会社でそれが実現できるのかは、よく考えてもらいたいと思っています。

-なぜでしょうか?

森本:代理店と事業会社の仕事の仕方の違いによるものですね。 

代理店はコンサルタントのような立ち位置で、さまざまな手法のマーケティングを行うことができます。担当する案件ごとに扱う商材や担当領域、マーケティング戦略が変わりますから、仕事の幅も広く、スキルアップのチャンスも多分にあります。

例えば、代理店でマーケティングプロデューサーとして働いている方は、担当している案件全てを細かく把握する必要があります。つまり、全体を見ることができるんですよね。代理店でプロデューサーとしてフロントに立ち、3〜5年間一つの案件のブランディングを担当して成果を出す……こういった仕事をする人は、事業会社のマーケティング部長と同じような立ち位置になります。事業会社は分業してそれぞれの案件を担当するケースが多く、担当領域が狭まってしまうことも多いです。

また、代理店から事業会社へ転職した方の中には、仕事の進め方の違いや文化の違いに馴染めず、すぐに退職してしまう方もいます。スピーディーに仕事を進めていた代理店時代と比べ、一つの案件を進めるのに時間がかかったり、合意形成を取るまでにさまざまな人との折衝が必要だったりと、思い描いていた仕事のイメージとギャップを感じてしまう人が多い印象です。最近はマーケターでもフリーランスになるなど、独立志向の方も増えていますが、事業会社に行くとクライアント企業との関係性は作りづらくなってしまうので、将来的にフリーランスになりにくい可能性があるということも、念頭に置いていただきたいですね。

-そもそも、どういう理由で代理店から事業会社に行きたいと希望する方が多いのでしょうか?

森本:漠然とした憧れや「代理店を経験したから次は事業会社」といったような一般論で希望している方が多い印象です。「何がやりたいかわからないけど、とりあえず事業会社だと思いました」と、面談の際におっしゃる方は思いの外います。

何をしたいかが定まらないまま事業会社に転職し、「やっぱり違った」と間を置かずに再度転職活動をされる方も少なくありません。売り手市場であり、転職回数がそこまで重視されなくなってきているとはいえ、履歴書に記載する企業数が一つ増えること、かつ勤続年数が少ない企業があることはマイナス要素となりかねませんので、慎重に考えることをおすすめしています。代理店は激務とのイメージが大きい方もいると思いますが、今はだいぶ環境も変わってきています。積極的に採用活動を行っている代理店も数多くありますから、自分は本当に事業会社に向いているのか検討しながら、代理店と事業会社の両方を受けてみるのも良い転職の進め方と言えるでしょう。

Webマーケティング職で転職を希望される方の中には、「一般消費者向けの商材を扱いたい」など、身近なものを扱えるようになりたいと言う方もたくさんいます。ですが、化粧品会社でプロダクトマーケティングがしたいのか、企業ブランディングに携わりたいのかで、目指す方向性は大きく異なりますよね。細かく「何がしたいのか?」を考えた時に、はっきりとした方向性がイメージできないのであれば、化粧品業界の案件を数多く手掛けている代理店に一度転職をするというのも一つの方法です。実際に希望業界のマーケティングに携わることで、自分の得意分野や極めたい方向性が見えてくるでしょうし、その経験をもって化粧品会社へ転職するという道も比較的選びやすくなります。複数社の化粧品案件を担当できれば、業界全体をフラットに見ることができますし、幅広い領域や案件を経験できる代理店のメリットを生かしていただきたいですね。

200〜300社の企業の求人を担当してきたからこそ、提供できる情報がある

-売り手市場で転職しやすいとはいえ、「なぜ転職するのか」「転職して何をしたいのか」をきちんと考えることが必要なんですね。

森本:その通りです。これまでにたくさんの方と面談をしてきましたが、「この会社でこの商材のこういう点を改善したマーケティングをやりたい」と、面談時に明言できる方はほとんどいません。そもそも業界研究をほぼせずに、業界ごとのマーケティング特性を理解しないまま選考に進んで、書類選考や一次面接で落ちてしまっているケースも多々あります。マーケターの面接では、例えば「貴社ページのこの点を改善すれば、〇〇という理由でコンバージョンが上がると思います」など、具体的な改善策の提案などができるかどうかも見られているのですが、企業のホームページすら見ずに面接に行ってしまう方も残念ながら少なくないのです。

今の会社で行っている業務の進め方を踏襲して、次の会社でも活躍できる自信のある方も多い印象ですが、業界によってマーケティングの規模感・手法は全く異なります。面接の場で、「月間予算1000万円の広告運用をやっていました」とアピールしても、面接先が予算規模の大きい企業ですと、「あまり大きな仕事をしていなかった人なんだな」と思われてしまう恐れもあるわけです。

-Webマーケターの方と面談をする際、どのようなことを心がけていますか?

森本:スキルセット以上に、「何がしたいのか」を重視してヒアリングをしています。スキルを中心に確認してしまうと、「あなたの能力だとこの会社」という答えになってしまいがちですから、ご本人が将来的にやりたいことを聞き、そこに対して身に付けるべきスキルや経験など、プラスアルファが得られる会社をご紹介するよう心掛けています。

また、できるだけ幅広い業界の情報をお話するようにもしています。本人が気になっている業界はもちろん、なんとなく「お堅そう」「難しそう」といったイメージで避けられがちな業界の面白さについてもお伝えしていますね。第三者として、ポジティブな情報もネガティブな情報も全てお伝えしますというのは最初にお話しています。複数の転職エージェントを並行して利用する方が多いと思いますが、どのエージェント・キャリアアドバイザーをメインで頼ろうかと考えた時に重視されるのは、「情報量」だと思うんですよ。なので、「情報提供者」として、転職者の方にメリットを感じてもらえるように意識しています。

私はこれまでに200〜300社ほどの企業を担当してきました。ここ数年は大手企業を中心に、各業界でマーケティングのトップを走るような企業を担当しています。トップランナー各社が新たな舵切りをしたタイミングでいち早く情報をキャッチできるため、転職者にも多くの情報をご提供できると自負しています。「何かあれば森本に聞こう」と思っていただけるようになりたいですね。実際に「他のエージェント経由でこういう企業を受けているんですけどどう思いますか?」といった質問にお答えすることもありますよ。

-最後に改めて、Webマーケターの方がより良いキャリアを築いていくために意識すべきことを教えてください。

森本:自身のキャリアに自信があるゆえに視野が狭くなり、気づかぬうちに自らの道を狭めてしまっている人が少なくありません。自分の思い込みで動くことで機会損失を招いてしまうのは、あまりにももったいないです。自分のスキルや経験と、業界の動向全てを客観的に見るのは難しいですから、一度私たちに相談していただけると大変嬉しいなと思っています。転職相談はもちろん無料ですし、何社か登録すれば1人ぐらい相性の良いアドバイザーが見つかるはず。絶対にエージェントを使わないと転職できない、ということはありませんが、第三者の意見を聞き、広い視野を持つことができるのは、転職エージェントを活用する大きなメリットです。自分を見つめ直す一つのきっかけにはなると思いますよ。


(取材・文/天野夏海)

〈話し手 プロフィール〉

キャリアアドバイザー 森本 文也

入社から現在まで、WEB・IT領域の企業担当で得た知識や経験を活かし、WEB専門職・エンジニア・営業・管理部門など、業界内の幅広い職種の方をサポートしている。

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