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経理とは?会計・財務との違いや向いている人に共通する7つの特徴

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「経理の仕事に興味があるけど、どんな仕事内容なのかいまいちわからない」「経理の仕事は、会計や財務とどう違うの?」「経理職に転職を考えているけど、自分に向いているか不安」という方もいるでしょう。「経理」についてなんとなくは理解していても、実際に経理の業務を経験していないとイメージし辛いものです。
経理は経営管理の略称で、会社のお金の動きを正確に把握し、社長の経営判断を左右する重要なポジションです。会社の経営や事業が正しい方向へと舵をとれるようにサポートする、いわば航海士のようなものだといえるでしょう。

そこで今回は、経理の仕事内容、会計や財務との違い、経理の仕事のスケジュール、経理に向いている人の特徴などについてご紹介します。経理に興味がある方は、ぜひご一読ください。
パソナでは無料の転職サポートを行っていますので、経理のキャリアをご検討されている方は、お気軽にご相談ください。

 

経理とは 会社のお金の流れを管理する仕事

経理の仕事を簡単に説明するなら「会社の活動(お金の流れ)を数値化・管理し、経営者に情報を提供すること」です。

会社経営において、「どのくらい利益が出ているのか」「どのくらい資産があるのか」といったお金の動きを把握しておくことはとても重要です。なぜならば、経営資源であるお金の状況によって、経営や事業の方向性を考えるからです。経理は、お金の動きを正確に記録し、経営者に情報を提供するために、仕入れや販売、営業などの情報を「取引」とし、「簿記」という手段で記録します。ときには、経営者から数値化した情報をもとに経営の改善点などを求められることもあります。

経理は単調な事務仕事の繰り返しと思われがちですが、経営判断を左右する重要な役割を担う仕事だといえるでしょう。「日々の売上や仕入れの管理」「給与や保険、税金の計算」「預金の管理」といった業務は、専門的な知識も必要となります。決して簡単な仕事ではなく、会社における存在意義ややりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

経理・会計・財務の違いについて

経理は会社のお金を管理する役割を担っているのと同様に、会計や財務もお金に関する仕事を行うことから、これら3つを「同じ(似たような)仕事」と思う方もいるかもしれません。しかし、経理・会計・財務の仕事には違いがあります。会計は、会社のお金の全体の流れを把握する概念的なもので、会計の一部に経理業務は含まれます。財務は、経理が数値化した資料をもとに資金調達や資産運用など未来のお金の管理を行うのです。

それでは、会計と財務の仕事について詳しくご紹介します。

会計の仕事の一部に経理がある

会計は「お金や物の取引、それらの出入りを記録すること」が主な仕事内容です。お店での会計(支払い)ではなく、家計簿をつける「お金の管理」を想像するとわかりやすいでしょう。
会社のお金の流れをすべて把握する必要があるため、売上や経費(出ていくお金)を帳簿に記録し、さらに日常的な出納管理も行わなくてはなりません。

会社における会計の仕事は、「財務会計」と「管理会計」の2種類に分かれています。
前者は「企業活動の結果を財務諸表(※1)にまとめ、ステークホルダー(※2)に情報を提供すること」を目的としています。一方、後者は「現在の経営状況を把握し、経営者や社内の意思決定者に情報を提示すること」を目的としています。つまり「会計」は、ステークホルダーとの信頼関係を強化したり、今後の経営方針を決定したりする企業成長に欠かせない大切な仕事なのです。

会計の仕事の中でも、帳簿への記録や資料作成といった日々の細かい業務を経理といいます。経理は会計の仕事の一部に含まれるため、小規模の会社なら会計と経理の仕事を兼任することもあるでしょう。しかし、会社の規模が大きくなればなるほど会計の仕事量は増えます。また会計の仕事には専門知識に基づいたルールがあり、ときには税務の知識も必要となるため、会計と経理を切り分けて経理専門の部署を設けるケースも少なくないでしょう。

※1:企業の経営状態を記す書類。一般的に「賃借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書」の3つの書類(財務三表)から構成されており、企業の財務・経営成績・資金状況が分析できる。

※2:企業や組織が活動することで影響を受ける利害関係者。株主や経営者、従業員、顧客、取引先などがあげられる。利益・損益に関係なく、なんらかの影響を受けていればステークホルダーとなる。

財務の仕事は“未来のお金の管理”

経理と会計が「これまでに使用したお金(過去のお金)」を管理するのに対して、財務は「これから使うお金(未来のお金)」を管理するのが仕事です。

財務の主な業務は「資金調達」と「資産運用」です。経理が作成した書類(賃借対照表・損益計算書などの決算書)や今後の事業計画などを基盤に、財務が資金調達や資産運用についての企画を立てます。具体的には、銀行との融資交渉、株式発行によって資金を調達し、投資、M&Aによって資金を運用しています。

財務の業務は専門的な知識や銀行との交渉術を必要するため、専門部署を設ける企業も少なくありません。ただ、中小企業やベンチャー企業では経理が財務を兼任することも珍しくなく、そのような環境では、経理の重要性は高く、身に付くスキルも幅広いといえるでしょう。

経理・財務・会計に関してより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。各業務の重要性について知ることで、現在の自分の仕事のバリューを発揮できるようになるでしょう。

経理の主な仕事内容

経理の仕事は、「お金の管理」「財務状況のまとめ」「資産をお金に換算する業務」「給与や社会保険料の計算」「税金の計算・納税」の5つに大別できます。

お金の管理 仕入管理、買掛金の管理、売上管理、売掛金の管理、請求書の発行、領収書の発行、現金の管理、預金の管理、小切手の管理、手形の管理、経費の仕訳・精算 など
財務状況のまとめ 月次決算、年次決算 など
資産をお金に換算する業務 減価償却 など
給与や社会保険料の計算 年末調整、社会保険料の計算・納付 など
税金の計算・納付 源泉所得税の計算・納付、法人税の計算・納付、法人住民税の計算・納付、消費税の計算・納付 など
お金の管理 仕入管理、買掛金の管理、売上管理、売掛金の管理、請求書の発行、領収書の発行、現金の管理、預金の管理、小切手の管理、手形の管理、経費の仕訳・精算 など
財務状況のまとめ 月次決算、年次決算 など
資産をお金に換算する業務 減価償却 など
給与や社会保険料の計算 年末調整、社会保険料の計算・納付 など
税金の計算・納付 源泉所得税の計算・納付、法人税の計算・納付、法人住民税の計算・納付、消費税の計算・納付 など

1人の経理担当者が受け持つ仕事は、会社の規模によって異なります。大きな会社だと経理専門の部署が置かれることが多く、たくさんの経理担当者がいます。一人ひとりが特定の業務を受け持つことも多いため、専門職のような仕事の仕方になるケースが多いでしょう。また、上場企業であれば開示業務の経験を積むことができ、グループ展開をしていて関連会社があれば連結決算業務にも携わることができます。

一方、中小企業では経理専門の部署がないことも珍しくありません。総務部の機能に経理が加わっていたり、総務・人事・経理を一人が兼任したりすることもあるので、管理部門の幅広い経験を積むことができます。従業員数が30人以下の小規模な会社では、1人の経理担当者がお金の管理や経費処理、給与計算、決算書の作成などを行い、場合によっては経営者からアドバイスを求められることもあります。経理としての幅広い知識が必要になるのはもちろん、柔軟な発想力と対応力も欠かせないスキルになってくるでしょう。

さらに、会社の規模だけではなく、業種によっても経理の仕事内容に違いがあります。
例えば、小売業は簿記で習う「物を仕入れて売る」という流れに最も近く、在庫管理や支払管理、買掛金管理がポイントになります。毎日欠かさず、販売店舗と消費者が関わり売買が発生するため、経理業務が煩雑になりがちです。一方、製造業ではモノを製造するためのコスト管理が重要なため、原価が重要といえるでしょう。工場での経理業務もあるので、都心部から離れた勤務や転勤の可能性があります。不動産ディベロッパー業は扱う商材の価格が高いため、在庫の計上の際には最新の注意が必要です。プロジェクトが長期化しやすいため、会計年度をまたいで原価計算処理が行われるのが一般的でしょう。

経理のスケジュールとは

経理の業務は、「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つのサイクルに大別できます。以下、サイクル別で行う業務スケジュールについてご紹介します。

日次業務

日次業務では、日々の会社の取引をすべて数値化し、記録を残します。例えば、小口現金の精算(備品の購入・出張旅費の精算 など)、伝票・帳簿の入力などがあげられます。

経理の日次業務 現金出納管理、経費精算、伝票記帳・整理、売掛金や買掛金の管理 など
経理の日次業務 現金出納管理、経費精算、伝票記帳・整理、売掛金や買掛金の管理 など

月次業務

月次業務では、1カ月の会社のお金の動きをまとめて仕訳入力にミスがないかを確認します。会社の予算計画と現状の実績を見比べながら、売上が計画とずれていないか、無駄な経費がないかなどをチェックします。
ほかにも、従業員の給与・社会保険料の計算、月次決算書作成、予算実績管理、売上代金の請求・支払い、税金の納付などを行うのも毎月の仕事です。

経理の月次業務
前半(1〜15日) 在庫の確認、実地棚卸
売上代金の請求・仕訳
取引先の入金確認
月次決算書の作成
予算実績の管理
住民税・源泉所得税の納付(毎月10日までが期日)
後半(16〜31日) 給与の計算・振込 社会保険料の計算
取引先への支払い・請求書の発行
月次決算書の作成
社会保険料の納付、伝票類の取りまとめ
経理の月次業務
前半(1〜15日) 在庫の確認、実地棚卸
売上代金の請求・仕訳
取引先の入金確認
月次決算書の作成
予算実績の管理
住民税・源泉所得税の納付(毎月10日までが期日)
後半(16〜31日) 給与の計算・振込 社会保険料の計算
取引先への支払い・請求書の発行
月次決算書の作成
社会保険料の納付、伝票類の取りまとめ

年次業務

年次業務の内容はさまざまですが、とくに年間の決算の取りまとめや決算書(賃借対照表・損益決算書など)の作成は重要な業務です。会社のその年の利益や、現在の財務状況を把握するために欠かせないものなので、まさに経理の集大成ともいえる仕事でしょう。
このほか、減価償却費の計算、商品の棚卸し、税務申告、株主総会のための報告書作成など、たくさんの業務があります。なお、決算月の前後3カ月が繁忙期にあたるので3月決算の会社の場合は、4月〜6月、1月〜3月、が繁忙期となります。

経理の年次業務
4月 決済整理 10月 -
5月 年次決算書の作成、税務申告 11月 中間税務申告
6月 株主総会の開催、賞与計算・振り込み
社会保険の算定基礎届提出
12月 賞与計算・振り込み、支払届提出
年末調整
7月 労働保険の更新 1月 賞給与支払報告書・法定調書の提出
償却資産税申告書の提出
8月 - 2月 -
9月 - 3月 年次決算(決算準備・棚卸)、実地棚卸
経理の年次業務
4月 決済整理
5月 年次決算書の作成、税務申告
6月 株主総会の開催、賞与計算・振り込み、社会保険の算定基礎届提出
7月 労働保険の更新
8月 -
9月 -
10月 -
11月 中間税務申告
12月 賞与計算・振り込み、支払届提出、年末調整
1月 賞給与支払報告書・法定調書の提出、償却資産税申告書の提出
2月 -
3月 年次決算(決算準備・棚卸)、実地棚卸

経理の仕事は大体のスケジュールが決まっているので、基礎をしっかり身につけ、その上でスムーズに業務に取り掛かれるようになれば無理なく働けます。また、スキマ時間を上手に利用すれば、働きながら経理に役立つ資格の取得を目指すことも可能です。

経理の仕事をスムーズに遂行するにはスケジュール管理が肝になってくるので、1日、1カ月、1年の動きを意識しつつ、スケジュールを立てるようにしましょう。

経理の残業時間や繁忙期に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。残業が多い企業の特徴もまとめているので、転職の際に注意して求人を選ぶとよいでしょう。

経理に向いている人の特徴とは

「経理の仕事に就きたいけど、自分に向いているかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。経理の仕事は向き不向きがはっきりと分かれるので、転職を考えている方は事前に知っておくと安心でしょう。

経理に向いている人の特徴は、以下の7つに分類できます。

勉強が好き、または勉強することに抵抗がない

経理の仕事は、専門的な知識を必要とします。会計基準が変わったり税法改正があったりと、常に変化していくため、一度勉強したら終わりではなく、最新の知識をキャッチアップし続ける必要があるでしょう。好奇心や向上心があり、前向きに勉強に取り組める方におすすめといえます。

コツコツ作業が好き

経理の仕事は業務量が多く、細かな作業も多いので、地道に真面目にコツコツと作業を進められる方が向いているといえるでしょう。経営判断を左右する経理の仕事は、正確さが求められる重要なものなので片手間ではできないものばかりです。コツコツ作業に専念でき、日々の細かな作業の達成感を喜びに感じられる方には天職といえるかもしれません。

数字に強い

経理の仕事は、会社のお金の動きを把握し、数値化したものをもとに改善点などをあげます。そのため、数値を見たときに違和感に気付けたり、瞬時に問題ないと判断できたりと、数字に対する感度が高い人が好ましいといえます。
「数字は得意じゃないけど、どうしても経理の仕事をしたい」という方は、数字に慣れるところから始めてみましょう。例えば、普段の業務でも説明をする時に積極的に数字を用いてみたり、ざっくりとした規模感や数値感を把握できるように意識したり、数字で考えるクセをつけることで苦手意識をなくすことができるかもしれません。

論理的思考力が高い

経理の決算業務で大切なのは、ルールに則って正しく会計処理をすることです。会計基準や会社法など関連するルールはたくさんありますし、前例のない取引が発生しても「会計基準ではこう考えるから、このように処理したほうがいい」というように適切な判断力も求められます。
もちろんすべてがスムーズに解決するわけではないため、会計士と議論しながら答えを見つけるケースもあるでしょう。適切な答えを導き出すためにも、ロジカルな思考は経理に必須です。

マルチタスク能力がある

経理の場合、さまざまな業務を並行して行うこともあるため、一度に複数の作業を要領よく進められたほうが効率的です。そのため、マルチタスク能力が備わった方は経理に向いているといえます。

コミュニケーション能力が高い

経理は黙々とデスクワークのみを行うイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、経理の仕事には、高いコミュニケーション能力がある方が向いているといえるでしょう。例えば、「複雑な会計の処理業務をわかりやすく説明する」「営業の部門から上がってきた数字を先回りしてまとめ、的確に伝える」「時間を無駄にしないため要点をまとめて質問する」など、むしろ相手のことを考えて気を配るシーンが意外と多いのです。
社外の人とのやりとりは少ないですが、その分社内にいる人とは連携が必要になるため、ある程度のコミュニケーション能力はあったほうが好ましいといえます。

長時間、社内で仕事するのが苦痛ではない

社外へ出る営業とは違い、経理はほぼ1日中社内で仕事を行います。基本はパソコンでの作業ですし、打ち合わせも社内で行われます。会計士、税理士など社外の方との相談も来社いただくか、電話で行うので、外に出る機会はほとんどありません。そのため、ずっと社内で仕事をしていられる方は、経理に向いている人といえるでしょう。

経理の年収・平均給与はいくら?

専門性がある経理は、一般事務と比較すると年収・平均給与は高い傾向にあるといわれています。一般的に経理の場合、年齢と担当業務範囲、マネジメントを担うポジションかどうかによって、年収が変わってきます。20代中盤、いわゆる日常業務や決算補助業務を行うスタッフクラスの場合には、年収300~450万円程度。30代から40代、リーダー・課長クラスで決算の取りまとめまで行うレベルでは、年収500~700万円程度。同年代で、上場企業での開示業務や連結決算など、より専門性の高い領域を担当する場合には、600~900万円程度。経理部長やCFOクラスとなると、1000万円を超える年収となる場合もあります。

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経理が受け持つ業務は会社の業態や組織体制によってさまざまですし、経験や年齢を積めば期待されるミッションも高くなっていくでしょう。期待に応えるのは簡単ではありませんが、自身のスキルアップやキャリアアップにつながる大事なチャンスです。経理や財務のことを勉強したり、簿記などの資格を取ったりと、納得できるまで自らを高めてみてはいかがでしょうか。その頑張りはきっと、やりがいや裁量、目に見える形でも返ってくるはずです。

経理はやりがいのある仕事

経理の仕事は会社のお金の「記録」「管理」、経営課題や事業課題に対する「提案」など多岐に渡るため、決して楽ではありません。取り扱う書類も会社経営において重要なものばかりですし、専門的な知識が必要になる場面も多々あるでしょう。しかし、企業成長に貢献できる素晴らしい仕事でもあるため、やりがいを感じられるはずです。企業の規模や業種によっては、経理部門の体制や担当業務が異なるので、スペシャリストを目指すか、ゼネラリストを目指すか、あなたのキャリアビジョンに合わせた企業選びが重要だといえるでしょう。それに伴い、裁量権や年収も変わってくるので、年齢に応じたキャリアパスを考えておくことも必要になるでしょう。
経理の仕事に興味があるなら、ぜひ積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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監修者プロフィール

キャリアアドバイザー 河野順哉

管理部門エグゼクティブチームに所属しております。業界は問わず、職種は管理部門全般を担当しております。管理部門の中でも特に経営企画・経理・財務・人事・法務は得意としております。