スマートフォン版はこちら

職務経歴書に書く実績がない場合の解決策!事務をはじめ職種別の例文も紹介

職務経歴書に書く実績がない場合の解決策!事務をはじめ職種別の例文も紹介

職務経歴書の職務経歴欄や自己PR欄は、具体的な実績を盛り込むことで説得力が高まります。しかし、「自分には実績がない」「実績を覚えていない」と職務経歴書を書く手が止まってしまう方も珍しくないでしょう。

今回は、自分の実績を見つけて職務経歴書に記入する方法について解説します。職種別に実績を書くコツと例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

職務経歴書の実績が書きにくい原因

「実績がない」と悩んでいる人は、職務経歴書に書ける実績があることに気づいていないだけかもしれません。悩みの主な原因と、対処方法を紹介します。

キャリアの棚卸が不十分

職務経歴書で実績としてアピールできる要素は、数字で表せる定量的なものだけなく、数値化が難しい定性的なものも含みます。

定性的な実績とは、自分や周囲の感覚で捉えたアピール要素です。たとえば、「担当していたクライアントとの長期間にわたる良好な関係が構築できた」「チーム内に目を配ってメンバーをサポートした」「将来の目標に向けてスキルを身につけ、事業成長につながる基盤づくりをした」といった内容もアピール材料になります。

定性的な要素も含めてアピールポイントを整理するためにまずは「何をしてきたのか」丁寧に棚卸しをしてみることをおすすめします。

実績を数字で表現しにくい

事務職をはじめバックオフィス系の職種は、営業職の売上などのように定量的に表せる目立った実績が基本的にありません。そのため、「自分には実績がない」と思い込んでしまいやすい傾向にあるようです。

実績として示せる数値は、売上のように会社の利益に直結するものだけではありません。たとえば事務職であれば部署人数や担当していた取引先の数、1日や1ヶ月あたりに処理した書類の件数など、数字で表すことは十分可能です。また、コストや残業削減のための取り組みやその成果なども、実績として挙げられます。

劇的な成果だけが実績だと思い込んでいる

実績を定量的に表しやすい職種であっても、数字が芳しくないため「自分には実績がない」または「覚えていない」と悩んでしまうケースもあります。業界全体が右肩下がりだったり、ニーズが見込めない商材を扱っていたりと、働く環境によってはなかなか数字を上げにくい場合もあるでしょう。

しかし、職務経歴書の実績は、劇的な成果だけを指すものではありません。日常的なルーティン業務の効率化や、期日通りに業務遂行しつづけた期間など、小さな貢献を積み重ねたこともアピール材料になります。

このように、実績は誰の目から見ても輝かしい成果だけを指すものではありません。自分が行ってきた工夫に自信をもって、冷静に職歴を振り返ることが大切です。

そもそも職務経歴書とは

応募先にアピールする実績を見つけるために、職務経歴書の概要についてあらためて振り返ってみましょう。

履歴書との違い

履歴書はプロフィールを簡潔に伝えるための書類で、どの企業に出す場合でも大部分は同じ内容となります。一方で、職務経歴書は応募先企業への適性をアピールするための書類です。企業が求める人材像は多様なため、職務経歴書も応募先に合わせて書きわける必要があります。

職務経歴書の基本構成

職務経歴書のフォーマットに決まりはありませんが、次の4つが必須項目として挙げられることが多くなっています。

  • ● 職務要約
  • ● 職務経歴(実績、実務経験など)
  • ● 保有資格・免許
  • ● 自己PR

このうち職務経歴の構成は、編年体式・逆編年体式・キャリア式のいずれかが採用されるのが一般的です。編年体式と逆編年体式は経歴を時系列に並べるフォーマットで、キャリア式はプロジェクトや職種で経歴を分類するフォーマットです。

職務経歴書に書く実績の見つけ方

職務経歴書でアピールする実績を探すための取り組みを3つ紹介します。「実績がない」と悩んでいる方は、実績を見つけるための切り口としてぜひ実践してみてください。

失敗したことや苦労した経験を振り返る

とくに大変だった経験や、失敗を乗り越えた経緯を振り返ってみてください。自分なりに行った工夫を書き出してみることで、業務への取り組み方を言語化できるうえ、職務経歴書で実績としてアピールできるでしょう。

人に教えられる業務は何か考える

後輩に指導した内容や、同僚から頼られたり上司に褒められたりした経験などを振り返ることで、自分が得意なことが見えてきます。自分では「誰にでもできる仕事だろう」と思っていても、じつは他の人より秀でた特技かもしれません。そうした業務のエピソードも、実績として記入可能です。

応募先で活かせる経験・スキルを見つける

募集要項や採用サイトなどを見て企業研究をしながら、実績を見つける方法もあります。応募先で働く自分の姿を想像しながら、どのような経験やスキルが活かせそうか考えてみてください。応募先に特化した実績が見つかれば、志望度の高さを伝えやすくなる効果もあります。

職務経歴書における実績の基本ルール

自分の実績がわかったら、職務経歴書でどう表現したらいいのでしょうか。職務経歴書に実績を書く際のポイントを紹介します。

応募先で活かせる実績を優先する

キャリアを棚卸して実績がいくつか挙げられたら、とくに応募先との相性のいいものを優先して記載してください。また、複数の応募先で同じ実績を取り上げる場合であっても、それぞれの企業にあった観点でまとめることで、より効果的にアピールできます。

客観的にわかりやすく表現する

採用担当者が応募する部署や職種の人だとはかぎりません。専門性の高い業務内容であっても、他職種の人にも伝わるような表現を心掛けましょう。

クライアントの企業名は出さない

クライアントの企業名を挙げてしまうと、秘密保持契約に違反してしまうリスクがあります。そのため、「大手金融機関」といったように、名前を伏せつつ規模感が伝わるような表現を代用するのが無難です。もちろん実際には取引のない企業を実績として記載するといった、嘘を書くのもNG行為です。

 

【職種別】職務経歴書の実績を書くポイントと自己PRの例文

職種にわけて、職務経歴書の書き方を紹介します。実績が思いつかない場合のヒントや例文を紹介していますので、職務経歴書を書くための参考にしてください。

事務職

事務職は、ルーティン業務が多い仕事です。だからこそ、時間内に業務を終わらせるための取り組みや、正確に業務を遂行するための工夫などが実績として挙げられます。そうした取り組みを実績として記載することで、効果的にアピールできるでしょう。

<事務職の自己PR例文>
私は一般事務として、業務効率化と正確な業務遂行に注力してきました。業務が多岐にわたる中で、時間内にすべての業務を終わらせるため、タスク管理を徹底し、優先順位を見極めて効率よく進める工夫を行っています。とくに、定型業務のフローを見直し、手順の簡素化やツールの活用によって、業務のスピードと精度の向上に成功しました。また、正確性を保つために、定期的なチェックリストの見直しやダブルチェック体制を導入し、ミスを最小限に抑える取り組みも行っています。これらの経験を活かし、貴社でも業務の効率化と品質向上に貢献していきたいと考えております。

営業職

営業と一口にいっても商材や営業手法、法人向けか個人向けかなどによって、求められるスキルは変わってきます。スキルを伝えるためにも、これまでの仕事内容は要点を抑えてしっかり書くようにしてください。もし営業成績が芳しくない場合であっても、取引先への提案での取り組みや、コミュニケーションでの工夫などのエピソードを書くことで実績として伝えられるでしょう。

<営業職の自己PR例文>
私はこれまでのキャリアで、生命保険、不動産と、異なる商材を取り扱いながら個人向け営業の経験を積んできました。生命保険や不動産の個人向け営業では、顧客の人生設計やライフスタイルに深く寄り添い、最適な提案を行うことで、信頼を築きました。商材や営業手法は異なるものの、顧客1人ひとりに合わせた柔軟な提案を行う力が私の強みです。これまでの経験を活かし、貴社でも顧客との信頼関係を築き、成果を上げることを目指します。

販売職

販売職の実績は、売上アップ率などの定量的な数字を挙げるのが理想的です。しかし成績が振るわない場合にも、担当した商品を売るための取り組みや、店舗のマネジメント、パートスタッフとのコミュニケーションにおける工夫などを実績として記載できます。

<販売職の自己PR例文>
アパレルの販売スタッフとして、店舗の売上向上に貢献するため、担当商品の売り場作りやスタッフとの連携に注力してきました。売上が伸び悩む商品については、ディスプレイやPOPを工夫し、商品が目立つように配置変更を行うことで、購買意欲を喚起できるよう工夫しています。また、パートスタッフと密にコミュニケーションを取り、接客スキルや商品知識の向上を図るための研修を企画・実施しました。これにより、スタッフ全体の接客力が向上し、顧客満足度が高まる結果につながっています。数字での成果だけでなく、店舗運営やチームワークを大切にしながら、結果を出すための取り組みを続けてきたことが私の強みです。貴社でも、これらの経験を活かし、さらなる店舗の成長に貢献したいと考えております。

ITエンジニア

上流工程やマネジメントに携わった経験があれば、定量的な実績を出しやすいでしょう。しかし、開発やテスト、保守運用などの下流工程の経験は数字で示しにくいのが課題です。一方でIT業界は実力重視の業界なので、経験した言語や開発環境、保有資格などを示すことで実績としてアピールできます。また、スキル習得のために努力する姿勢もアピールするといいでしょう。

<ITエンジニアの自己PR例文>
私はプログラマとして、開発やテスト、保守運用といった下流工程を中心に経験を積んできました。主にJavaやPythonを用いたシステム開発に従事し、安定した運用とバグの修正に努めています。とくに、複雑なデータ処理を伴うプロジェクトでは、効率的なコードを書き、パフォーマンスを向上させることでシステム全体の信頼性を高めました。また、最新技術を積極的に学び、AWS認定資格を取得するなど、スキル向上にも取り組んでいます。このように学びつづける姿勢を持ちつづけ、実務に反映させてきたことが私の強みです。貴社でも、これまで培った技術力と学習意欲を活かし、高品質なシステムの提供に貢献したいと考えております。

技術職(製造業)

製造業の職務経歴書では、どの工程に携わったか、担当した製品が長期間トラブルなく運用されたかなどを実績としてアピールできます。さらに、開発環境や期間、チームメンバーの数や構成(外部との連携)などを具体的に記すことで、客観的に伝わりやすくなる効果もあります。

<技術職の自己PR例文>
私は家電メーカーで生産技術職として、製品開発から量産立ち上げに至るまで、幅広い工程に携わってきました。とくに、担当した冷蔵庫の新モデルでは、3人の社内エンジニアと外部パートナー企業との連携を通じて、1年間で開発を完了しました。この製品は市場投入後、2年間トラブルなく安定稼働しており、顧客からの高い評価を得ています。開発環境としては、3D CADを用いた設計や、シミュレーションによる性能評価を行い、製品の信頼性を確保しました。チームワークと外部との効果的な連携を活かし、プロジェクトを成功に導いた経験が私の強みです。貴社でも、技術力と経験を活かし、次世代製品の開発に貢献したいと考えております。

公務員

公務員から民間企業に転職する場合、応募先で応用できる実績を判断しづらいかもしれません。しかし、窓口業務に必要なコミュニケーション能力や資料作成スキル、プレゼンスキルなど、アピールできる要素は数多くあります。そうしたスキルが伝わるエピソードを実績として挙げることで、効果的にアピールできるでしょう。

<公務員の自己PR例文>
私は地方自治体の職員として、住民対応や各種申請手続きの窓口業務を担当し、丁寧かつ迅速な対応を心掛けてきました。とくに、複雑な手続きをわかりやすく説明し、住民からの信頼を得てきたことが大きな実績です。また、政策提案に必要な資料作成や、部内でのプレゼンテーションを通じて、データを効果的に活用し、わかりやすく伝えるスキルを培いました。これらの経験により、コミュニケーション能力や資料作成スキルを磨き、組織内での調整力も養いました。貴社でも、これまでの経験を活かし、円滑な業務運営やチームの成果向上に貢献したいと考えております。

【Q&A】職務経歴書の実績に関するよくある質問

職務経歴書の実績についての疑問にお答えします。

職務経歴書の実績は盛って書いてもいい?

職務経歴書に嘘を書くのは、どのような理由であってもNGです。もし採用されたとしても、業務内容があわないリスクもあります。あくまで客観的な事実に基づいて記載し、応募先に合わせて表現方法を調整することでアピールしましょう。

実績として書ける数字を覚えていない場合は?

実績を覚えていないからといって、確証なくおおまかな数字を書くのもNG行為です。今回紹介した定性的に実績をアピールする方法を取り入れて、職務経歴書をまとめてみてください。

休職期間や経歴にブランクがある場合は?

経歴にブランクがある場合の職務経歴書の書き方は、ブランクの理由によって変わってきます。病気や育児、介護などのやむをえない事情がある場合は、退職理由(もしくは転職理由)の項目を設けて記載したうえで、現在は問題なく働けることをアピールしてください。留学やその他の理由によってブランクがある場合は、自身の成長のためにどのような活動をしていたのかをアピールすると効果的です。

まとめ

今回は「実績がない」と悩む人に向けて、職務経歴書の書き方を紹介しました。職務経歴書に書く実績は、売上やノルマ達成度にように数字で表せるものだけではありません。失敗を乗り越えたり、ミスを抑えたりするための工夫を具体的なエピソードとともに伝えることで、採用担当者に実績としてアピールできます。実績を通して仕事への取り組み方をアピールすることで、企業が求める人物像への適性を伝えていきましょう。

パソナキャリアでは、職務経歴書をはじめとする応募書類の添削を実施しています。くわえて、キャリアの棚卸や、適性にあった求人の紹介なども行いますので、1人での転職活動よりもスムーズに進む可能性があります。転職活動で悩んだら、ぜひお気軽にパソナキャリアにご相談ください。

登録3分!無料転職サポート

転職成功に向けた親身なキャリアカウンセリングと最適な求人情報を無料で提供。専任のプロがあなたの転職をサポートします。

この記事の監修者
監修者写真
斉藤史郎マーケティング統括部

主に、IT/Web業界担当として法人営業、キャリアコンサルタントの経験を経て、現在は法人マーケティングに従事。

おすすめ記事

年収800万円以上、年収アップ率61.7%

ハイキャリアの転職に特化したコンサルタントが、最適なポストを提案します 

仕事のやりがいは何ですか?
今の仕事で満足な点と変えたい点はありますか?
あなたにとってのワークライフバランスとは?
パソナキャリアはあなたのキャリアを相談できるパートナーです。キャリアカウンセリングを通じてご経験・ご希望に応じた最適な求人情報をご案内します。