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【転職最新動向:保険業界】業界内転職のポイントは大胆に動くこと。キャリアプランを見据えた情報収集が大きなカギに

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金融業界のなかでも、特に熱い注目を集めている生命保険・損害保険業界の転職市場。圧倒的に同業他社からの転職が多い業界ですが、これまでの経験を活かして活躍するためには、何が必要とされるのでしょうか。パソナキャリア生保・損保チームのリクルーティングアドバイザー兼キャリアアドバイザーとして、企業側、求職者側の両方に寄り添う石井皓大に、最新の転職動向や転職事例について聞きました。

生保・損保ともに、業界内転職の動きが活発化

-現在は、どのような仕事に関わっていますか。

石井:生保・損保業界全般の人材紹介事業に携わっています。ユニットリーダーとして、保険業界のミドル層からハイクラス層(30代~40代の年収600万以上)の転職サポートを専門に担当。生命保険では、アクチュアリーやオペレーション、ホールセラー/キーアカウント、営業企画、コンプライアンスなどのご経験者、損害保険では、アンダーライター、クレーム、企業保険分野などのご経験をお持ちの方を中心に担当しています。

-生保・損保業界の転職市場の最新動向を教えてください。

石井:もともと業界内での転職が主流で、その傾向は現在も変わりありません。専門性の高い業界のため、即戦力が求められる転職市場では、経験者が優遇されています。会社の立場や扱っている商品は変わっても、根本的な業務内容は同じことも理由のひとつです。

-生命保険会社の採用には、どんな動向がありますか。

石井:外資企業も内資企業も、採用にとても積極的です。細かく見ていくと、生保は昔ながらの訪問型営業に加え、保険ショップなどの店舗も増やし、販売チャネルが多角化しています。そのため、営業推進や企画を強化したいと考える企業が増えているのです。また、それに伴う社内のオペレーション改革も必要不可欠。さらにコンプライアンスの強化など、守りを固めるための人材も必要とされています。

-では、損害保険会社はどうでしょう。

石井:生保以上に動きが活発です。たとえば自動車保険。自動運転化を見据えた新商品の開発や、自動車保険以外の収益確保に向けた他分野の商品開発の動きがみられます。さらにメーカーなどでは、海外も含めた生産体制を取っていることも多く「海外の工場が火事になった際のリスク」など、法人が加入する保険のニーズも高く、個人法人向け両方での採用が行われています。

また、サイバー攻撃など、時代とともに新たな経営リスクが発生するので、損保業界はますます成長していくと思います。さらにヘルスケアや医療、介護業界など、損保との親和性の高い業界への進出によって、新たな収益を得ようという動きも顕著です。そのため、即戦力を求める声が多いのでしょう。

-いま、求められている人材とは?

石井:若手を一から育てるのは厳しく、一方で部長クラスの案件は限定的。ボリュームゾーンは30代から40代ですね。これまでのスキルや経験を活かして活躍する即戦力が求められています。また高い実績を出してきた事実よりも、「いかに再現性の高い働き方をしてきたか」が重視されています。例えば「頑張って結果を出した」と一言で伝えるのではなく、「しっかりと戦略を立て、それに沿って実行したらうまくいった」といったストーリー性をもって伝えることで、新しい環境においても成功できるかどうかを見られるポイントになります。

また、各社で業務改革が進んでいますから、社内全体を横断してのプロジェクトに関わった経験がある方も有利。他部署と折衝しながら取りまとめ、実現していく力は高く評価されています。スキルや経験に加えて、仕事へのスタンスや関わり方が大切だといえるでしょう。

働き方やキャリアプランによって内資企業・外資系に分かれる

-では、求職者側の動向を教えてください。

石井:転職の動機としては、「さまざまなチャレンジがしたい」という方が多いです。例えば、「現職では特定のチャネル、商材しかないので、もっと幅広いチャネルや商材を扱ってみたい」「職種を変えたいが、現職ではなかなか難しい」などですね。営業スキルを活かして営業企画やコンプライアンス関連に挑戦したい、といった事例も多いです。

-内資系から外資系会社への転職理由は、どんなことが多いのでしょうか。

石井:一番大きいのは、働き方ですね。転勤がなかったり、社内転職のようなことができたり、いろいろと自由度が高い。30代40代は子育て世代なので、ワーク・ライフ・バランスを考慮する方も多いです。また、制度が整っていない会社も多いので、社内整備に携われるのも魅力のひとつでしょう。

-では、外資系から内資系企業へ転職する方の理由はなんでしょう。

石井:日本では、約9割もの人が保険を利用しているという、世界でも珍しい保険大国です。国内の保険会社は、その歴史と一緒に歩んできたので、基盤がしっかりしているし規模も大きい。そのため、プラスαの事業を担える可能性に惹かれて転職される方が多いのです。また、働くうえでの企業の安定性も魅力のポイントになります。

-実際の成功事例について教えてください。

石井:大きな保険会社の部長職の方が、新しくできたばかりの会社へ転職し、会社の成長を推進するために活躍されています。大手企業ですと、なかなか自由に動ける機会が少ないようで、新たなチャレンジを求めて転職されました。また、別の大手企業の部長クラスの方も、転職半年後には役員に抜擢され、現在は会社の中核を担う人材として指揮をとっておられます。

こうした方々の共通点は、ご自身でしっかりと納得してから動いているということ。転職とは、望む会社に入ったらゴール、というわけではありません。むしろその先が、より幸せな人生を送れるかどうかを決めるのです。ですから「もっと仕事の幅を広げたい」と希望されて情報を吟味し、それが叶う環境の会社をご自身で選び、納得されて入ったという過程がとても大切です。自分で選択することで、入社後のパフォーマンスも高まるのではないでしょうか。

保険業界の転職のポイントは「慎重に考えて、大胆に動く」こと

-転職をする際に、エージェントを利用するメリットはなんでしょう。

石井:保険業界の転職で大切なことは、「転職で何を叶えたいのかを慎重に考えて、動くときは大胆に」ということ。常に求人はいくつも出ていますが、それが本当に自分に適しているかどうか、情報収集がとても大切です。「新しい保険の販売チャネルを拡充するための、企画や戦略を策定することができる人材が求められている」「全社の業務効率化の観点から、事務フロー構築やシステム開発を行うための求人が多く出ている」「金融庁の規制強化に伴い、自社や関連会社の監査や不正防止を担う人材が募集されている」といった旬の情報は、なかなか求職者個人では手に入りにくい情報です。けれどもエージェントには、こうした情報が常に入ってきているので、ベストなタイミングを見つけることができます。

パソナキャリアのアドバイザーは保険業界のほぼすべての案件を紹介することができ、当社は複数の保険会社において最も入社数が多い転職エージェントです。さらに、ご希望があれば、保険業界以外の求人もご紹介することができます。

私が担当しているハイクラスの方々は、「今の会社に大きな不満はない。しかし、もっとチャレンジできる環境があれば挑戦してみたい」といった方が多くいらっしゃいます。転職エージェントから最新情報を常にもらいながら待ち、マッチした求人が出れば、すかさず動き出すのがベスト。実際、初めてお会いしてから2年後に、転職をされた方もいらっしゃいます。

-業界特化型ではなく、総合型だからこそのメリットはありますか。

石井:業界を超えたご提案も含め幅広い選択肢を提示できることです。業界内での転職は弊社の保険チームで手厚くサポートができますし、それに加えてメーカーのリスクマネージャーや、商社の保険部、金融部、他業界から保険へ参入する企業等、保険に親和性の高い職種の求人もご紹介が可能です。ご自身の可能性を幅広く検討した上で、納得した意思決定ができるのは総合型ならではのメリットだと思います。

またパソナキャリアでは、特定の案件を紹介して終わりではなく、希望にあった案件をすべてご提案、一緒に納得できるまで寄り添うことも強みとしています。お客様満足度で高い結果をいただいているのは、この強みを活かせているからだと思っています。

-最後に、仕事で心がけていることを教えてください。

石井:求職者に寄り添って、しっかりとご納得していただくようなサポートをすることです。転職理由やご経歴などをしっかりヒアリングし、ご希望を把握するよう注力しています。また、企業側にもしっかりと話を聞き、その会社がどんなプロジェクトを動かしていて、どのような人材を求めているのかを掴むことも大切。この両輪によって、双方が納得できる転職が叶うと感じています。

そのためにも、勉強や情報収集が必要不可欠です。会社の外側から同時に多くの会社を俯瞰することで、体系的な理解が得られていると自負しています。転職者の動向、企業動向、どちらも直接感じられるのも強みになります。ですから、すぐに転職を考えていなくても、まずは面談に来ていただけるとうれしいですね。自分をしっかり理解してくれるキャリアアドバイザーをつけて、転職のタイミングを見計らうことが、保険業界での転職成功の大きなポイントだと思います。


(取材・文/萩原 はるな)

〈話し手 プロフィール〉

リクルーティングアドバイザー兼キャリアアドバイザー 石井 皓大

パソナキャリアに入社後、一貫して人材紹介部門で金融業界の転職支援に従事。
保険業界専門チームの立ち上げから現在まで、30代~40代のミドル・ハイクラス層の転職サポートをメインに企業担当とキャリアアドバイザーを兼任。
キャリアアドバイザーとして、企業の採用ターゲットや採用温度を見定めた情報を届けられる点が強み。
 

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