マネージャーの役割とは?向いている人の特徴やマネジメントで大切なことを解説
<目次>
マネージャーの一般的な役割とは?
マネージャーには、具体的にどのような役割があるのでしょうか。ここでは、組織におけるマネージャーの一般的な役割について解説します。
【役割1】組織としての方向性を決める
組織としての方向性を決めることは、マネージャーにとって非常に重要な役割です。具体的には、経営層の決めた事業戦略に沿って、担当部署の目標やビジョンを設定します。「組織としての指針」や「達成すべき数値」が明確になることで、部署のメンバーも自身の役割を理解できるようになり、組織全体の士気も高まるでしょう。
【役割2】人材を適材適所に配置する
マネージャーには、担当部署の人材配置を考えるという役割もあります。具体的には、部下一人ひとりの適性や強み・弱み、キャリアビジョンなどを正しく把握したうえで、ふさわしい業務やプロジェクトに配置する役割です。適材適所に部下を配置することで、個々の能力を引き出しやすくなり、パフォーマンスも最大化できます。
【役割3】人材のモチベーションを管理する
人材のモチベーションを管理することも、マネージャーの大きな役割です。例えば、部下と定期的にコミュニケーションを取って業務の相談に乗ったり、インセンティブ制度や表彰制度などを設けて挑戦を後押ししたりします。こまめに部下の動機づけをすることで、一人ひとりの意欲が高まり、組織としての成果も高まるでしょう。
【役割4】プロジェクトの進捗を管理する
部署やチーム内では、さまざまな業務上のプロジェクトが進行しています。こうした各プロジェクトの進捗を管理するのも、マネージャーの役割です。具体的には、予算やスケジュール、納期、成果物の品質などを管理し、トラブルが起こった際は責任者として対応します。マネージャーが監督役として適宜アドバイスやサポートをすることで、メンバーがプロジェクトを円滑に進めることができ、組織としての成果につながりやすくなるのです。
【役割5】適切に成果を評価する
部下の業務に対して公正にフィードバックし、適切な評価をすることもマネージャーの役割です。マネージャーが部下の成果や業務プロセスを評価し、本人に称賛や改善点を伝えてあげることで、部下側も「頑張りを認めてもらえた」という充実感を味わえます。結果として部下の意欲が高まり、組織の雰囲気も活性化されるでしょう。
【役割6】人材のスキルアップを支援する
マネージャーは、部下にとって業務上の“お手本”となる存在です。そのため、部下の能力開発を支援するという役割も担います。例えば、部署全体で勉強会を開いたり、個別にコーチングしたりという方法が挙げられるでしょう。マネージャーが部下のスキルアップを支援することで、組織全体のパフォーマンス向上につながります。
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マネージャーの役割を“階層別”に紹介
マネージャーの役割は、社内における「階層」によっても少なからず異なります。ここでは、マネージャーを3つの階層にわけ、それぞれにおける役割の違いについて紹介します。
経営の舵(かじ)をとる「トップマネジメント」
トップマネジメントとは、「最高経営層」とも呼ばれ、企業のトップとして経営の舵をとるポジションです。例えば、会長、社長、取締役、常務などの役職が該当します。トップマネジメントの具体的な役割としては、事業戦略の立案や経営理念の策定、マネジメント層への指導、経営リスクの分析などが挙げられるでしょう。トップマネジメントが組織全体の方向性を明確にすることで、現場が一体感を持って業務に取り組めるようになります。
経営層と現場をつなぐ「ミドルマネジメント」
ミドルマネジメントとは、「中間管理職」とも呼ばれ、経営層と各現場のリーダーをつなぐポジションです。例えば、各事業の部門長や部長、課長、エリアマネージャーなどが挙げられます。ミドルマネジメントは、経営戦略をかみ砕いて現場へ伝えたり、各部署の人材配置を考えたり、コンプライアンスを管理したりするのが主な役目です。ミドルマネジメントが上層部と現場の橋渡し役になることで、組織全体が円滑に動けるようになります。
現場の指揮をとる「ロワーマネジメント」
ロワーマネジメントとは、「監督者層」とも呼ばれ、直接現場メンバーの指揮をとるポジションです。例えば、係長、主任、チームリーダーなどの役職が当てはまります。ロワーマネジメントの役割としては、メンバーの指導や育成、動機づけ、労務管理、プロジェクトの進捗管理などが中心です。ロワーマネジメントが現場メンバーの良きコーチ役となることで、組織全体のパフォーマンスが高まり、企業としての成果創出にもつながります。
マネージャーの役割に向いている人の特徴とは?
新たにマネージャーの役割を任される人のなかには、「自分はマネージャーに向いているのだろうか」と気になっている人も多いかもしれません。そこで本章では、マネージャーに適性が高い人の特徴について解説します。
円滑にコミュニケーションを取れる
マネージャーには、経営層と現場をつなぎ、組織を円滑に動かす役割があります。そのため、周囲と前向きにコミュニケーションを取り、意思疎通を図れる人は適性が高いでしょう。例えば、喜んで部下の相談に乗ったり、経営陣に対して積極的に意見を求めたりできる人は、マネージャーとして周囲からも頼られやすくなります。
冷静かつ客観的に物事を考えられる
マネージャーは組織内で問題が起こったとき、解決に向けた道筋をメンバーに示す必要があります。その際、自分の利益を最優先したり、焦って決断をしたりした場合、部下からは当然納得してもらえません。そのため、客観的に状況や利害関係を整理し、冷静に物事の優先度を決められる人はマネージャーとしての適性が高いでしょう。
人を信頼して仕事を任せられる
マネージャーの役割は多岐にわたるため、自分一人ですべての業務を抱え込むとキャパシティを超えてしまう可能性もあります。そのため、部下を信頼して、積極的に仕事を任せられる人はマネージャーに向いているでしょう。部下に挑戦の機会を多く与えることで、個々のスキルアップにもつながり、組織全体の成長が期待できます。
マネージャーが役割を果たすために大切なこととは?
マネージャーが自身の役割をまっとうするために、意識すべきことはあるのでしょうか。ここでは、マネージャーが役割を果たすために大切にすべきことを紹介します。
経営戦略を深く理解する
マネージャーの最たる役割は、経営陣の決めた経営戦略に基づいて、自組織の目標やビジョンを策定することです。だからこそ、経営戦略へのより深い理解が求められます。具体的には、「数年後に企業がどうなりたいのか」「社会や市場はどう変化するのか」「各部署に求められる役割は何か」などを把握しておくことが大切です。企業全体の動きを正しくつかんでおくことで、現場への指示も出しやすくなり、組織の一体感も醸成できます。
部下の適性を正しく理解する
組織の成果を最大化するには、部下を適材適所に配置する必要があります。そのため、マネージャーは部下一人ひとりと密にコミュニケーションを取り、個々の適性を正しく理解することが重要です。例えば、1on1ミーティングで部下のキャリア観を掘り下げたり、業務に対してこまめにフィードバックしたりします。このように人材に対する評価能力(アセスメント能力)を高めておくことで、組織全体の能力も伸ばしやすくなるでしょう。
視野をできるだけ広く持つ
近年は市場の国際化やテクノロジーの進化に伴い、時代の変化が激しくなっています。マネージャーはこうした世の中の変化を柔軟にとらえたうえで、自組織を運営していくことが必要です。そのため、日ごろから情報感度を高め、視野を広く保つことが重要でしょう。例えば、業界内における関連法規の整備状況や競合の動向、コンプライアンス上のリスクなどを事前に把握しておくことで、世の中の動きに合致したビジョンを立てられます。
マネージャーとしてキャリアアップを目指すなら、ハイクラス転職も視野に
マネージャーとしてキャリアアップを目指すためには、転職を選ぶことも一つの方法です。しかし、マネージャーの求人は企業にとって経営戦略を明かすことに等しく、「非公開」として扱われるケースも少なくありません。そのため、マネージャーの求人を探す際には、ハイクラス向けの転職サービスを活用することが大切です。ハイクラス転職の支援実績が豊富な転職エージェントであれば、マネージャーの非公開求人も数多く扱っています。
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