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人事への転職 必要な資格とスキルは? 未経験でも大丈夫?

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会社にとって必要な人材を採用したり、働きやすい職場環境を整え支援・管理をしたりする人事の仕事は会社の総合窓口ともいえる存在です。採用や入社手続きに関わった社員たちが成長していく姿を見られるところも魅力です。その分、職種の中でも人気が高く狭き門ともいわれています。今回は、パソナキャリア キャリアアドバイザーの田中友貴に、人事職への転職活動のポイントについて聞きました。

人事の仕事は、企業ごとに違う

「人事」というと、採用をメインに行う部署というイメージが強いかもしれませんが、会社によってその職務内容の領域は大きく異なります。

採用はもちろん、教育研修、労務、総務、企画も業務領域

人事とは具体的にどのような仕事内容を行う職種なのでしょうか。

田中: 「人事という仕事について明確な定義があるわけではありませんが、個人的には大きく4つにわけられると思っています。“採用”、“教育研修”、“労務”、“制度企画”です。求人票を見ても“採用専任者”や“人材採用、教育研修担当”という内容で募集がされています。なかには、すべての領域を横断して担当するゼネラリストの募集もあります

人事は、必ずしも採用担当になるということではありません。労働基準法などの知識が必要な労務、経営の戦略に関わる制度企画の仕事に携わることもあります。規模の小さな企業であれば、総務を兼任することもあります。

大手企業、外資企業でも、仕事の範囲は変わる

大企業は部署も人材も豊富なため、4つの領域のなかでも何かひとつに特化した求人が多く、反対に中小企業、ベンチャー企業やスタートアップ企業では、幅広い領域を少数精鋭で担う働き方が求められる傾向があるようです。

田中: 「大企業ですと、若手のうちは“採用”や“労務”などの現場を経験し、20代から30代で社員の“教育研修”などのキャリアを積まれる方が多いです。基本的には、上層部が立てた戦略の通りに業務を遂行していく役割になります。そして、30代から40代のハイキャリアの方々が、“労務”でも上流工程の対応であったり、制度企画に携わっていたりという傾向が見られます。一方、中小企業やベンチャー企業では社長や役員との距離が近く、若手のころから新しい人事戦略やプロジェクトを直接的に任されることもあります」

専門性を高めたいのであれば大企業、幅広い領域の経験を積みたい場合は、中小企業やベンチャー企業、スタートアップ企業を選ぶというのもひとつの方法です。また国内企業か外資系企業かによっても違いがあります。グローバルに働きたい人にとって外資系企業は人気ですが、注意しておきたいポイントがあります。

田中: 「外資系企業の場合、あくまでオーナーシップは海外にあるケースが多いようです。日本は現地法人という立ち位置で、企業の本国から降りてきた任務を遂行するという役割。もちろん、すべての外資系企業がそうだとはいえませんが、英語力を活かして海外人材のサポートを企画から行いたい場合は、グローバル展開をしている国内企業を選ぶという選択肢もあります」

人事の仕事は会社の規模や形態によってさまざまな違いがあります。

未経験でも人事に転職できるのか?

幅広い分野の業務がある人事の仕事ですが、未経験から人事へ、異業種からの転職は可能なのでしょうか。20代であれば、可能性は大いにあるそう。では、どのような素養があれば未経験でも内定を得られやすのでしょうか。

営業や接客のコミュニケーション能力は人事に活かせる

未経験者を採用する場合でも、人事と「類似性がある」職種での経験は評価されやすいようです。
類似性とは、人と接する仕事をしていたかどうかがポイントになります。人事は、求職者や社員と接する機会の多い仕事なので、営業や接客販売など、コミュニケーションをとる仕事を経験として積まれている方が、内定を得やすい傾向にあります。

人事コンサル経験は活かせる

また、人事コンサルタントとしての経験は人事の仕事に活かせることが多いようです。

田中: 「私たちのような転職エージェントや人材紹介会社での勤務も採用に繋がりやすい経験のひとつです。人事コンサルタントとして、クライアントの課題を発見し解決する能力は“教育研修“や“制度企画”などの領域で活かせると思います」

結論、20代であれば、未経験から人事への転職は可能です。今後のキャリアプランを見直したときに、営業や接客など対顧客目線の仕事ではなく、社員たちの働く環境を整える管理部門で自分の能力を活かしたい、また安定的に長く働きたいと人事を検討される方が多く見られます。

人事職経験者は転職しやすい?難しい?

多くの求職者を“採用する側”として見てきた人事経験者は、面接で求められることや自己PRの回答方法など、採用に関する情報を知っているため、転職に有利だと思われがちですが、実際はそんなことはありません。

採用の視点を知っているからこそ、面接が上手くいかない⁉

意外に思うかもしれませんが、人事経験者は面接が上手くいかずに苦労することが珍しくないそうです。

田中: 「転職理由や志望動機の伝え方が弱く、採用に至らない求職者の方も多く見てきました。その原因として多いのが、前職での採用基準に固執しすぎてしまうからのように思います。それぞれの会社には社風があり、求める人材も異なります。そこを理解して柔軟に合わせていく姿勢が必要です」

ミドル、40代、50代の転職について

終身雇用制度が揺らぎ始めた昨今。ひとつの会社で勤めるのではなく、転職によってキャリアアップを図るミドル層も増えています。

田中: 「大企業や外資系企業で働いていた30代以降の方が、『もう少し裁量権を持ちたい』、『制度企画に携わりたい』、『幅広い領域の経験を積みたい』などの理由で転職を考える方がいらっしゃいます。また一歩進んだところで、バックオフィスを統括する管理部長といった立場へのステップアップを検討される方もいらっしゃいます。ただ、40代以降になると、ずっと“採用”だけを専門に担当されていた方が“制度企画”の求人に応募したとしても、内定が得にくいということはいえると思います。またミドル層の転職では特に、『今までのキャリアでこの強みを発揮していたけれども、御社の人事課題に合わせて適材適所で対応していきたい』といった、柔軟性の部分を意識的に付け加えることをオススメします」

人事職への転職活動のポイント

それでは、実際に転職をするときに気をつけたいポイント、内定を獲得するために必要な志望動機や自己PRを伝えるときのコツを具体的に紹介していきましょう。

自己PRはどういった点をアピールすべきか

自己PRについては、あなたが人事のどんな領域での働きを期待されているかによって、アピールするポイントが異なります。

田中: 「例えば“採用”であれば、数字への意識の高さが喜ばれることが多いです。採用予定人数を達成するために自分なりにどのような行動をとったのか、という話を意識して話すことをオススメします。“労務”では、労働法などの知識や正確性が重視されます。“教育研修や“制度企画”では実績を伝えるだけでなく、人事課題の解決のためにどのような行動をとったかといった、提案力をアピールすることが大切です」

人と接する機会の多い職種だからといって、コミュニケーション力だけをアピールしても説得力に欠けてしまいます。コミュニケーションを円滑にとれることは前提として、それぞれの領域に合わせた強みを伝えましょう。

転職に有利な資格、スキルにはどんなものがある?

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転職の際に、有利になる資格はあるのでしょうか?

田中: 「人事の仕事をするのに不可欠な資格はありませんが、今後のキャリアアップを見据えて資格を取得しておくことはオススメです」

実務や経験が重視される職種ではありますが、資格取得のために自発的に勉強をしているという姿勢は評価ポイントになります。

社会保険労務士

人事職のなかでも「労務」の領域に携わるのであれば、「社会保険労務士は非常に有効」です。
社会保険労務士は、労働保険、社会保険、年金関係の手続きをしたり就業規則を作成したりするなど、人事・労務の専門家としてアドバイスをするための国家資格です。労務全般の基本的な知識を身に着けられるため、人事職を目指すのであれば勉強しておいて損はありません。

産業カウンセラー、キャリアコンサルタント

採用領域に強く影響するかというと「それほどではない」そうですが、人事に関連する資格としては産業カウンセラー、キャリアコンサルタントも挙げられます。

田中: 「産業カウンセラーは、企業内などの人間関係やストレスなど、悩みを抱えている人の相談を受けて、アドバイスをする専門家です。働く人たちの心のケアを行うことができます。キャリアコンサルタントは、就労者の経験やスキルに基づき、キャリア形成の支援を行う専門家。社員の“教育研修”や“制度企画”などの領域での活躍も期待できると思います」

これからの人事職に求められるもの

働き方改革という言葉も浸透し、ダイバーシティ(多様性)が重視されるようになって雇用形態も変化しています。そのなかで、人事には何が求められるのでしょうか。

田中: 「最近は“タレントマネジメント”が注目されています。自社の人材(タレント)の経験・得意分野・スキル・素養などのデータを一元管理し、新しいプロジェクトが開始したときなどに適材・適所の人材を迅速に配置したり、教育したりすることを指します。外から新たな人材を採用したり、業務をアウトソーシングしたりせずに、社内で適切な人材を見つけるためのマネジメントが求められています

また、人材資源(Human Resource)とテクノロジーを掛け合わせた「HRテック」にも注目が集まっています。「HRテック」とは、人工知能(AI)、クラウド、ビックデータなどの最先端のテクノロジーを駆使して人事課題を解決する試みです。

田中: 「社員の能力をデータ化し適切かつ効率的に働きやすい環境を実現させる技術です。“タレントマネジメント”や“HRテック”といった言葉が流行するのは、労働人口が減少し、業務やライフスタイルが多様化している現在の人事課題を表しているように感じます。日々の業務をこなすだけでなく、課題解決の視点を常に持ち、社員をマネジメントする能力を持つ人材が、人事職にも求められる時代になっています」

必要な人材を採用し、社員が働きやすい環境を整えることはもちろんですが、人事という仕事は会社が成長するための一翼を担っている仕事といえます。

人事職への転職を目指すなら

「人事職への意向が強まった」、「自分にどんな強みがあるのか知りたい」という方は、ぜひパソナキャリアのキャリアアドバイザーにご相談ください。
人事職のどの分野に、あるいはどんな働き方に向いているのか?転職のプロが、無料のキャリアカウンセリングであなたの強みの洗いだし、志望する企業の面接対策まで行うので、一人で転職活動を進めるよりも満足のいく転職を目指すことが可能です。

〈話し手 プロフィール〉

キャリアアドバイザー 田中 友貴

ブライダル業界で婚礼衣装のスタイリストとして就業後、かねてより関心の深かった人材業界にて、転職という人生のターニングポイントの選択に悩まれている求職者に寄り添いお力になれる仕事がしたいと考え、パソナキャリアに入社。管理部門やバックオフィスのご経験をお持ちの方を中心とする専門職およびハイキャリア領域のキャリアアドバイザーを担当。

【得意分野】

大手から中小企業、ベンチャーまで幅広くサポートさせていただいていますが、特に以下を得意としています。
・人事・経理・法務・経営企画などの管理部門系職種
・ハイキャリア領域を担当し30代後半~40代の転職に強み

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