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【ハイキャリア転職】管理職の応募書類作成テクニック~自分の魅力を引き出す『キャリアの棚卸し』とは?

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多くの管理職に求められる「コミュニケーション力」「マネジメント力」は転職活動の際にも、選定基準の1つとされています。実務に関するスキルに加えて、この2つを上手くアピールし、「面接で話を聞いてみたい」と採用担当者に思ってもらえる応募書類にするためには、何を意識すれば良いのでしょうか。そこで、パソナでエグゼクティブの転職サポートを担当するキャリアアドバイザーの熊本哲郎に、管理職が書類選考を通過するために必要な応募書類作成のポイントについて聞きました。

管理職の履歴書・職務経歴書作成のポイント

-管理職と一般職(一般社員)では、応募書類の書き方に違いはあるのでしょうか?

熊本: 管理職でも一般職でも、応募書類作成の基本は変わりません。しかし、管理職の場合、経営層など役職の高い方が、選考に携わるケースがほとんどです。多忙な方々に限られた時間の中で、最後まで応募書類に目を通してもらうためには、稚拙と思われるような表現は避けて、伝えるべきポイントを明確にすることが大切です。

これは、一般職にも言えることですが、応募書類は「端的に要点をまとめ、分かりやすく、キーワードを意識した見やすい書類」を作成することが重要です。要点のまとまっていない長文では、アピールしたいキーワードが埋もれてしまいます。

-目に留まりやすいキーワードとは?

熊本: どなたも企業選定時には、求人票の職務内容を確認した上で応募されていると思います。その求人票の職務内容の中でキーワードとなる部分に触れるような内容が応募書類に書かれていると、採用担当者の目に留まりやすくなりますね。

-応募書類からも管理職の適正は分かるものでしょうか?

熊本: 管理職に必ずと言っていいほど求められるのが、コミュニケ―ション力です。伝える力がないと、上司にも部下にも自分の考えが伝わらず、マネジメントとしての役割を果たすことができないでしょう。書類は自分の考えや思いを伝えるツールの1つであり、これは履歴書、職務経歴書でも同じです。そのため、相手に伝えるということを意識して、分かりやすく見やすい書類の作成を心掛けてください。応募書類は、企業とのファーストコミュニケーションですからね。

-履歴書を書く際の、注意点を教えてください。

熊本: 履歴書はフォーマットが決まっているので、フォーマットに沿って正確に記載してください。以前は、手書きの履歴書が一般的でしたが、最近は企業側からの指定がない限りPCで作成することが多いです。フォントの統一感、サイズ、行間や全体のレイアウトなど、基本的な文書作成のスキルを証明するためにも、バランス良く読みやすい見せ方を意識してください。

注意していただきたいポイントが、西暦・和暦を統一させること。「同上」や(株)などの略式表記を使わないこと。また、職歴の最後には、「以上」または「現在に至る」という文言を記載します。退職している場合は「以上」。在職中の場合は「現在に至る」と表記します。

-職務経歴書の書き方に、決まりはありますか?

熊本: 職務経歴書には、決められたフォーマットというものはありません。そのため、ご自身の個性や能力をアピールしやすい書類でもあります。Excel(エクセル)で作成される方もいらっしゃいますが、Word(ワード)で作成される方が圧倒的に多いですね。パソナキャリアのサイト内にも職種ごとの職務経歴書のフォーマットやサンプルなどがあるので、参考にしてみてください。

私は「自分のことを戦略的に売り込む書類として、職務経歴書を作成してください」と、いつも求職者の方々にお伝えしています。ビジネス上で何かを提案するときには、プレゼンテーションを求められますよね。それと同様に自己アピールをするときにも当然、戦略が必要になってきます。

以前、転職サポートを担当させていただいた管理職の方で、グラフを用いて職務経歴書を作成された方がいらっしゃいました。円グラフを3つ重ねて、今までご経験された業務を書き込み、円の重なっている部分が、特に経験の深い業務だとアピールされていました。3つのグラフから一目でどのくらいの業務領域を経験してきたのかを表した、分かりやすく見やすい職務経歴書でした。

 

このように、文章だけではなくグラフや図表などを用いて作成しても、問題ありません。大切なのは、自分自身のアピールポイントを採用担当者にしっかりと理解してもらえる書類にすることです。

-これまでの経験社数が多い場合、書き方のコツなどはありますか?

熊本: 経験社数が多い場合、省略したいと考える方もいらっしゃると思いますが、履歴書にはこれまでの職歴を全て記載してください。前述したとおり履歴書はフォーマットが決まっているので事実をすべて書かないと、経歴詐称になってしまいます。一方で、職務経歴書は、自分のアピールしたい業務をメインに作成するので、アピールに繋がらないと思われる職歴(就労期間が短い、応募要項の業務内容と異なるなど)は一行程度に簡潔にまとめて記載するのが良いと思います。

また、管理職の方は、社会に出てからの期間が長い方も多いので、職務経歴書の職歴を最近の職務から記載する「逆時系列」で書くことをオススメしています。直近の業務の方がアピールされたい内容だと思いますし、採用担当者も知りたい部分です。

-現職よりも前職をアピールしたい場合にはどうすれば良いでしょうか?

熊本: 一般的に、職務経歴書の最初には「職務要約」を記載するのですが、そこに今までの経歴のなかでアピールしたいことを書いていただくのが良いと思います。職務要約は、最初に採用担当者が確認する部分なので、ご自身のアピールポイントやキーワードを入れて何が得意分野なのかを明確にしましょう。

また、職務要約の下に「職務詳細」として今までの経歴を書いた後に、最後に「自己PR」の項目を追加する方法もあります。自分の得意分野を採用担当者に認識していただいた上で、その裏付けとして、職務詳細を見ていただき、自己PRをするのも1つの方法です。

-自己PRを書く際のポイントについて、教えてください。

熊本: もともと日本には謙遜の文化があるので、素晴らしいスキルや経歴をお持ちでも、謙虚に書かれる方がとても多いと感じますね。ただ、遠回しな表現だと、ご自身の強みが伝わりにくい自己PRになってしまいますので、アピールされたい部分は遠慮せずに、「自慢するぐらいの気持ち」で書きましょう。

 

また、自己PRは「メリハリをつけて書く」ことをオススメしています。メリハリとは、優先順位の違いです。求人票の募集要項と自分の強みが重なる部分は、優先順位が高いので目立つようにして、「業務内容、目標、与えられた課題に対してどのような成果を出したのか」を細かく記載します。当然ながら成果の有無も見られますので、成果や実績は必ず記載するようにしてください。

-自己PRが思いつかない場合にはどうすれば良いのでしょうか?

熊本: 自己PRに何を書けば良いのか悩まれたら、3つの柱を軸に考えてみてください。1つ目は、これまでの経験や実績など、業務において伝えたいこと。2つ目は、どのような考えを持って、業務を遂行しているか、ご自身の強みだと思われること。3つ目は、ご自身の性格や人柄において、アピールされたいこと。

管理職の場合、この3つの柱に加えて「マネジメント」という視点から、ご自身が心掛けていることや優れていると思う部分を30~40個程度挙げてみてください。そこから、ベスト5~10に絞り込み、自己PRとしてまとめてみましょう。

「キャリアの棚卸し」で正確に自分の良さをアピールする

-自分の良さを伝える書類を作成するためには、何をすべきですか?

熊本: せっかく素晴らしいスキルや経歴をお持ちなのに、その点を応募書類で上手くアピールできておらずに、もったいないと感じることもあります。その際には「キャリアの棚卸しをしましょう」とお伝えしています。

-「キャリアの棚卸し」方法について教えてください。

熊本: まずは、入社してから現在までの業務内容をキーワードごとに洗い出し、箇条書きにしていきます。次に洗い出したキーワードに沿って、どのような業務で、どんな苦労や困難があり、どういう工夫をして成果をもたらしたのかを、失敗経験も含め全て書き出します。

その後、洗い出したキーワードに優先順位をつけ、優先度の高い順に並び替えます。さらにカテゴリー別にキーワードを分けていきます。優先度の低いものは、一言にまとめるか、削除します。キーワードを徐々に整理していき、最終的に形になるようにしていきます。キャリアの棚卸しを行わずに、頭の中だけで考えながら応募書類を書き始めてしまうと、全体的なバランスが取れず、自分の強みや良さが伝わりにくい書類になってしまいます。

また、キャリアの棚卸しをしておくことで、漏れのない分かりやすい書類に仕上がるだけでなく、簡潔に要点を伝えることができるので、面接対策としても有効です。

キャリアの棚卸しは、作業時間もかかりますので少し億劫に感じるかもしれません。しかし、1度自分自身のデータベースを作っておくと、そこから必要な時に必要な情報を取り出すことができますし、転職の軸もより明確になりますので、ぜひ行ってみてください。

-応募書類を自分でチェックする際のポイントは?

熊本: 自分のアピールポイントが、正しく伝えられているかどうかを客観的に見ることですね。ご自身が面接官になったつもりで、ご覧になれば分かるのではないでしょうか。管理職の方は、これまで採用側として、中途採用の応募書類を見ていた方も多いはずです。ご自身で作成した応募書類を見て、「自分を正しく伝えていて、会ってみたいと思う書類」になっているかどうか、見直してみてください。

私が担当させていただいた方のなかにも、「ご自身のアピールポイントは、この書類にすべて出せていますか?」と伺うと、首をかしげてしまう方もいらっしゃいました。「会って話せば分かってもらえるはず」と思われているようで、応募書類の作成を軽んじてしまう方も多いようです。

一般的に、書類選考の通過率は、10%~20%と言われています。せっかく高いスキルと経歴をお持ちでも、応募書類で良い部分を伝えきれず、企業側に理解される前にお見送りになってしまっては、本当にもったいないですよね。

-書類選考でお見送りになってしまうのは、応募書類の書き方が原因ですか?

熊本: それは、書類の書き方以外にもさまざまな要因が考えられます。
1つ目は、ご自身のスキルや経歴と企業の募集内容のマッチ度が低い場合。企業選びのポイントについては、企業選定の記事を参考にしてみてください。
2つ目は、応募されるタイミング。企業側が早く採用を進めたい場合、求人票がオープンになってすぐに応募された方がより有利にはなります。採用活動はつねに動いていますので、例えスキルが高く優秀な方でも、時間が経ってしまうと他の候補者が先に決まってしまうこともあります。
3つ目は、転職を考えているライバルが他にもたくさんいるということです。ですから、「もし書類選考で選ばれなくても落ち込まずに、それよりもご自身の良いところを正確に伝える努力をしましょう」とお伝えしています。

応募書類作成でお悩みの管理職の方に、パソナキャリアができること

-応募書類を工夫したことで、書類選考に通過できたケースについて教えてください。

熊本: パソナキャリアでは、応募書類の書き方が分からないという方へのアドバイスはもちろん、ご要望があれば添削もさせていただきます。管理職の方の場合、部下の作成した書類を添削する機会は多くても、自分で一から書類を作成する機会は少ないという方もいらっしゃいます。

過去にも、専門的なスキルと経歴をお持ちなのに、簡易的な職務経歴書を作成されている方がいらっしゃいました。このまま応募してしまっては、ご本人の魅力が正しく伝わらないと感じましたので、キャリアの棚卸しをオススメし、職務経歴書のまとめ方をサポートさせていただきました。

キャリアを棚卸しされたことで、転職理由や、志望動機、今後のビジョンなども明確になり、ご自身の良さが伝わりやすい職務経歴書になりました。その後、無事に書類選考を通過され、面接へと進み、内定をいただくことができました。

-最後に、転職を考えている管理職の方にメッセージをお願いします。

熊本: 応募書類を作成される際には、ご自身を見つめ直すことから始めてみてください。商品知識がないとモノを売ることができないのと同じで、自分自身の強みやアピールポイントを把握できていないと、自分の魅力を上手く伝えられないですよね。とはいえ、自分のことを客観的に見ることは難しいので、ぜひ私たちのようなキャリアアドバイザーを頼っていただけたらと思います。キャリアの棚卸しの方法や、戦略的な応募書類作成のお手伝いをさせていただきますので、気軽にご相談ください。


(取材・文/廣田 美千代)

〈話し手 プロフィール〉

キャリアアドバイザー 熊本 哲郎

外資アパレルメーカーの営業として就業後、自身の経験をもとに、同じように転職に悩む方を支える存在になりたいと、パソナキャリアに入社。再就職支援では20代から60代の幅広い業種職種への就職を支援。その後、コンシューマー領域の転職支援を中心に、現在は人事総務・法務を中心とする管理部門系専門職およびハイキャリア領域のキャリアアドバイザーを担当。

【得意分野】

大手からIPO前のベンチャーまで幅広くサポートさせていただいていますが、特に以下職種を得意としています。
・経理・人事・総務・法務などの管理部門系職種
・各種コンサルタント
・経営企画・事業企画(M&A・事業投資・BPO・プロジェクト管理・新規事業開発etc…)

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